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編集部コラム「箱根駅伝の高速化を検証」

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第24回「箱根駅伝の高速化を検証(山本慎一郎)

明けましておめでとうございます。
いよいよ迎えた2020年。
夏に東京五輪を控えた記念すべき年ではありますが、年末年始は駅伝一色になっていた方も多いのではないでしょうか。

さて、この駅伝シーズンは「高速化」が目立ちました。
区間新、大会新が続出し、その多くの選手がナイキの「ヴェイパーフライ ネクスト%」を履いていたことから「シューズの影響が大きいのではないか」と考えた方も多かったのではないかと思います。
そのはっきりとした結論が出るまでには少し時間がかかりそうなので、私からは箱根駅伝を題材に、「どの程度高速化が進んだのか」をデータをもとに紹介したいと思います。

 

※以下、マニアックな話が続くので、箱根駅伝に興味がない方はスルー推奨

実は、ここに年末に公開しようかと考えていたデータがあります。
『箱根駅伝公式ガイドブック』にも掲載している「大学別区間最高記録」をもとに大学別の10区間の歴代最高タイムを合計し、2019年時点での「理論上最速タイム」を算出しました。

それを一覧にして、実際の駅伝風に各区間の通過タイムを加えたものが以下の表です。なかには同じ選手が複数回登場したりと現実にはあり得ない編成になっていますが、「理論上」ということでご理解下さい。

本題に入る前に、せっかくなのでこの2019年までの『空想箱根駅伝』で簡単に「レース経過」をまとめてみます。

 

<空想箱根駅伝2019~レース経過~>

1区は東海大の佐藤悠基選手が早大の渡辺康幸選手を7秒差で振り切って首位発進。2区は渡辺選手が再び出走して東海大を追い上げますが、東海大の村澤明伸選手が3秒差でトップを守ります。3区では竹澤健介選手を起用した早大が先頭に立ち、青学大も森田歩希選手が東海大を抜いて2位に浮上します。

しかし、4区では東洋大の相澤晃選手が4位から3チームをかわし、2位に浮上した早大に49秒差をつける爆走。それでも、5区では3位でスタートした東海大の西田壮志選手が早大と東洋大をかわし、往路優勝。2位、3位には東洋大と早大が続き、青学大はトップから1分42秒差の4位で芦ノ湖を折り返します。

復路は9区まで東海大が首位を守ります。東海大の佐藤悠基選手は1区、3区に続いて7区にも登場する大活躍です。しかし、鶴見中継所では東洋大と青学大が58秒差に接近。最終10区は大津顕杜選手が先行する東海大を逆転し、わずか6秒差で優勝を飾りました。総合記録は10時間48分17秒で、13チームが11時間を切りました。

 

……というのが「空想箱根駅伝」だったはずですが、高速化が著しかった今大会では、なんと10位までが11時間を切ってしまいました。

ということは、理論上の最速タイムを数多くのチームが上回ったことになりそうです。それでは、2019年までの「理論上最速」と、今大会のチームはどのくらい違うのか、各大学の「空想箱根駅伝」と比較しながら第96回大会を振り返ります。

※箱根駅伝2020の総合成績は関東学連のサイトを参照
※長くなるので、私の寸評にいちいち付き合っていられない方は興味のあるチームだけ見ていってください

<空想箱根駅伝2019>
筑波大学

1.04.47 千葉 信彦(4年) 94年 →1.02.46
1.08.55 渋谷 俊浩(4年) 85年
1.04.52 保田 教之(3年) 83年 →1.04.33
1.06.48 坪井 健司(4年) 84年 ※参考 →1.05.33
1.14.45 相馬 崇史(2年) 19年 ※参考 →1.15.37
1.03.13 山口  渉(3年) 87年 ※参考 →1.01.10
1.08.31 村上 庄司(4年) 87年 →1.05.38
1.07.55 保田 教之(1年) 81年
1.12.21 弘山  勉(2年) 87年 →1.11.05
10区 記録なし          →1.12.05

