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2019.12.06

編集部コラム「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」
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第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた(松永貴允)

いよいよ2019年も終わりが近づき、あと1ヵ月もすればいよいよ〝東京五輪イヤー〟がやってきます。選手たちも「東京五輪出場」という大きな目標ができたためか、今年は特に多くの日本記録が生まれました。

その数、なんとなんと「19個」です!!

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19個もの日本新が誕生!2019年に樹立された日本記録一覧

この結果を見て、私はあることが気になってしまいました。

「日本記録樹立者を世代別にまとめたら、どの世代が一番多いんだろう??」

はい、調べました。その結果が以下の表です。

※1980年度生まれ以降を対象
※五輪実施種目に限る
※リレー種目は除く
赤字は2019年に樹立した選手(種目)

●1980年度生まれ(7人)
末續慎吾(男子200m)、内藤真人(男子110mH)、醍醐直幸(男子走高跳)、澤野大地(男子棒高跳)、川崎真裕美(女子20km競歩)、池田久美子(女子走幅跳)、森千夏(女子砲丸投)
●1981年度生まれ(1人)
福士加代子(女子5000m)
●1982年度生まれ(3人)
谷井孝行(男子50km競歩)、畑瀬聡(男子砲丸投)、久保倉里美(女子400mH)
●1983年度生まれ(1人)
山崎勇喜(男子50km競歩)
●1984年度生まれ(0人)
該当者なし
●1985年度生まれ(3人)

山田壮太郎(男子砲丸投)、丹野麻美(女子400m)、海老原有希(女子やり投)
●1986年度生まれ(2人)
右代啓祐(男子十種競技)、渕瀬真寿美(女子20km競歩、50km競歩
●1987年度生まれ(3人)
横田真人(男子800m)、鈴木雄介(男子20km競歩、50km競歩)、我孫子智美(女子棒高跳)
●1988年度生まれ(2人)
福島千里(女子100m・200m)、小林祐梨子(女子1500m)
●1989年度生まれ(3人)
鎧坂哲哉(男子5000m・10000m)、堤雄司(男子円盤投)、寺田明日香(女子100mH)
●1990年度生まれ(0人)
該当者なし
●1991年度生まれ(5人)
大迫傑(男子5000m、マラソン)、設楽悠太(男子マラソン)、丸尾知司(男子50km競歩)、戸邉直人(男子走高跳)、岡田久美子(女子20km競歩)
●1992年度生まれ(4人)
川元奨(男子800m)、村山紘太(男子10000m)、髙橋英輝(男子20km競歩)、中村太地(男子砲丸投)
●1993年度生まれ(1人)
湯上剛輝(男子円盤投)
●1994年度生まれ(2人)
高山峻野(男子110mH)、城山正太郎(男子走幅跳)
●1995年度生まれ(3人)
桐生祥秀(男子100m)、金井大旺(男子110mH)、野田明宏(男子50km競歩)
●1996年度生まれ(1人)
園田世玲奈(女子50km競歩)
●1997年度生まれ(2人)
郡菜々佳(女子円盤投)、北口榛花(女子やり投)
●1998年度生まれ(3人)
サニブラウン・アブデル・ハキーム(男子100m)、橋岡優輝(男子走幅跳)、川野将虎(男子50km競歩)
●1999年度生まれ(1人)
泉谷駿介(男子110mH)

栄えある第1位は、ダントツの7人を誇る「末續世代」の80年度生まれでした! 世界選手権銅メダリストの末續慎吾選手(EAGLERUN)や、今年のドーハ世界選手権に出場するなどいまだ現役トップクラスに君臨する澤野大地選手(富士通)、小学生時代から天才少女として活躍し続けた池田久美子(現性・井村)さん、日本人が女子砲丸投で〝世界〟の舞台に立てることを証明してくれた森千夏さんなど、そうそうたるメンバーが並びます。

2003年の日本選手権男子200mで現在も破られていない20秒03の日本記録(当時・アジア記録)を樹立した末續慎吾選手(ミズノ/現・EAGLERUN、右から2人目

男子棒高跳で3度日本記録を更新して5m83まで引き上げた澤野大地選手(富士通)。写真は最初に日本記録を樹立した2003年の日本選手権

左から女子走幅跳(6m86)の池田久美子さん(現性・井村)と女子砲丸投(18m22)の森千夏さん。ともにスズキ所属だった2003年にはパリ世界選手権にそろって出場した

