2020.04.03
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第36回「Tokyo 2020+1」(小川雅生)
東京五輪が1年延期となり、2021年7月23日開幕となりました。
延期が決まった当初、「遅くとも来年の夏までに」とされていました。〝今年〟に懸けていた選手たちは、非常に難しい決断に迫られていることでしょう。渾身込めた冬季練習を、来年になったからといってもう1度できるかと言うと、そう簡単なものではありません。
しかし、日程が早い段階で決まったこと自体は、アスリートにとってはこれ以上ない朗報と言えるでしょう。目標は、1日でも早く定められるに越したことはないと思います。
とはいえ、まだまだ予断を許さない状況が続いています。新型コロナウイルス流行は世界中に広がり、収束の光はまだ見えません。
陸上界も日本選手権の延期をはじめ、各種競技会の中止・延期が相次いで発表されています。
高校生はインターハイ予選が間近に迫っていますが、それすらも危ぶまれる地域があり、場合によって新3年生は試合に出ることなく引退という可能性も……。
スポーツをやっている場合ではないという風潮は確かに理解できます。しかし、子供たちの〝未来〟が奪われるかもしれないと考えると、いてもたってもいられません。
高校生だけではなく中学生も、大学生も、目標に向かって懸けてきた想いは、東京五輪にすべてを捧げてきたトップアスリートと同じです。
でも、そのことに思い至り、コメントをくれたアスリートがいます。男子走高跳の戸邉直人選手です。
「僕も中学、高校の時は全中やインターハイに向けて、今、東京五輪に向けて準備しているのと同じ気持ちで取り組んでいました。僕の今の気持ちと、中高生たちの今の気持ちは同じです。お互いにがんばりましょう!」
私たち一人ひとりの日頃の努力の積み重ねは、必ずや大きな〝成果〟へとつながるはずです。
みんなで、この試練を乗り越えましょう!!
*
東京五輪延期が発表されたタイミングで、SNS上をある言葉が賑わしていました。
東京五輪の表記が、「Tokyo 2020」から変更しないと決まったことを受けてのものです。
「Tokyo 2020+1」
2021年に行われる大会に対して、表記が継続されることに少なからず違和感がありました。でも、「+1」が付くことで、目の前にかかっていた靄がスッと晴れたような気がしました。
何よりも、「東京五輪は2020年に予定されていたこと」が歴史に残ります。
また、来年に開催するためには、世界中の人々、1人ひとりが力を合わせ、この逆境をはねのける必要があります。開催できた暁には、人々が逆境に打ち勝った証明となるでしょう。
延期に関しては、さまざまな意見があります。
ただ、大会はアスリートが主役ですが、大会を成功させるためにさまざまな人たちが力を尽くしています。特にオリンピックに関わる人の数は膨大で、ボランティアだけでも10万人規模に上ります。
大会の延期はアスリートのためだけでなく、大会に関わるすべての人たちの命に関わることであることも知っておくべきでしょう。
こういう事態になって、我々の仕事もいかに多くの人の助けで成り立っているかを実感しました。
大会がなければ報道ができません。
企画も、選手やチームの協力なくしては成り立ちません。
5月号(4月14日発売予定の)は、このような事態に陥る前にご協力いただいていた北海道・立命館慶祥高校をはじめ、対面、電話と方法はさまざまでしたが、多くの方々に取材をさせていただいたお陰で出版にこぎつけられます。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
月刊誌の性質上、刻一刻と変わる情勢に対応し切れず、締め切りから発売までに事態が大きく変わっている可能性は十分に考えられます。
そこはお含みいただきつつ、不自由な生活、トレーニングを余儀なくされる選手をはじめ日本の陸上人たちのエールとなるよう、引き続き誌面づくりに励んでいく所存です!