「→」は今大会で更新された記録

理論上最速   なし
総合歴代最速  現コースはなし
第96回箱根駅伝 11時間12分05秒(チーム最高) 20位

チームとしては箱根路から25年遠ざかっていたこともあり、現10区の経験者がゼロ。「空想箱根駅伝」は9区終了時点で無念の途中棄権となります。しかし、9区終了時点での合計タイムは10時間12分07秒と今大会のチームよりも約8分遅れているので、今大会は「理論上最速」を上回る継走だったと言っていいでしょう。
なお、9区のチーム記録を持っていたのは現・駅伝監督の弘山勉選手でしたが、川瀬宙夢選手が33年ぶりに塗り替えました。

<空想箱根駅伝2019>
創価大学

1.02.46 山口 修平(3年) 15年 →1.01.13
1.08.05 M.ムイル(1年) 17年 →1.07.58
1.04.28 蟹澤 淳平(3年) 17年 →1.03.16
1.04.17 セルナルド祐慈(4年)17年 →1.01.55
1.17.32 江藤 光輝(3年) 17年 →1.13.12
1.00.51 小島 一貴(4年) 15年 →1.00.25
1.06.33 江藤 光輝(1年) 15年 →1.05.15
1.06.33 米満  怜(1年) 17年
1.12.06 福島 法明(4年) 11年 →1.09.44
1.12.27 彦坂 一成(4年) 17年 →1.08.40=区間新

理論上最速   11時間15分38秒 19位
総合歴代最速  11時間31分40秒(2015年)
第96回箱根駅伝 10時間57分44秒(チーム新) 9位

今回が3度目の出場ということもありますが、9区間でチーム最高記録が更新されました。総合でも理論値を大幅に上回る大躍進です。1区と10区が区間賞で、10区は区間新というインパクトを残しました。ちなみに、アンカーの嶋津雄大選手は今大会ただ1人ミズノのシューズで区間賞を獲得しましたが、これは現在発売されている「ウエーブデュエル」シリーズの後継モデル(プロトタイプ)であり、内蔵されているのは陸上界で噂されているカーボンプレートではないそうです。

<空想箱根駅伝2019>
東京国際大学

1.02.50 M.タイタス(3年) 19年
1.08.36 伊藤 達彦(3年) 19年 →1.06.18
1.03.37 真船 恭輔(3年) 19年 → 59.25=区間新
1.04.14 鈴木 博斗(4年) 18年 →1.02.53
1.16.16 濱登 貴也(4年) 18年 →1.12.55
1.00.19 河野  歩(3年) 18年
1.04.28 芳賀宏太郎(1年) 19年 →1.04.02
1.06.21 山瀬 太成(3年) 19年 →1.05.51
1.12.42 浦馬場裕也(4年) 19年 →1.09.04
1.12.12 相沢 悠斗(2年) 18年 →1.10.31

理論上最速   11時間11分35秒 18位
総合歴代最速  11時間14分42秒(2019年)
第96回箱根駅伝 10時間54分27秒(チーム新) 5位

こちらも出場4回目と箱根路での歴史は浅いですが、8区間でチーム記録を更新。10区の相沢選手は2017年に学生連合チームで〝幻の区間賞〟となった照井明人選手の1時間10分58秒も塗り替えました。理論値を17分も上回る見事な継走でした。

<空想箱根駅伝2019>
国士舘大学

1.02.54 住吉 秀昭(4年) 19年
1.07.12 R.ヴィンセント(1年) 19年 →1.06.46
1.03.08 藤本  拓(4年) 12年
1.05.50 藤江 千紘(3年) 18年 →1.03.49
1.14.21 鼡田 章宏(3年) 19年
1.00.30 高田 直也(3年) 18年 → 59.20
1.05.45 小野 浩典(4年) 12年 →1.05.12
1.07.11 久井原 歩(4年) 12年 →1.07.04
1.11.55 鈴木 卓也(4年) 12年 →1.11.47
同記録 菊池 貴文(3年) 13年
1.11.41 羽島 駿介(3年) 09年 →1.11.33