第2位は、大迫傑選手(NIKE)や戸邉直人選手(JAL)を筆頭に、ジュニア期から活躍した選手が多いことから「プラチナ世代」と呼ばれている1991年度生まれの「5人」。今年だけで新たに3選手が日本新記録をマークし、「末續世代」に次ぐランクに躍り出ました。

男子5000mとマラソンの2種目で日本記録を持つ大迫傑選手(NIKE、左)と、今年2月に男子走高跳で室内ながら2m35に成功した戸邉直人選手(JAL)

第3位は、その1つ下の世代にあたる92年度生まれの「4人」。2014年に男子800mの川元奨選手(日大/現・スズキ浜松AC)が最初に日本記録を樹立すると、翌年には男子20km競歩の高橋英輝選手と男子10000mの村山紘太選手(旭化成)が続き、昨年は男子砲丸投で中村太地選手が快投を見せました。

2014年のゴールデングランプリ東京の男子800mで日本人史上初めて「1分46秒」の壁を突破する1分45秒75をマークした川元奨(日大/現・スズキ浜松AC)

ちなみに第4位は、「3人」で並ぶ82年度生まれ、85年度生まれ、87年度生まれ、89年度生まれ、95年度生まれ、98年度生まれでした。特に98年度生まれは大学3年生の世代のため、今後のさらなる躍進に期待が高まります。

一方で、84年度生まれと90年度生まれは日本記録樹立者がいないことが判明しました。90年度生まれは男子400mハードルの岸本鷹幸選手(富士通)、男子走高跳の衛藤昂選手(味の素AGF)、男子十種競技の中村明彦選手(スズキ浜松AC)、女子短距離の市川華菜選手(ミズノ)、女子100mハードルの柴村仁美選手(東邦銀行)ら日本歴代上位に名を連ねる現役選手がそろっているだけに、意外な結果でした。

現時点での最年少日本記録樹立者は、今年の日本選手権男子110mハードルで、2位ながら日本タイ記録となる13秒36をマークした泉谷駿介選手(順大)。泉谷選手は早生まれのため、2000年代生まれただ一人の日本記録樹立者でもあります。

また、今回は1980年度生まれ以降を対象としましたが、それより前の世代を含めるとどんな結果になるのか。いつか別の機会に調べてみたいと思います。

2020年は何種目で日本記録が誕生し、どの世代が台頭してくるのか、今から楽しみですね!

松永貴允(まつなが・たかよし)
月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ)
1991年生まれ。東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。