みんなの手でTOKYO2020+1を実現させよう!
| 小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、後厄の42歳。173cm、71kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重と尿酸値(8.9)の短縮。  | 
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
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編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
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編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
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編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
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編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
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編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第36回「Tokyo 2020+1」(小川雅生)
東京五輪が1年延期となり、2021年7月23日開幕となりました。 延期が決まった当初、「遅くとも来年の夏までに」とされていました。〝今年〟に懸けていた選手たちは、非常に難しい決断に迫られていることでしょう。渾身込めた冬季練習を、来年になったからといってもう1度できるかと言うと、そう簡単なものではありません。 しかし、日程が早い段階で決まったこと自体は、アスリートにとってはこれ以上ない朗報と言えるでしょう。目標は、1日でも早く定められるに越したことはないと思います。 とはいえ、まだまだ予断を許さない状況が続いています。新型コロナウイルス流行は世界中に広がり、収束の光はまだ見えません。 陸上界も日本選手権の延期をはじめ、各種競技会の中止・延期が相次いで発表されています。 高校生はインターハイ予選が間近に迫っていますが、それすらも危ぶまれる地域があり、場合によって新3年生は試合に出ることなく引退という可能性も……。 スポーツをやっている場合ではないという風潮は確かに理解できます。しかし、子供たちの〝未来〟が奪われるかもしれないと考えると、いてもたってもいられません。 高校生だけではなく中学生も、大学生も、目標に向かって懸けてきた想いは、東京五輪にすべてを捧げてきたトップアスリートと同じです。 でも、そのことに思い至り、コメントをくれたアスリートがいます。男子走高跳の戸邉直人選手です。 「僕も中学、高校の時は全中やインターハイに向けて、今、東京五輪に向けて準備しているのと同じ気持ちで取り組んでいました。僕の今の気持ちと、中高生たちの今の気持ちは同じです。お互いにがんばりましょう!」 私たち一人ひとりの日頃の努力の積み重ねは、必ずや大きな〝成果〟へとつながるはずです。 みんなで、この試練を乗り越えましょう!! * 東京五輪延期が発表されたタイミングで、SNS上をある言葉が賑わしていました。 東京五輪の表記が、「Tokyo 2020」から変更しないと決まったことを受けてのものです。 「Tokyo 2020+1」 2021年に行われる大会に対して、表記が継続されることに少なからず違和感がありました。でも、「+1」が付くことで、目の前にかかっていた靄がスッと晴れたような気がしました。 何よりも、「東京五輪は2020年に予定されていたこと」が歴史に残ります。 また、来年に開催するためには、世界中の人々、1人ひとりが力を合わせ、この逆境をはねのける必要があります。開催できた暁には、人々が逆境に打ち勝った証明となるでしょう。 延期に関しては、さまざまな意見があります。 ただ、大会はアスリートが主役ですが、大会を成功させるためにさまざまな人たちが力を尽くしています。特にオリンピックに関わる人の数は膨大で、ボランティアだけでも10万人規模に上ります。 大会の延期はアスリートのためだけでなく、大会に関わるすべての人たちの命に関わることであることも知っておくべきでしょう。 こういう事態になって、我々の仕事もいかに多くの人の助けで成り立っているかを実感しました。 大会がなければ報道ができません。 企画も、選手やチームの協力なくしては成り立ちません。 5月号(4月14日発売予定の)は、このような事態に陥る前にご協力いただいていた北海道・立命館慶祥高校をはじめ、対面、電話と方法はさまざまでしたが、多くの方々に取材をさせていただいたお陰で出版にこぎつけられます。 この場を借りて、厚く御礼申し上げます。 月刊誌の性質上、刻一刻と変わる情勢に対応し切れず、締め切りから発売までに事態が大きく変わっている可能性は十分に考えられます。 そこはお含みいただきつつ、不自由な生活、トレーニングを余儀なくされる選手をはじめ日本の陸上人たちのエールとなるよう、引き続き誌面づくりに励んでいく所存です!
みんなの手でTOKYO2020+1を実現させよう!
| 小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、後厄の42歳。173cm、71kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重と尿酸値(8.9)の短縮。 | 
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