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編集部コラム「東京五輪へ“もう1度”あと1年」
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    第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」」(小川雅生)

    来年に延期された東京五輪に向けて、1年を切りました。

    7月から国内競技会が各地で始まり、日本陸上界は“仕切り直し”に向けて再スタートを切っています。

    その象徴となった大会が、8月23日に開催されたセイコーゴールデングランプリ陸上2020東京。

    会場は、国立競技場。言わずと知れた東京五輪のメイン会場であり、陸上競技としては最初の公式大会として行われました。

    本来であれば世界陸連コンチネンタルツアー・ゴールド大会として、数多くの海外トップ選手が出場していたはずですが、今回は日本人選手のみ。さらに無観客試合ということで、大会全体としては大きな盛り上がり…とまではいきませんでした(大会の詳細は次号にしっかりとお届けする予定なので、そちらをお楽しみに!)。

    しかし、大会が開かれること自体に意義があると思います。何よりも、運営側の方々の尽力があってこその大会です。選手たちも口々に感謝を述べていました。

    もちろんん、それは私たちも同じ想いです。国立競技場で選手たちが目一杯走り、跳び、投げる姿を見られることが、こんなにもありがたいことなのだということを実感しながら、記者席から観戦していました。

    とはいえ、来年の東京五輪に向けてスタートしたからには、前を向いて進んでいく必要があります。

    今回はゴールデングランプリで感じたことがいくつかあるので、そちらに触れていきましょう。

    ①“高速トラック”?
    トラックのサーフェイスは、モンド社が東京オリンピック・パラリンピックに向けて新開発したもので、いわゆる“高速トラック”のはずです。

    ただ、このモンド社(イタリア)製のサーフェイス(施工は国内代理店のクリヤマ)は日本ではなかなかお目にかかることができないため、日本の選手は国際大会はじめ海外の経験が豊富な選手を除くと、慣れない部分があったのではないでしょうか。

    多くの選手が「硬い」「反発がある」「走りやすい」という感想を持っていましたが、その一方で記録面で全体的に盛り上がりに欠けた点の1つは、ここにあると思います。

    ヨーロッパで主流のタイプのため、海外のトップ選手はトラックに戸惑うことはないはずです。“地の利”を生かせなければ自国開催の意味がないので、東京五輪に向けてはやはり、トレーニングも含めて国立競技場で競技をする経験をできるだけ多く積む必要があると感じました。

    ②暑さは?
    大会当日は雷雨の予報でしたが、競技開始前に一時大雨が降ったものの、競技が始まってからは止み、午後からは晴れ間が出てきました。一方で気温はそれまでの猛暑からは少し下がり、30度程度にとどまりました。でも、観客が入るとものすごく暑くなるんだろうなという印象は持ちました。大型扇風機がいくつもついているので、それがどの程度効果が出るのかがカギになりそうですね。

    気になる点としては、扇風機が起こす風が、トラック上にどれだけの影響を与えているのか。

    今回は、ホームストレートは微風程度でしたが、第2カーブ内側で行われた棒高跳の選手は向かい風を感じていたそうですし、バックストレートで実施された走幅跳にとっても難しい風が吹いていたそうです。一方でやり投の選手からは、「影響はない」という言葉が聞かれました。

    来年夏に向けてのシミュレーションとしてはピッタリの条件にはならなかったかもしれませんが(前日のライジングスター陸上のほうがピッタリの暑さ)、1つのデータにはなり得るものだったと言えるでしょうか。

    ③陸上の“聖地”として
    国立競技場は、日本陸上界にとっては“聖地”です。

    とはいえ、新しくなった国立競技場に強い印象が残っていない選手もいたようです(無観客ということも大きな原因でしょうけど……)。

    旧国立競技場のようなオーラを持つためには、やはり東京五輪がどんな大会になるかにかかっています。

    まだ、東京五輪後の国立競技場がどんなかたちとなるのかは不透明ですが、陸上競技の大会が引き続き開催される状況にもっていくためにも、五輪の盛り上がりは欠かせません。

    「ここが、あの東京五輪が行われた競技場か」

    初めて国立競技場を訪れた人たちが、そう言って見上げてくれるような、そんな“聖地”となってほしいものです。

    小川雅生(おがわ・まさお)
    月刊陸上競技編集部 部長
    1977年7月12日生まれ、43歳。173cm、68kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重の短縮は達成したもの、自己新を出した尿酸値は達成ならず。来季に懸ける

    編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
    編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
    編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
    編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
    編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
    編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
    編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
    編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
    編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
    編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
    編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
    編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
    編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
    編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
    編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
    編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
    編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
    編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
    編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
    編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
    編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
    編集部コラム第35回「善意」(船越)
    編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
    編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
    編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
    編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
    編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
    編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
    編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
    編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
    編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
    編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
    編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
    編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
    編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
    編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
    編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
    編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
    編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
    編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
    編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
    編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
    編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
    編集部コラム第14回「初陣」(船越)
    編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
    編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
    編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
    編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
    編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
    編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
    編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
    編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
    編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
    編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
    編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
    編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
    編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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    第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」」(小川雅生)