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いよいよ2019年も終わりが近づき、あと1ヵ月もすればいよいよ〝東京五輪イヤー〟がやってきます。選手たちも「東京五輪出場」という大きな目標ができたためか、今年は特に多くの日本記録が生まれました。 その数、なんとなんと「19個」です!! https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/5937 この結果を見て、私はあることが気になってしまいました。 「日本記録樹立者を世代別にまとめたら、どの世代が一番多いんだろう??」 はい、調べました。その結果が以下の表です。 ※1980年度生まれ以降を対象 ※五輪実施種目に限る ※リレー種目は除く ※赤字は2019年に樹立した選手(種目) ●1980年度生まれ(7人) 末續慎吾(男子200m)、内藤真人(男子110mH)、醍醐直幸(男子走高跳)、澤野大地(男子棒高跳)、川崎真裕美(女子20km競歩)、池田久美子(女子走幅跳)、森千夏(女子砲丸投) ●1981年度生まれ(1人) 福士加代子(女子5000m) ●1982年度生まれ(3人) 谷井孝行(男子50km競歩)、畑瀬聡(男子砲丸投)、久保倉里美(女子400mH) ●1983年度生まれ(1人) 山崎勇喜(男子50km競歩) ●1984年度生まれ(0人) 該当者なし ●1985年度生まれ(3人) 山田壮太郎(男子砲丸投)、丹野麻美(女子400m)、海老原有希(女子やり投) ●1986年度生まれ(2人) 右代啓祐(男子十種競技)、渕瀬真寿美(女子20km競歩、50km競歩●1987年度生まれ(3人) 横田真人(男子800m)、鈴木雄介(男子20km競歩、50km競歩)、我孫子智美(女子棒高跳) ●1988年度生まれ(2人) 福島千里(女子100m・200m)、小林祐梨子(女子1500m) ●1989年度生まれ(3人) 鎧坂哲哉(男子5000m・10000m)、堤雄司(男子円盤投)、寺田明日香(女子100mH) ●1990年度生まれ(0人) 該当者なし ●1991年度生まれ(5人) 大迫傑(男子5000m、マラソン)、設楽悠太(男子マラソン)、丸尾知司(男子50km競歩)、戸邉直人(男子走高跳)、岡田久美子(女子20km競歩) ●1992年度生まれ(4人) 川元奨(男子800m)、村山紘太(男子10000m)、髙橋英輝(男子20km競歩)、中村太地(男子砲丸投) ●1993年度生まれ(1人) 湯上剛輝(男子円盤投) ●1994年度生まれ(2人) 高山峻野(男子110mH)、城山正太郎(男子走幅跳) ●1995年度生まれ(3人) 桐生祥秀(男子100m)、金井大旺(男子110mH)、野田明宏(男子50km競歩) ●1996年度生まれ(1人) 園田世玲奈(女子50km競歩) ●1997年度生まれ(2人) 郡菜々佳(女子円盤投)、北口榛花(女子やり投) ●1998年度生まれ(3人) サニブラウン・アブデル・ハキーム(男子100m)、橋岡優輝(男子走幅跳)、川野将虎(男子50km競歩) ●1999年度生まれ(1人) 泉谷駿介(男子110mH) 栄えある第1位は、ダントツの7人を誇る「末續世代」の80年度生まれでした! 世界選手権銅メダリストの末續慎吾選手(EAGLERUN)や、今年のドーハ世界選手権に出場するなどいまだ現役トップクラスに君臨する澤野大地選手(富士通)、小学生時代から天才少女として活躍し続けた池田久美子(現性・井村)さん、日本人が女子砲丸投で〝世界〟の舞台に立てることを証明してくれた森千夏さんなど、そうそうたるメンバーが並びます。 2003年の日本選手権男子200mで現在も破られていない20秒03の日本記録(当時・アジア記録)を樹立した末續慎吾選手(ミズノ/現・EAGLERUN、右から2人目 男子棒高跳で3度日本記録を更新して5m83まで引き上げた澤野大地選手(富士通)。写真は最初に日本記録を樹立した2003年の日本選手権
左から女子走幅跳(6m86)の池田久美子さん(現性・井村)と女子砲丸投(18m22)の森千夏さん。ともにスズキ所属だった2003年にはパリ世界選手権にそろって出場した 第2位は、大迫傑選手(NIKE)や戸邉直人選手(JAL)を筆頭に、ジュニア期から活躍した選手が多いことから「プラチナ世代」と呼ばれている1991年度生まれの「5人」。今年だけで新たに3選手が日本新記録をマークし、「末續世代」に次ぐランクに躍り出ました。
男子5000mとマラソンの2種目で日本記録を持つ大迫傑選手(NIKE、左)と、今年2月に男子走高跳で室内ながら2m35に成功した戸邉直人選手(JAL) 第3位は、その1つ下の世代にあたる92年度生まれの「4人」。2014年に男子800mの川元奨選手(日大/現・スズキ浜松AC)が最初に日本記録を樹立すると、翌年には男子20km競歩の高橋英輝選手と男子10000mの村山紘太選手(旭化成)が続き、昨年は男子砲丸投で中村太地選手が快投を見せました。 2014年のゴールデングランプリ東京の男子800mで日本人史上初めて「1分46秒」の壁を突破する1分45秒75をマークした川元奨(日大/現・スズキ浜松AC) ちなみに第4位は、「3人」で並ぶ82年度生まれ、85年度生まれ、87年度生まれ、89年度生まれ、95年度生まれ、98年度生まれでした。特に98年度生まれは大学3年生の世代のため、今後のさらなる躍進に期待が高まります。 一方で、84年度生まれと90年度生まれは日本記録樹立者がいないことが判明しました。90年度生まれは男子400mハードルの岸本鷹幸選手(富士通)、男子走高跳の衛藤昂選手(味の素AGF)、男子十種競技の中村明彦選手(スズキ浜松AC)、女子短距離の市川華菜選手(ミズノ)、女子100mハードルの柴村仁美選手(東邦銀行)ら日本歴代上位に名を連ねる現役選手がそろっているだけに、意外な結果でした。 現時点での最年少日本記録樹立者は、今年の日本選手権男子110mハードルで、2位ながら日本タイ記録となる13秒36をマークした泉谷駿介選手(順大)。泉谷選手は早生まれのため、2000年代生まれただ一人の日本記録樹立者でもあります。 また、今回は1980年度生まれ以降を対象としましたが、それより前の世代を含めるとどんな結果になるのか。いつか別の機会に調べてみたいと思います。 2020年は何種目で日本記録が誕生し、どの世代が台頭してくるのか、今から楽しみですね!
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。
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