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2020.06.19

編集部コラム「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」
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暇つぶし程度にご覧ください!

第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)(大久保雅文)

 

6月12日に発売した「月刊陸上競技7月号」では『ナンバーワン』をテーマにさまざまな企画をお届けしましたが、みなさんご覧になっていただけましたでしょうか。

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「データから紐解く日本陸上」では、五輪出場回数や日本選手権優勝回数、日本インカレ4連覇選手など、あらゆるナンバーワンを紹介しています。
その中でインターハイ編では学校対抗通算得点や連続タイトルを3位まで取り上げていますが、種目別での学校対抗では誌面の都合上1位のみしか掲載できませんでした。
ナンバーワンを紹介するために第1回から第72回までのインターハイ全入賞者を集計したのですが、これをお蔵入りさせるのはもったいないということで、今回は各種目の3位までを紹介したいと思います。
注)校名変更があった場合は、現校名で表記。統廃合があった場合は流れを汲む高校に得点も統合した。また、200mハードルは400mハードルとして、2000m障害は3000m障害として扱っている。

・100m
1位 市船橋(千葉)49点 2位磐田南(静岡)39.5点 3位 東京(東京)38点
100mでのトップは市船橋です。2002年に相川誠也、2011年に梨本真輝が優勝。ともに下級生時代から入賞しており2人だけで30点を稼ぎました。2位の磐田南は最多4回の優勝。3位の東京は2009年から2017年の9年間だけで38点を獲得しています。


2011年北上インターハイ100mを制した市船橋の梨本真輝。1年時から3年連続入賞も果たしている

・400m
1位 添上(奈良)55点 2位 八女工(福岡)39点 3位 清風(大阪)38点
1992~94年まで安井勇治、島木常道でチーム3連覇を果たしている添上が1位。2位八女工は吉田伸二の3年連続入賞(1980~82年)を含め、のべ10回入賞。

・5000m
1位 仙台育英(宮城)171点 2位 西脇工(兵庫)112点 3位 世羅(広島)81点
7月号でも紹介しましたが、1993~99年のチーム7連覇を果たした仙台育英が他を圧倒しています。仙台育英の総得点は315点ですが、その半分以上を5000mで獲得しています。

・400mH
1位 成田(千葉)38点 2位 相洋(神奈川)36点 3位 姫路商(兵庫)33点
他の種目に比べると比較的歴史が浅い400mハードルですが、1位成田の38点はトラック種目では最低点です。裏を返せば、いろんな学校が入賞を果たしている門戸の広い種目とも言えるでしょう。

・400mR
1位 大阪(大阪)95点 2位八女工(福岡)83点 3位 中京大中京(愛知)82点
1位は〝リレーのダイコウ〟とも呼ばれる大阪。八女工、中京大中京など短距離で名を馳せたチームが上位を占めました。


2005年千葉インターハイで4×100mリレーを制した大阪

・棒高跳
1位 観音寺総合(香川)134.5点 2位 観音寺一(香川)101点 3位 浜松商(静岡)76.5点
三豊工、観音寺中央が統合した観音寺総合がトップ。2位の観音寺一と香川県の三観地区の学校がワン・ツーとなりました。三豊工、観音寺一で多くのポウルダーを育てた詫間茂先生、そして詫間先生の教え子の先生方が〝棒高跳王国・香川〟を築き上げています。


1973年の三重インターハイ棒高跳で優勝した三豊工(現・観音寺総合)の木川泰弘。この年、三豊工の選手が1、2、4位を占めた

・砲丸投
1位 花園(京都)67点 2位 成田(千葉)63点 3位 宮崎工(宮崎)43点
2012~14年に3連覇を果たした石山歩や3年連続入賞の花田章裕、髙久保雄介を輩出した花園が首位。同校からの入賞は他に2人だけで、まさに少数精鋭といえるでしょう。

・ハンマー投
1位 進修館(埼玉)114点 2位 花園(京都)59点 3位浜松工(静岡)46点
男子で唯一インターハイメダル独占を果たした行田。その歴史を受け継ぐ進修館が2位に2倍近い差を付ける114点で1位。花園、浜松工は他の投てき種目でも上位に顔を出しています。

このように種目別で見ると各校の特徴などがよく表われています。練習環境や指導者の専門分野、各校が持つ歴史などがさらに見えてきました。
次回は女子編をお送りいたします。

インターハイ種目別学校対抗(男子)