理論上最速   11時間10分17秒 17位
総合歴代最速  11時間16分47秒(2012年)
第96回箱根駅伝 11時間13分33秒(チーム新) 19位

理論値には届きませんでしたが、7区間でチーム最高記録を塗り替え、総合でも歴代最速でした。特に復路は5区間ともチーム史上最速でした。

<空想箱根駅伝2019>
拓殖大学

1.02.00 金森 寛人(4年) 16年
1.07.47 W.デレセ(4年) 19年 →1.06.18
1.03.10 馬場 祐輔(4年) 19年 →1.02.53
1.03.17 西  智也(4年) 18年
1.12.32 戸部 凌佑(4年) 19年
0.59.55 馬場 祐輔(2年) 17年
1.04.22 野本 大喜(2年) 11年
同記録 奥谷 裕一(2年) 12年
1.06.06 重松 修平(2年) 01年
1.10.36 和田 政志(4年) 03年 →1.10.26
1.11.22 住本 裕樹(4年) 11年

理論上最速   11時間01分07秒 16位
総合歴代最速  11時間09分10秒(2019年)
第96回箱根駅伝 11時間04分28秒(チーム新) 13位

区間別でチーム最高を更新したのは3区間だけでしたが、総合では大幅に従来の記録を短縮しました。馬場祐輔選手がチーム記録を2つ持っていましたが、今回で3区は赤﨑暁選手が塗り替えました。

<空想箱根駅伝2019>
日本大学

1.02.33 荻野眞之介(4年) 16年
1.06.18 P.M.ワンブィ(4年) 19年
1.03.15 G.ダニエル(1年) 07年 →1.02.43
1.03.35 武田悠太郎(2年) 19年
1.14.24 川口 賢人(3年) 17年
1.00.20 町井 宏行(3年) 17年 → 58.21
1.04.39 川崎 光年(4年) 95年
1.04.50 福井  誠(2年) 05年
1.10.24 武者 由幸(3年) 05年
1.10.26 笹谷 拓磨(3年) 08年

理論上最速   11時間00分44秒 15位
総合歴代最速  11時間07分10秒(2005年)
第96回箱根駅伝 11時間10分37秒 18位

理論上最速が11時間台と、総合優勝10回の名門としてはやや意外なデータです。今回、区間別チーム最高記録を塗り替えたのは2区間だけで、総合記録も更新ならず。しかし、3区では1年生の樋口翔太選手がギタウ・ダニエル選手の記録を上回りました。6区も1分59秒短縮しており、新時代の到来も感じさせます。

<空想箱根駅伝2019>
神奈川大学

1.02.34 我那覇和真(3年) 15年
1.07.17 鈴木 健吾(3年) 17年
1.03.29 井手 孝一(2年) 19年
1.02.21 大塚  倭(4年) 18年
1.16.05 大野 日暉(3年) 17年→ 1.12.01
0.59.29 荻野 太成(3年) 19年
1.03.20 吉村 尚悟(1年) 01年
1.05.15 林 健太郎(4年) 01年
1.10.10 高嶋 康司(3年) 97年
1.10.22 内野 雅貴(4年) 05年

理論上最速   11時間00分22秒 14位
総合歴代最速  11時間14分49秒(2005年)
第96回箱根駅伝 11時間07分26秒(チーム新) 16位

総合でのチーム記録は大幅に更新。区間別で更新されたのは5区のみでしたが、1区(あと14秒)と6区(あと1秒)もチーム記録に肉薄しました。なお、1998年に総合優勝した時は10区の距離が21.3kmと短く、総合記録は11時間1分43秒。1.7km分のタイムを足すと、今大会の記録よりもちょっと速くなりそうです。そのくらいの水準であっても今大会は総合16位になってしまうところに、高速化の影響が読み取れます。

<空想箱根駅伝2019>
中央大学

1.02.00 町澤 大雅(3年) 16年
1.07.31 藤原 正和(4年) 03年
1.02.50 上野裕一郎(3年) 07年
1.03.43 池田 勘汰(2年) 19年 →1.02.51
1.14.30 畝  拓夢(1年) 18年 →1.12.49
0.59.53 谷本 拓巳(2年) 15年 → 59.34
1.04.38 家高 晋吾(4年) 05年
1.04.26 奥田  実(2年) 05年
1.09.34 原田  聡(2年) 02年
1.10.19 田村  航(3年) 05年 →1.10.18

