2020.07.31
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第53回「明確なビジョン」(井上 敦)
4ヵ月ほど前までなら、本日(7月31日)は東京五輪の陸上競技初日でした。本当にわからないものです。
このブログ当番は、弊社の7名がローテーションで回しているため、私のGoogleカレンダーには昨年のうちから順番を予測して7月31日に自分のコラム番を入力していました。
個人的な視点を踏まえた展望でも出そうか、朝に国立競技場に行った写真を入れて、「いよいよ陸上がスタート」など、半年以上も前からネタをぼんやりと考えていましたが、ご存じの通り3月24日に延期が決定。
祭典は1年後(開催できるのかな?)に持ち越されましたが、来年のこの時期の私のコラム当番は7月9日と8月27日(の予定)。陸上初日の3週間前と、大会閉幕から19日後ですから、その間に他の人がおもしろく書いているでしょう。私は別のネタでも考えるつもりです、多分。
ということで、この夏は五輪もそうですが、インターハイや全中も含め予定していたものができなくなり、寂しくなりました。
でも、アスリートはがんばっています。目指す大会ができなくなったショックから立ち直って好記録が生まれています。特に男子5000mでは石田洸介選手(東農大二3群馬)が13分36秒89の高校新をマーク。従来の記録を16年ぶりに2秒98更新しました。16年前もそうですが、大学生、実業団勢に匹敵する素晴らしいタイムです。
福岡・浅川中時代に1500m(3分49秒72)と3000m(8分17秒84)の中学新記録、5000m(14分32秒44)で中学最高記録を打ち立てた石田選手。その活躍が注目されましたが、高校ラストシーズンでレコードホルダーとなりました(詳しくは8月12日発売の9月号を)。
石田選手については、中学時代から大会で取材したり、特集記事(2018年4月号)も掲載しましたが、当時から彼の競技に対する考え方はしっかりしていた印象です。中学で数多くの実績を打ち立てましたが、高校やその先の舞台で自分がどういう選手を目指すか、プランを持っていました。地元の福岡を離れ、群馬の高校を選んだ理由にもつながっているのでしょう。
中3のジュニア五輪3000mで土砂ぶりの中、中学新をマークした石田選手
時折、いろんな場所で「あの選手は中学で活躍したけど、高校では……」というネガティブな話はよく聞きます。でも、石田選手のように、ビジョンを持ち、そこに向けて、どういう取り組みをしていくか、明確に意識することで変わってくると思います。
ただ、言葉で言うのは簡単で、中学生や高校生でもそのビジョンを持つことは難しいかもしれません。指導者の手も借りるかもしれません。でも、8月号に登場したクレイ・アーロン竜波選手(相洋AC)も「自分がどうなりたいか、考えながら練習に取り組むことが重要。そして、先生に自分の考えを言うことも必要です」と話していました。ただ漠然と思うとか、夢みたいな目標だけで立てて終わらせるのではなく、そのためのプランを日々の生活までに落とし込んでいるのでしょう。
と書いている私自身もきっちりとプランを立てられない人間です。ですので、高校時代は目標の地区大会に進めず、県大会決勝止まりと、悔しい思いをしました。このブログでも表れていますね。そういうわけで、しっかりビジョンやプランを持っている人と、そうでない人(私も含め)で成長曲線が明確に分かれると思います。
春から休校が長期間続き、学校の夏休みは短いと聞いています。まとまった練習時間は少ないかもしれませんが、目標を見据えて大事に過ごしてほしいと思います。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。 |
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第53回「明確なビジョン」(井上 敦)
4ヵ月ほど前までなら、本日(7月31日)は東京五輪の陸上競技初日でした。本当にわからないものです。 このブログ当番は、弊社の7名がローテーションで回しているため、私のGoogleカレンダーには昨年のうちから順番を予測して7月31日に自分のコラム番を入力していました。 個人的な視点を踏まえた展望でも出そうか、朝に国立競技場に行った写真を入れて、「いよいよ陸上がスタート」など、半年以上も前からネタをぼんやりと考えていましたが、ご存じの通り3月24日に延期が決定。 祭典は1年後(開催できるのかな?)に持ち越されましたが、来年のこの時期の私のコラム当番は7月9日と8月27日(の予定)。陸上初日の3週間前と、大会閉幕から19日後ですから、その間に他の人がおもしろく書いているでしょう。私は別のネタでも考えるつもりです、多分。 ということで、この夏は五輪もそうですが、インターハイや全中も含め予定していたものができなくなり、寂しくなりました。 でも、アスリートはがんばっています。目指す大会ができなくなったショックから立ち直って好記録が生まれています。特に男子5000mでは石田洸介選手(東農大二3群馬)が13分36秒89の高校新をマーク。従来の記録を16年ぶりに2秒98更新しました。16年前もそうですが、大学生、実業団勢に匹敵する素晴らしいタイムです。 福岡・浅川中時代に1500m(3分49秒72)と3000m(8分17秒84)の中学新記録、5000m(14分32秒44)で中学最高記録を打ち立てた石田選手。その活躍が注目されましたが、高校ラストシーズンでレコードホルダーとなりました(詳しくは8月12日発売の9月号を)。 石田選手については、中学時代から大会で取材したり、特集記事(2018年4月号)も掲載しましたが、当時から彼の競技に対する考え方はしっかりしていた印象です。中学で数多くの実績を打ち立てましたが、高校やその先の舞台で自分がどういう選手を目指すか、プランを持っていました。地元の福岡を離れ、群馬の高校を選んだ理由にもつながっているのでしょう。 中3のジュニア五輪3000mで土砂ぶりの中、中学新をマークした石田選手 時折、いろんな場所で「あの選手は中学で活躍したけど、高校では……」というネガティブな話はよく聞きます。でも、石田選手のように、ビジョンを持ち、そこに向けて、どういう取り組みをしていくか、明確に意識することで変わってくると思います。 ただ、言葉で言うのは簡単で、中学生や高校生でもそのビジョンを持つことは難しいかもしれません。指導者の手も借りるかもしれません。でも、8月号に登場したクレイ・アーロン竜波選手(相洋AC)も「自分がどうなりたいか、考えながら練習に取り組むことが重要。そして、先生に自分の考えを言うことも必要です」と話していました。ただ漠然と思うとか、夢みたいな目標だけで立てて終わらせるのではなく、そのためのプランを日々の生活までに落とし込んでいるのでしょう。 と書いている私自身もきっちりとプランを立てられない人間です。ですので、高校時代は目標の地区大会に進めず、県大会決勝止まりと、悔しい思いをしました。このブログでも表れていますね。そういうわけで、しっかりビジョンやプランを持っている人と、そうでない人(私も含め)で成長曲線が明確に分かれると思います。 春から休校が長期間続き、学校の夏休みは短いと聞いています。まとまった練習時間は少ないかもしれませんが、目標を見据えて大事に過ごしてほしいと思います。井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。 |
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