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編集部コラム「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」

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第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ(松永貴允)

箱根駅伝や男女都道府県対抗駅伝が終わり、2019-2020年の駅伝シーズンも終わりが近づいてきました。

その中でも私は、鋭意制作中の『月刊陸上競技3月号』で「都道府県対抗男子駅伝」と「追跡 箱根駅伝」のページを担当しています。現場で感じた熱気や、取材した内容を読者の皆様にお届けいたしますので、2月14日の発売をぜひ楽しみにしていてください!

さて、今季の学生長距離界では相澤晃選手(東洋大4)の活躍ぶりが目立ちました。相澤選手は3年時の全日本大学駅伝から先日の箱根駅伝まで、三大駅伝5大会連続区間賞という偉業を達成。2年時の全日本でも区間賞を獲得しているので、4年間で通算6回も区間賞を獲得したことになります。

3年時の全日本から5大会連続区間賞で他を圧倒した相澤晃(東洋大)

また当然ですが、同一シーズンの三大駅伝すべてで区間賞を獲得したことにもなり、「これらは歴代だと何人くらいが達成しているのだろうか?」と疑問が沸き起こりました。

というわけで、さっそく調べてみた結果が以下の通りです。

●三大駅伝区間賞獲得回数(出雲駅伝が始まった1989年度以降)
<10回>
J.オツオリ(山梨学大)箱根3回、全日本4回、出雲3回
小林 雅幸(早 大)箱根3回、全日本3回、出雲4回

日本人学生ではただ一人区間賞獲得「10回」を記録した小林雅幸(早大)

<9回>
S.マヤカ(山梨学大)箱根2回、全日本3回、出雲4回
<8回>
M.J.モグス(山梨学大)箱根3回、全日本4回、出雲1回
<7回>
渡辺 康幸(早 大)箱根3回、全日本3回、出雲1回
O.モカンバ(山梨学大)箱根2回、全日本3回、出雲2回
髙林 祐介(駒 大)箱根2回、全日本3回、出雲2回
G.ダニエル(日 大)箱根1回、全日本3回、出雲3回

学生長距離界のスーパースターとして90年代を席巻した渡辺康幸(早大)

2008年度に学生三大駅伝すべてで区間賞を獲得するなど活躍した高林祐介(駒大)

<6回>
榎木 和貴(中 大)箱根4回、全日本1回、出雲1回
揖斐 祐治(駒 大)箱根2回、全日本3回、出雲1回
野口 英盛(順 大)箱根3回、全日本2回、出雲1回
柏原 竜二(東洋大)箱根4回、全日本2回、出雲0回
田村 和希(青学大)箱根2回、全日本2回、出雲2回
D.ニャイロ(山梨学大)箱根1回、全日本3回、出雲2回
相澤  晃(東洋大4)箱根2回、全日本3回、出雲1回★現役学生

5区で4年連続区間賞の偉業を達成した柏原竜二(東洋大)

田村和希(青学大/現・住友電工、右)

<※3回以上の現役学生>
館澤 亨次(東海大4)箱根1回、全日本3回、出雲0回
吉田 圭太(青学大3)箱根1回、全日本1回、出雲1回

館澤亨次(東海大)

吉田圭太(青学大、右)

区間賞獲得回数トップは初めて箱根駅伝を走ったケニア人留学生のオツオリさん(山梨学大)と、7大会連続区間賞を達成した小林雅幸さん(早大)の10回。4年間で獲得可能な区間賞の数は最大12個ですから、いかに驚異的な数字だということがわかります。相澤選手は8位タイでした。

なお、先日の箱根駅伝で大学史上初のシード権獲得を達成した創価大の榎木和貴監督も、中大時代に箱根の4年連続を含む区間賞6度を記録しています。

●同一年度区間賞コンプリート(すべて獲得)
谷川 義秀(日 大2) 89-90年
大津  睦(大東大3) 89-90年
J.オツオリ(山梨学大2) 89-90年
J.オツオリ(山梨学大3) 90-91年
S.マヤカ(山梨学大1) 92-93年
S.マヤカ(山梨学大2) 93-94年
渡辺 康幸(早 大2) 93-94年
榎木 和貴(中 大3) 95-96年
小林 雅幸(早 大3) 95-96年
小林 雅幸(早 大4) 96-97年
D.サイモン(日 大1) 04-05年
髙林 祐介(駒 大3) 08-09年
G.ダニエル(日 大4) 09-10年
久保田和真(青学大4) 15-16年
吉田 圭太(青学大2) 18-19年★現役学生
相澤  晃(東洋大4) 19-20年★現役学生

それぞれ大学3年時の1995年度に同一年度三大駅伝区間賞コンプリートを、翌年度に箱根駅伝4年連続区間賞を達成した小林(左)と榎木和貴(中大/現・創価大駅伝部監督)

同一年度区間賞コンプリートは相澤選手が13人目の達成者。複数回達成者は3人で、日本人では小林さんがただ一人成し遂げています。

また、現役学生では箱根駅伝で6区区間新の快走を見せた館澤亨次選手(東海大4)が相澤選手に次ぐ4回、3年生以下では昨年度に区間賞コンプリートを達成した吉田圭太選手(青学大3)が3回で続いています。吉田選手は4年目となる来年度に区間賞を3つ獲得すれば、相澤選手らに並びます。