種目 1位 2位 3位
100m 市船橋(千葉) 49点 磐田南(静岡) 39.5点 東 京(東京) 38点
200m 磐田南(静岡) 46点 東海大浦安(千葉) 35点 東農大二(群馬) 31点
400m 添 上(奈良) 55点 八女工(福岡) 39点 清 風(大阪) 38点
800m 浜松商(静岡) 41点 相 洋(神奈川) 34点 中京大中京(愛知) 25点
1500m 青森山田(青森) 69点 仙台育英(宮城) 65点 九国大付(福岡) 42点
5000m 仙台育英(宮城) 171点 西脇工(兵庫) 112点 世 羅(広島) 81点
110mH 洛 南(京都) 85点 駒 場(東京) 55点 名古屋(愛知) 37点
400mH 成 田(千葉) 38点 相 洋(神奈川) 36点 姫路商(兵庫) 33点
3000mSC 西脇工(兵庫) 69点 倉 敷(岡山) 52点 仙台育英(宮城) 48点
5000mW 飾磨工(兵庫) 43点 秋田工(秋田) 25点 豊川工(愛知) 24点
400mR 大 阪(大阪) 95点 八女工(福岡) 83点 中京大中京(愛知) 82点
1600mR 成 田(千葉) 71点 清 風(大阪) 67.5点 添 上(奈良) 61点
東海大浦安(千葉) 61点
走高跳 三 潴(福岡) 52点 八千代松陰(千葉) 39.5点 東 京(東京) 36.5点
棒高跳 観音寺総合(香川) 134.5点 観音寺一(香川) 101点 浜松商(静岡) 76.5点
走幅跳 成 田(千葉) 45点 鹿児島南(鹿児島) 40点 洛 南(京都) 38点
三段跳 洛 南(京都) 69点 添 上(奈良) 42点 太成学院大(大阪) 37点
砲丸投 花 園(京都) 67点 成 田(千葉) 63点 宮崎工(宮崎) 43点
円盤投 添 上(奈良) 36点 帯広農(北海道) 35点 名古屋(愛知) 34点
ハンマー投 進修館(埼玉) 114点 花 園(京都) 59点 浜松工(静岡) 46点
やり投 自由ケ丘(福岡) 39点 花 園(京都) 36点 今治明徳(愛媛) 34点
八種競技 洛 南(京都) 67点 太成学院大(大阪) 28点 滝川二(兵庫) 22点

編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)
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第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)(大久保雅文)

  6月12日に発売した「月刊陸上競技7月号」では『ナンバーワン』をテーマにさまざまな企画をお届けしましたが、みなさんご覧になっていただけましたでしょうか。 「データから紐解く日本陸上」では、五輪出場回数や日本選手権優勝回数、日本インカレ4連覇選手など、あらゆるナンバーワンを紹介しています。 その中でインターハイ編では学校対抗通算得点や連続タイトルを3位まで取り上げていますが、種目別での学校対抗では誌面の都合上1位のみしか掲載できませんでした。 ナンバーワンを紹介するために第1回から第72回までのインターハイ全入賞者を集計したのですが、これをお蔵入りさせるのはもったいないということで、今回は各種目の3位までを紹介したいと思います。 注)校名変更があった場合は、現校名で表記。統廃合があった場合は流れを汲む高校に得点も統合した。また、200mハードルは400mハードルとして、2000m障害は3000m障害として扱っている。 ・100m 1位 市船橋(千葉)49点 2位磐田南(静岡)39.5点 3位 東京(東京)38点 100mでのトップは市船橋です。2002年に相川誠也、2011年に梨本真輝が優勝。ともに下級生時代から入賞しており2人だけで30点を稼ぎました。2位の磐田南は最多4回の優勝。3位の東京は2009年から2017年の9年間だけで38点を獲得しています。

2011年北上インターハイ100mを制した市船橋の梨本真輝。1年時から3年連続入賞も果たしている

・400m 1位 添上(奈良)55点 2位 八女工(福岡)39点 3位 清風(大阪)38点 1992~94年まで安井勇治、島木常道でチーム3連覇を果たしている添上が1位。2位八女工は吉田伸二の3年連続入賞(1980~82年)を含め、のべ10回入賞。 ・5000m 1位 仙台育英(宮城)171点 2位 西脇工(兵庫)112点 3位 世羅(広島)81点 7月号でも紹介しましたが、1993~99年のチーム7連覇を果たした仙台育英が他を圧倒しています。仙台育英の総得点は315点ですが、その半分以上を5000mで獲得しています。 ・400mH 1位 成田(千葉)38点 2位 相洋(神奈川)36点 3位 姫路商(兵庫)33点 他の種目に比べると比較的歴史が浅い400mハードルですが、1位成田の38点はトラック種目では最低点です。裏を返せば、いろんな学校が入賞を果たしている門戸の広い種目とも言えるでしょう。 ・400mR 1位 大阪(大阪)95点 2位八女工(福岡)83点 3位 中京大中京(愛知)82点 1位は〝リレーのダイコウ〟とも呼ばれる大阪。八女工、中京大中京など短距離で名を馳せたチームが上位を占めました。

