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編集部コラム「個人成績で見る昨年の全国高校駅伝」

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第130回個人成績で見る昨年の全国高校駅伝(井上 敦)


本題の前に、2年連続で中止となった全国都道府県対抗男子駅伝について。先日とある取材先で「女子が開催できたので、男子はやってほしかった」なんて声を聞きましたし、SNS等でも同様の言葉をとても多く拝見しました。やむを得ないと思いつつも、私も同感です。我が郷里・新潟は、東京五輪に出場した服部勇馬選手(トヨタ自動車)と、箱根駅伝の青学大総合Vに貢献した岸本大紀選手が登録されていただけに、見たかったですね。

さて、テーマは昨年末に開催された全国高校駅伝です。前年に続き、さまざまな制限がありましたが、無事に終わって、現場に行った者としてはホッとしています。男子は世羅(広島)、女子は仙台育英(宮城)がそれぞれ制覇。男女そろって全中継所をトップ通過での優勝は1993年以来28年ぶりになります。この時は男女とも仙台育英が制しました。

大会報道は、絶賛発売中の2月号をご覧ください。まだ手にしていないという方はオンラインショップなどでお買い求めください!

チーム戦ですが、個人成績でも活躍がいくつか目立ちました。ここではその2月号に紙幅の都合で盛り込めなかった(忘れていた?)各区間のタイムで歴代5傑に入った選手を歴代表で紹介します。右端の丸数字はその年の区間順位です。

【男子】
■1区(10km)日本人選手歴代5傑
28.48 佐藤 一世(八千代松陰3千葉) 19年①
28.49 森下 翔太(世羅3広島) 21年①
28.50 松山 和希(学法石川3福島) 19年②
28.51 吉岡 大翔(佐久長聖2長野) 21年②
28.52 鶴川 正也(九州学院2熊本) 19年③
※区間記録は1995年のJ.ギタヒ(仙台育英2宮城)の27分48秒

■2区(3km)歴代5傑
7.55 佐藤 清治(佐久長聖2長野) 98年①
7.59 前田 恋弥(市船橋3千葉) 14年①
7.59 山中 達貴(西脇工3兵庫) 21年①
8.01 村尾 雄己(佐久長聖2長野) 20年①
8.04 大森 駿斗(智辯カレッジ3奈良) 20年②

■3区(8.1075km)日本人選手歴代5傑
23.10 佐藤 圭汰(洛南3京都) 21年④
23.28 中谷 雄飛(佐久長聖2長野) 16年③
23.34 志方 文典(西脇工3兵庫) 09年③
23.37 工藤 慎作(八千代松陰2千葉) 21年⑥
23.38 村澤 明伸(佐久長聖3長野) 08年②
※区間記録は2020年のC.ムワンギ選手(世羅2広島)の22分39秒

【女子】
■2区(4.0975km)日本人選手5傑
12.35 小林祐梨子(須磨学園3兵庫) 06年①
12.40 高松智美ムセンビ(薫英女学院3大阪) 17年②
12.41 杉森 心音(仙台育英2宮城) 21年①
12.42 夏原 育美(立命館宇治2京都) 07年①
12.44 横江 里沙(須磨学園1兵庫) 10年①
12.44 福田 有以(須磨学園3兵庫) 13年①
※区間記録は2019年のT.ムッソーニ選手(世羅2広島)の12分15秒

■5区(5km)歴代5傑
14.37 T.ムッソーニ(世羅3広島) 20年①
15.04 F.ワンジュグ(青森山田3青森) 08年①
15.06 K.タビタ(神村学園3鹿児島) 18年①
15.10 M.モカヤ(大分東明3大分) 18年②
15.14 W.エスター(興譲館3岡山) 21年①

男子の1区は今回もハイレベルでした。区間賞の森下選手は日本人最高記録にあと1秒。2位の吉岡選手は2年生ですから、再び1区を走れば更新もあるかもしれません。また、5傑には入りませんでしたが、3位の吉居駿恭選手(仙台育英3宮城)も歴代7位タイの28分55秒で走破しました。

2区で史上3人目の7分台をマークした山中選手。本誌でも紹介しましたが、10人抜きでチームの5年ぶり入賞に貢献しました。過去の7分台を出した2人はいずれも中距離で高校記録を出し、インターハイ王者です。

3区は3種目で高校記録を持つ佐藤選手が、雪の舞う中で快走を演じました。「タラ・レバ」の話になりますが、穏やかな天気だったら日本人初の22分台が出たのかもしれません。2年生の工藤選手は2022年シーズン、注目の選手となりそうです。

女子は優勝に貢献した2区の杉森選手の快走が光ります。独走の中で出したタイムですし。ちなみにその独走劇の幕を開けた仙台育英の1区・米澤奈々香選手(3年)は、日本人歴代8位の19分15秒で駆け抜けています。5区のエスター選手は13人抜きでチームを5位まで押し上げました。

こうして都大路で活躍した選手は、その経験を次のレースやステージでも生かしてほしいです。また、結果が出なかった選手も悔しさをバネに次で飛躍してほしいと思います。

今年の年末は、果たしてどんなチームが優勝して、どんな記録が飛び出すか――。昨年末の大会から1ヵ月余りしか経っていませんが、もう気になっています。そのためにもトラックシーズン・・・・・・というか、来月の日本選手権クロカンからチェックしていきます。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、3年間で個人では県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。

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