理論上最速   10時間59分24秒 13位
総合歴代最速  11時間10分39秒(2019年)
第96回箱根駅伝 11時間03分49秒(チーム新) 12位

空想箱根駅伝はここから10時間台に突入します。藤原正和選手、上野裕一郎選手といった歴代のエースたちは区間別最高記録を維持しましたが、4区間でチーム記録が破られました。理論値には届きませんでしたが、総合記録はチーム過去最高を7分近く短縮しました。

<空想箱根駅伝2019>
帝京大学

1.02.31 堤  悠生(4年) 16年 →1.01.32
1.08.19 内田 直斗(4年) 17年 →1.07.29
1.02.32 遠藤 大地(1年) 19年 →1.01.23=区間新
1.03.05 横井 裕仁(4年) 19年 →1.02.11
1.14.09 平田幸四郎(2年) 18年
0.58.44 島貫 温太(3年) 19年
1.04.18 蛯名 聡勝(4年) 14年 →1.04.13
1.05.56 山川 雄大(3年) 12年 →1.04.50
1.09.50 髙橋 裕太(3年) 15年 →1.09.26
1.09.57 星   岳(2年) 19年 →1.08.43=区間新

理論上最速   10時間59分21秒 12位
総合歴代最速  11時間03分10秒(2019年)
第96回箱根駅伝 10時間54分23秒(チーム新) 4位

意外なことに「空想箱根駅伝2019」では帝京大がこの位置になります。しかし、今大会は空想よりも現実のほうがはるかに強く、理論値から5分近くも短縮。3区と10区で区間新を叩き出した上、8区間でチーム新記録という大躍進でした。しかも、3区の遠藤大地選手は〝非厚底シューズ〟での区間新記録でした。

<空想箱根駅伝2019>
法政大学

1.02.39 徳本 一善(2年) 00年
1.08.16 坪田 智夫(4年) 00年
1.03.52 細川翔太郎(4年) 18年
1.03.59 狩野 琢巳(4年) 19年 →1.02.34
1.11.29 青木 涼真(3年) 19年 →1.11.06
0.58.30 坪井  慧(3年) 19年
1.03.53 奈良澤 徹(3年) 01年
1.04.57 田中 宏幸(2年) 05年
1.10.03 土井 洋志(2年) 01年 →1.09.52
1.11.16 秋山 和稔(3年) 05年 →1.11.12

理論上最速   10時間58分54秒 11位
総合歴代最速  11時間03分57秒(2019年)
第96回箱根駅伝 11時間07分23秒 15位

総合では歴代最速に届かなかったものの、4区間でチーム記録が塗り替えられました。ただし、途中棄権後の9区で土井洋志選手がマークした1時間9分37秒(2002年)には届かず、参考記録として次回へ持ち越されることになりました。

<空想箱根駅伝2019>
明治大学

1.01.44 横手  健(4年) 16年
1.07.36 鎧坂 哲哉(3年) 11年
1.02.07 阿部 弘輝(3年) 19年
1.03.28 三輪 軌道(3年) 19年 →1.02.59
1.15.02 酒井 耀史(2年) 19年 →1.11.49
0.59.41 前田 舜平(2年) 19年 → 58.48
1.03.58 牟田 祐樹(4年) 16年 →1.01.40=区間新
1.05.21 有村 優樹(3年) 13年
1.08.58 木村  慎(3年) 15年
1.10.39 小林 優太(4年) 11年

理論上最速   10時間58分34秒 10位
総合歴代最速  11時間01分57秒(2015年)
第96回箱根駅伝 10時間54分46秒(チーム新) 6位

区間別でのチーム新記録は4区間でしたが、総合では理論値を4分近く上回りました。3区はあと15秒、10区も4秒差まで過去最高に接近しており、今大会の〝チーム力〟の高さが総合タイムに表れています。

<空想箱根駅伝2019>
國學院大學

1.02.30 浦野 雄平(2年) 18年 →1.01.18
1.07.53 土方 英和(3年) 19年 →1.07.19
1.03.01 青木 祐人(3年) 19年 →1.01.34
1.02.36 土方 英和(2年) 18年 →1.01.53
1.10.54 浦野 雄平(3年) 19年 →1.10.45=区間新
1.00.17 江島 凌太(4年) 19年 → 59.01
1.04.38 廣川 倖暉(2年) 14年 →1.04.31
1.05.19 南  智浩(4年) 06年
1.09.42 廣川 倖暉(3年) 15年
1.10.40 湯川 智史(4年) 15年 →1.09.19