2005年千葉インターハイで4×100mリレーを制した大阪

・棒高跳 1位 観音寺総合(香川)134.5点 2位 観音寺一(香川)101点 3位 浜松商(静岡)76.5点 三豊工、観音寺中央が統合した観音寺総合がトップ。2位の観音寺一と香川県の三観地区の学校がワン・ツーとなりました。三豊工、観音寺一で多くのポウルダーを育てた詫間茂先生、そして詫間先生の教え子の先生方が〝棒高跳王国・香川〟を築き上げています。

1973年の三重インターハイ棒高跳で優勝した三豊工(現・観音寺総合)の木川泰弘。この年、三豊工の選手が1、2、4位を占めた

・砲丸投 1位 花園(京都)67点 2位 成田(千葉)63点 3位 宮崎工(宮崎)43点 2012~14年に3連覇を果たした石山歩や3年連続入賞の花田章裕、髙久保雄介を輩出した花園が首位。同校からの入賞は他に2人だけで、まさに少数精鋭といえるでしょう。 ・ハンマー投 1位 進修館(埼玉)114点 2位 花園(京都)59点 3位浜松工(静岡)46点 男子で唯一インターハイメダル独占を果たした行田。その歴史を受け継ぐ進修館が2位に2倍近い差を付ける114点で1位。花園、浜松工は他の投てき種目でも上位に顔を出しています。 このように種目別で見ると各校の特徴などがよく表われています。練習環境や指導者の専門分野、各校が持つ歴史などがさらに見えてきました。 次回は女子編をお送りいたします。

インターハイ種目別学校対抗(男子)

種目 1位 2位 3位
100m 市船橋(千葉) 49点 磐田南(静岡) 39.5点 東 京(東京) 38点
200m 磐田南(静岡) 46点 東海大浦安(千葉) 35点 東農大二(群馬) 31点
400m 添 上(奈良) 55点 八女工(福岡) 39点 清 風(大阪) 38点
800m 浜松商(静岡) 41点 相 洋(神奈川) 34点 中京大中京(愛知) 25点
1500m 青森山田(青森) 69点 仙台育英(宮城) 65点 九国大付(福岡) 42点
5000m 仙台育英(宮城) 171点 西脇工(兵庫) 112点 世 羅(広島) 81点
110mH 洛 南(京都) 85点 駒 場(東京) 55点 名古屋(愛知) 37点
400mH 成 田(千葉) 38点 相 洋(神奈川) 36点 姫路商(兵庫) 33点
3000mSC 西脇工(兵庫) 69点 倉 敷(岡山) 52点 仙台育英(宮城) 48点
5000mW 飾磨工(兵庫) 43点 秋田工(秋田) 25点 豊川工(愛知) 24点
400mR 大 阪(大阪) 95点 八女工(福岡) 83点 中京大中京(愛知) 82点
1600mR 成 田(千葉) 71点 清 風(大阪) 67.5点 添 上(奈良) 61点
東海大浦安(千葉) 61点
走高跳 三 潴(福岡) 52点 八千代松陰(千葉) 39.5点 東 京(東京) 36.5点
棒高跳 観音寺総合(香川) 134.5点 観音寺一(香川) 101点 浜松商(静岡) 76.5点
走幅跳 成 田(千葉) 45点 鹿児島南(鹿児島) 40点 洛 南(京都) 38点
三段跳 洛 南(京都) 69点 添 上(奈良) 42点 太成学院大(大阪) 37点
砲丸投 花 園(京都) 67点 成 田(千葉) 63点 宮崎工(宮崎) 43点
円盤投 添 上(奈良) 36点 帯広農(北海道) 35点 名古屋(愛知) 34点
ハンマー投 進修館(埼玉) 114点 花 園(京都) 59点 浜松工(静岡) 46点
やり投 自由ケ丘(福岡) 39点 花 園(京都) 36点 今治明徳(愛媛) 34点
八種競技 洛 南(京都) 67点 太成学院大(大阪) 28点 滝川二(兵庫) 22点
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大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)

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