    来年に延期された東京五輪に向けて、1年を切りました。7月から国内競技会が各地で始まり、日本陸上界は“仕切り直し”に向けて再スタートを切っています。その象徴となった大会が、8月23日に開催されたセイコーゴールデングランプリ陸上2020東京。会場は、国立競技場。言わずと知れた東京五輪のメイン会場であり、陸上競技としては最初の公式大会として行われました。本来であれば世界陸連コンチネンタルツアー・ゴールド大会として、数多くの海外トップ選手が出場していたはずですが、今回は日本人選手のみ。さらに無観客試合ということで、大会全体としては大きな盛り上がり…とまではいきませんでした(大会の詳細は次号にしっかりとお届けする予定なので、そちらをお楽しみに!)。しかし、大会が開かれること自体に意義があると思います。何よりも、運営側の方々の尽力があってこその大会です。選手たちも口々に感謝を述べていました。もちろんん、それは私たちも同じ想いです。国立競技場で選手たちが目一杯走り、跳び、投げる姿を見られることが、こんなにもありがたいことなのだということを実感しながら、記者席から観戦していました。とはいえ、来年の東京五輪に向けてスタートしたからには、前を向いて進んでいく必要があります。今回はゴールデングランプリで感じたことがいくつかあるので、そちらに触れていきましょう。①“高速トラック”? トラックのサーフェイスは、モンド社が東京オリンピック・パラリンピックに向けて新開発したもので、いわゆる“高速トラック”のはずです。ただ、このモンド社(イタリア)製のサーフェイス(施工は国内代理店のクリヤマ)は日本ではなかなかお目にかかることができないため、日本の選手は国際大会はじめ海外の経験が豊富な選手を除くと、慣れない部分があったのではないでしょうか。多くの選手が「硬い」「反発がある」「走りやすい」という感想を持っていましたが、その一方で記録面で全体的に盛り上がりに欠けた点の1つは、ここにあると思います。ヨーロッパで主流のタイプのため、海外のトップ選手はトラックに戸惑うことはないはずです。“地の利”を生かせなければ自国開催の意味がないので、東京五輪に向けてはやはり、トレーニングも含めて国立競技場で競技をする経験をできるだけ多く積む必要があると感じました。②暑さは? 大会当日は雷雨の予報でしたが、競技開始前に一時大雨が降ったものの、競技が始まってからは止み、午後からは晴れ間が出てきました。一方で気温はそれまでの猛暑からは少し下がり、30度程度にとどまりました。でも、観客が入るとものすごく暑くなるんだろうなという印象は持ちました。大型扇風機がいくつもついているので、それがどの程度効果が出るのかがカギになりそうですね。気になる点としては、扇風機が起こす風が、トラック上にどれだけの影響を与えているのか。今回は、ホームストレートは微風程度でしたが、第2カーブ内側で行われた棒高跳の選手は向かい風を感じていたそうですし、バックストレートで実施された走幅跳にとっても難しい風が吹いていたそうです。一方でやり投の選手からは、「影響はない」という言葉が聞かれました。来年夏に向けてのシミュレーションとしてはピッタリの条件にはならなかったかもしれませんが(前日のライジングスター陸上のほうがピッタリの暑さ)、1つのデータにはなり得るものだったと言えるでしょうか。③陸上の“聖地”として 国立競技場は、日本陸上界にとっては“聖地”です。とはいえ、新しくなった国立競技場に強い印象が残っていない選手もいたようです(無観客ということも大きな原因でしょうけど……)。旧国立競技場のようなオーラを持つためには、やはり東京五輪がどんな大会になるかにかかっています。まだ、東京五輪後の国立競技場がどんなかたちとなるのかは不透明ですが、陸上競技の大会が引き続き開催される状況にもっていくためにも、五輪の盛り上がりは欠かせません。「ここが、あの東京五輪が行われた競技場か」初めて国立競技場を訪れた人たちが、そう言って見上げてくれるような、そんな“聖地”となってほしいものです。
    小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、43歳。173cm、68kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重の短縮は達成したもの、自己新を出した尿酸値は達成ならず。来季に懸ける
    編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越) 編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永) 編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保) 編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上) 編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本) 編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永) 編集部コラム第50回「温故知新」(小川) 編集部コラム第49回「対面取材」(船越) 編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永) 編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保) 編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上) 編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本) 編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永) 編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川) 編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保) 編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永) 編集部コラム第40回「葛藤」(船越) 編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上) 編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本) 編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永) 編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川) 編集部コラム第35回「善意」(船越) 編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永) 編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保) 編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上) 編集部コラム第31回「記録と順位」(山本) 編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永) 編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川) 編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越) 編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永) 編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保) 編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上) 編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本) 編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本) 編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永) 編集部コラム第22回「国立競技場」(小川) 編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越) 編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永) 編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保) 編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上) 編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本) 編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永) 編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川) 編集部コラム第14回「初陣」(船越) 編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永) 編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保) 編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上) 編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本) 編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永) 編集部コラム第8回「アナウンス」(小川) 編集部コラム第7回「ジンクス」(船越) 編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永) 編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保) 編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上) 編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本) 編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永) 編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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