番外編~女子~

女子は主要駅伝が全日本大学駅伝と全日本大学女子選抜駅伝しかありませんが、〝二大駅伝〟の区間賞獲得数を集計してみました。

●二大駅伝区間賞獲得回数(全日本大学女子選抜駅伝が始まった2003年度以降)
※全日本大学女子選抜駅伝が始まった2003年度以降を集計
※全日本大学女子選抜駅伝は2010~12年に休止

<8回>
小島 一恵(立命大)全日本4回、選抜4回★オール区間賞

前人未到の区間賞獲得「8回」を記録した小島一恵(立命大、左)。右は豊田自動織機に入社後、2015年の全日本実業団ハーフマラソン選手権で優勝する沼田未知

<5回>
田中 真知(名城大)全日本2回、選抜3回
吉本ひかり(佛教大)全日本3回、選抜2回
薮下 明音(立命大)全日本4回、選抜1回★オール区間賞
大森 菜月(立命大)全日本3回、選抜2回

2005年の全日本大学女子駅伝で名城大の初優勝に貢献した田中真知(右)

全日本大学女子選抜駅伝の休止期間(2010~12年)を除くすべての〝二大駅伝〟で区間賞を獲得した立命大の薮下明音(左)。右は薮下の3学年後輩で自身も在学中に区間賞4回を記録した菅野七虹

<4回>
木﨑 良子(佛教大)全日本2回、選抜2回
矢口衣久未(立命大)全日本2回、選抜2回
樋口 紀子(立命大)全日本3回、選抜1回
菅野 七虹(立命大)全日本2回、選抜2回
太田 琴菜(立命大)全日本2回、選抜2回
五島 莉乃(中大4)全日本2回、選抜2回★現役学生
関谷 夏希(大東大4)全日本2回、選抜2回★現役学生

2013年のモスクワ世界選手権女子マラソンで4位入賞を果たす木﨑良子(ダイハツ)も佛教大時代の〝二大駅伝〟で区間賞を4度獲得

現役学生では五島莉乃(中大4、左)と関谷夏希(大東大4)が区間賞4回でトップ。五島は大学卒業後に資生堂へ進み、関谷は大学院へ進んで競技を続ける

<3回>
西原 加純(佛教大)全日本2回、選抜1回
森 知奈美(佛教大)全日本3回
加世田梨花(名城大3)全日本1回、選抜2回★現役学生
鈴木 優花(大東大2)全日本2回、選抜1回★現役学生

2015年の北京世界選手権女子10000m代表の西原加純(ヤマダ電機)は佛教大時代に学生女子長距離界を席巻。2010年にはチームの〝駅伝2冠〟達成の立役者となった

区間賞獲得回数トップは、出場8大会すべてで区間賞を獲得した小島一恵さん(立命大)。この間、チームは全日本3回、選抜3回で優勝を遂げており、〝優勝請負人〟として学生女子長距離界に君臨しました。

2位は4年間で区間賞を5回獲得した4人。2003年のユニバーシアードでハーフマラソン金メダルに輝いた田中真知さん(名城大)、10000mの学生記録(31分30秒92)保持者で、2011年のテグ世界選手権にも出場した吉本ひかり選手(佛教大/現・ダイハツ)、選抜駅伝の休止期間(2010~12年)を除くすべての学生女子駅伝で区間賞を獲得した薮下明音選手(立命大/現・豊田自動織機)、現在マラソンで活躍中の大森菜月選手(立命大/現・ダイハツ)が並びます。

区間賞4回は7人おり、ここで現役学生選手から五島莉乃選手(中大4)と関谷夏希選手(大東大4)がランクイン。五島選手は今季、全日本と選抜の両駅伝で区間賞。選抜駅伝はともに「全日本選抜」での出場だったものの、いずれも先頭を独走するなど存在感を発揮しました。

関谷選手は言わずと知れた大東大のエース。2年時と3年時は両駅伝の最長区間で区間賞を獲得し、学生女子長距離界の絶対的存在として活躍しました。卒業後は大学院に進み、変わらず大東大を練習拠点とするそうです。

3年生以下では加世田梨花選手(名城大3)と鈴木優花選手(大東大2)が3回でトップ。加世田選手はラストシーズンで2つ区間賞を取れば2位の5回に並び、鈴木選手は残り4回のチャンスが残されています。

今後、さらなる躍進が期待される加世田梨花(名城大3、左)と鈴木優花(大東大2)

さらに、今季1年生ながら全日本と選抜の両駅伝で区間賞を獲得した山本有真選手(名城大)は、ただ一人〝4年間オール区間賞〟の可能性を秘めています。

もちろん、駅伝はチームスポーツのため、区間賞を獲得することだけがすべてではありません。チーム事情でエースが上り坂区間を走らなければいけない場合もありますし、1年生ながらエース区間を担うこともあります。

ですが、駅伝観戦の際に「〇〇選手、今回区間賞を取ったら累計獲得回数が〇〇選手に並ぶよ!」といった視点で観るのも1つの楽しみ方だと思います。今後、そうしたデータを『月刊陸上競技』を通して発信していきますので、毎号のチェックをお忘れなく!

松永貴允(まつなが・たかよし)
月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ)
1991年生まれ。東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。

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