理論上最速   10時間57分30秒 9位
総合歴代最速  11時間05分32秒(2019年)
第96回箱根駅伝 10時間54分20秒(チーム新) 3位

今大会を沸かせた國學院大は、1区から7区までと10区がチーム新記録という激走でした。理論値を約3分上回り、従来の総合最高記録は11分も短縮。今大会の〝高速化〟に最も順応したチームと言っていいかもしれません。

<空想箱根駅伝2019>
中央学院大学

1.02.12 潰滝 大記(4年) 16年
1.07.42 木原真佐人(3年) 08年
1.03.07 塩谷 桂大(3年) 15年
1.03.22 有馬 圭哉(3年) 19年 →1.02.49
1.12.17 細谷 恭平(4年) 18年
0.58.47 樋口  陸(1年) 16年 → 58.25
1.05.02 沼田 大貴(2年) 12年 →1.04.55
1.04.48 杉本 芳規(4年) 06年
1.08.01 篠藤  淳(4年) 08年
1.11.16 山田 侑紀(3年) 14年

理論上最速   10時間56分34秒 8位
総合歴代最速  11時間09分18秒(2015年)
第96回箱根駅伝 11時間01分10秒(チーム新) 11位

並み居る伝統校を抑えて「空想箱根駅伝2019」では中央学大が8位に食い込みました。今大会は3区間でチーム記録を塗り替えましたが、11位でシード権獲得はならず。それでも総合記録は約8分短縮しており、高速化の波を実感させられます。

<空想箱根駅伝2019>
順天堂大学

1.02.37 松村 優樹(4年) 15年
1.06.45 塩尻 和也(4年) 19年
1.03.10 田中 秀幸(3年) 12年 →1.03.03
1.03.36 栃木  渡(3年) 17年 →1.02.46
1.11.59 山田  攻(4年) 19年
1.00.13 橋本 龍一(1年) 17年 → 59.38
1.03.38 坂井 隆則(3年) 01年
1.04.37 奥田真一郎(2年) 00年
1.09.17 高橋 謙介(2年) 99年
1.08.59 松瀬 元太(4年) 07年

理論上最速   10時間54分51秒 7位
総合歴代最速  11時間05分29秒(2007年)
第96回箱根駅伝 11時間06分45秒 14位

理論上最速は10時間54分51秒ですが、5区の今井正人選手、6区の宮井将治選手という旧コースの参考記録を採用すると、理論値が10時間50分20秒まで跳ね上がります。今大会は3区、4区、6区でチーム最高を塗り替えたものの、総合での過去最高には届かず。2区もそうですが、7区以降は歴代の先輩方が磐石でした。
ちなみに、総合での過去最速は今井選手が4年生で総合優勝した時のタイムで、今回はそこから約1分しか遅れていません。

<空想箱根駅伝2019>
日本体育大学

1.01.25 山中 秀仁(2年) 14年 →1.01.21
1.07.34 大塚 正美(4年) 83年
1.02.46 野口 拓也(3年) 10年
1.03.34 富安  央(4年) 18年
1.12.49 小町 昌也(4年) 18年
0.58.01 秋山 清仁(4年) 17年
1.04.38 鷲見 知彦(4年) 07年
1.05.38 解良 健二(2年) 01年
同記録 吉田 亮壱(2年) 16年
1.08.29 矢野 圭吾(4年) 14年
1.09.05 山田 紘之(4年) 05年

理論上最速   10時間53分59秒 6位
総合歴代最速  11時間03分51秒(2014年)
第96回箱根駅伝 11時間10分32秒 17位

空想箱根駅伝の6位は日体大。一方で、今大会はチーム記録を塗り替えたのが1区のみと、やや厳しい結果となりました。それでも、当時学生最強ランナーの一人と言われた山中秀仁選手の記録を池田耀平選手が更新したのは、大きなサプライズと言っていいでしょう。

<空想箱根駅伝2019>
駒澤大学

1.01.36 中村 匠吾(3年) 14年
1.07.46 村山 謙太(4年) 15年
1.02.40 中谷 圭佑(2年) 15年 →1.01.25=区間新
同記録 中村 大聖(3年) 19年
1.03.06 高本 真樹(4年) 18年 →1.02.01
1.12.23 伊東 颯汰(2年) 19年
0.59.04 中村 大成(3年) 19年 → 58.46
1.03.12 揖斐 祐治(2年) 00年
1.04.48 武井 拓麻(4年) 01年
1.08.38 塩川 雄也(4年) 05年
1.09.54 北浦 政史(3年) 03年

理論上最速   10時間53分07秒 5位
総合歴代最速  10時間57分25秒(2014年)
第96回箱根駅伝 10時間57分44秒 8位

理論上最速は10時間53分台で、総合での歴代最速は10時間57分25秒。あまりタイム差がないことからして、それだけ2014年のチームの完成度が高かったと言えそうです。ただ、今回はその2014年にあと19秒と接近。総合8位という成績はチームとしては悔しいでしょうが、過去との比較では決して負けていないことがわかります。

<空想箱根駅伝2019>
早稲田大学

1.01.13 渡辺 康幸(2年) 94年
1.06.48 渡辺 康幸(3年) 95年
1.01.40 竹澤 健介(4年) 09年
1.03.05 清水 歓太(4年) 19年 →1.02.25
1.12.04 安井 雄一(4年) 18年
0.58.31 三浦 雅裕(3年) 15年
1.02.53 武井 隆次(3年) 93年
1.05.23 志方 文典(2年) 12年
1.09.32 柳  利幸(3年) 15年 →1.09.17
1.09.40 髙岡  弘(3年) 05年

理論上最速   10時間50分49秒 4位
総合歴代最速  10時間59分51秒(2011年)
第96回箱根駅伝 10時間57分43秒(チーム新) 7位

1区からそうそうたる顔ぶれが並び、理論値も10時間50分台とハイレベル。今大会で区間別のチーム記録を塗り替えたのは4区と9区だけでしたが、総合では学生駅伝3冠を成し遂げた2011年のタイムを約2分短縮しました。更新こそ逃しましたが、2区、7区、8区でも区間別チーム記録に接近しており、全体として完成度の高い継走でした。

<空想箱根駅伝2019>
青山学院大学

1.01.22 久保田和真(4年) 16年
1.07.15 森田 歩希(3年) 18年 →1.07.03
1.01.26 森田 歩希(4年) 19年
1.03.39 梶谷 瑠哉(3年) 18年 →1.00.60=区間新
1.12.49 竹石 尚人(2年) 18年 →1.10.40=区間新
0.57.57 小野田勇次(4年) 19年
1.02.16 林  奎介(3年) 18年
1.04.21 下田 裕太(2年) 16年
1.08.04 藤川 拓也(4年) 15年
1.10.03 安藤 悠哉(2年) 15年 →1.09.48

理論上最速   10時間49分12秒 3位
総合歴代最速  10時間49分27秒(2015年)
第96回箱根駅伝 10時間45分23秒(チーム新) 1位

理論上最速と総合での歴代最高がほとんど変わらない珍しいチームです。これは神野大地選手が現コースでの5区を走っていない影響が大きく、「現5区」の実質的な走行タイムとみられる1時間9分00秒を反映させると、2019年までの理論上最速は「10時間45分23秒」となります。なんと、今回の優勝記録と同じでした! 歴代の先輩方を集結させた『オール青学大』と同等のタイムを今回のチームは実現したと言えそうです。

<空想箱根駅伝2019>
東海大学

1.01.06 佐藤 悠基(2年) 07年
1.06.52 村澤 明伸(2年) 11年
1.02.12 佐藤 悠基(1年) 06年
1.02.37 館澤 亨次(3年) 19年 →1.01.37
1.11.18 西田 壮志(2年) 19年
0.58.06 中島 怜利(3年) 19年 → 57.17=区間新
1.02.35 佐藤 悠基(3年) 08年
1.03.49 小松 陽平(3年) 19年
1.09.36 湊谷 春紀(4年) 19年
1.10.12 郡司 陽大(3年) 19年 →1.09.08

理論上最速   10時間48分23秒 2位
総合歴代最速  10時間52分09秒(2019年)
第96回箱根駅伝 10時間48分25秒(チーム新) 2位

空想箱根駅伝では佐藤悠基選手が3回登場します(笑)。どの区間もハイレベルな記録が並び、今回チーム記録を更新できたのは4区、6区、10区の3区間と、佐藤選手の牙城は崩せませんでした。しかし、総合では理論値に2秒と迫る好タイムでした。
また、館澤亨次選手は4区のチーム最高記録を名取燎太選手に抜かれたものの、その翌日には6区で新たな記録を打ち立てました。

<空想箱根駅伝2019>
東洋大学

1.01.46 田口 雅也(3年) 14年
1.07.04 服部 勇馬(4年) 16年 →1.05.57=区間新
1.02.13 設楽 悠太(4年) 14年
1.00.54 相澤  晃(3年) 19年
1.12.52 田中 龍誠(2年) 19年 →1.10.25=区間新
0.58.12 今西 駿介(3年) 19年 → 57.34=区間新
1.02.32 設楽 悠太(2年) 12年
1.04.12 大津 顕杜(2年) 12年
1.09.24 上村 和生(2年) 14年
1.09.08 大津 顕杜(4年) 14年

理論上最速   10時間48分17秒 1位
総合歴代最速  10時間51分36秒(2012年)
第96回箱根駅伝 10時間59分11秒 10位

空想箱根駅伝2019の優勝校。こちらも5区は柏原竜二選手の記録が含まれていないため、推定タイムの「1時間9分20秒」を反映させると2019年までの理論値は「10時間44分45秒」となります。〝山の神〟同士の推定タイムを考慮しても空想箱根駅伝は東洋大がナンバーワンとなりました。
今大会は2区の相澤晃選手、5区の宮下隼人選手、6区の今西駿介選手と、3人が区間新記録を樹立する激走を見せましたが、失速も目立ち、総合タイムではチーム記録から大きく遅れました。

過去に類を見ない異常なほどの「高速化」が今大会の話題となった

<結論>

さて、大変長くなって申し訳ありません。結論としては以下の通りでした。

「理論上最速」を上回った大学  7校
「総合歴代最速」を更新した大学 14校

 

「空想箱根駅伝2019」に勝利した大学

青山学院大学 10時間49分12秒→10時間45分23秒(総合1位)
國學院大學  10時間57分30秒→10時間54分20秒(総合3位)
帝京大学   10時間59分21秒→10時間54分23秒(総合4位)
東京国際大学 11時間11分35秒→10時間54分27秒(総合5位)
明治大学   10時間58分34秒→10時間54分46秒(総合6位)
創価大学   11時間15分38秒→10時間57分44秒(総合9位)
筑波大学    記録なし  →11時間12分05秒(総合20位)

※左から大学名、理論上最速タイム、今大会の総合記録(順位)
※筑波大は9区終了時点の記録で判定

なんと、7校が『オール母校(~2019) vs 2020』の戦いに勝利したということです。今回の箱根駅伝がいかにすさまじいレースだったかを判断する1つの指標になるのではないでしょうか?

なお、2019年までの区間記録を合計した〝オール歴代最速〟は10時間41分40秒で、今大会の区間賞を合計した〝オール2020〟は10時間37分44秒でした。そして、過去の記録と今大会の新記録を合わせると、10時間36分50秒になります。これが現時点での箱根駅伝の〝限界点〟と言えるでしょう。

おそらく来年からは今大会の記録水準がベースとなってさらに激しい戦いが繰り広げられるでしょう。箱根駅伝のレベルはどこまで上がっていくのか、今後も目が離せません。

※ちなみに、1月14日発売の『月刊陸上競技』2月号ではもっとわかりやすい箱根駅伝の総括が載っていますので、興味のある方はそちらをお買い求めください(笑)!

山本慎一郎(やまもとしんいちろう)
月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長
1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、取材の際にはいつも選手の足元が気になってしまう。

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