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2019.10.18

編集部コラム「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」
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第13回どうなる東京五輪マラソン&競歩!?(松永貴允)

昨日、東京五輪のマラソン・競歩を札幌で開催するとのニュースが話題となりました。IOC(国際オリンピック委員会)と大会組織委員会が「選手たちの健康を考えた結果」として、両者の間で合意したようです。

「えっ!? 今さら??」

と日本人全員がツッコミを入れたに違いありません。東京都はおろか、日本の陸上関係者ですらその事実を事前に知らされていなかったのです。

2者間で勝手に合意し、開催都市の東京都と、いきなりバトンを渡された札幌市には相談なし?? 東京で生まれ育った私としては、非常にモヤモヤした気持ちが残ります。

確かに、8月上旬の東京の暑さは尋常ではありません。「アスリートファースト」で選手の健康を第一優先するなら、札幌開催のほうが気温も低くて適しているでしょう。

ただ、これまで「東京開催」に向けて、さまざまな関係者・選手が準備を重ねてきました。9月15日のMGCでも、来年の本番が楽しみになるような盛り上がりを見せただけに、「今さら??」と感じてしまいます。

9月15日に東京五輪とほぼ同じコースで開催された「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の様子

札幌に会場を移すのであれば、これから9ヵ月ちょっとですべての準備を終えなければいけません。

「コースはどうするの?」
「選手や関係者の宿泊先は?」
「8月の札幌は観光のピークでは?」
「沿道警備は?」
「発売済みのチケットはどうするの?」
「運営予算は?」

決まったものは仕方ありませんが、IOCや大会組織委員会には最後まで責任を持って大会の成功に協力してもらいたいものですね。

シカゴ・マラソンで女子世界新記録が誕生!

真面目な内容はこれくらいにして、最後に最近気になった陸上ニュースを紹介して終わりたいと思います。

10月13日に開催されたシカゴ・マラソンで、前回覇者のブリジット・コスゲイ選手(ケニア)が2時間14分04秒女子世界新記録を樹立しました!

「……え!? 14分!?」
「ちょっと何言ってるかわからない(笑)」

とツッコミたくなったのが正直な感想です。

これまでの記録は、2003年にポーラ・ラドクリフ氏(英国)によって樹立された2時間15分25秒。これは当時の歴代2位に3分22秒も差をつける圧倒的な世界記録でした。

●女子マラソン世界歴代10傑(10月18日時点)
2.14.04 B.コスゲイ(ケニア)     2019.10.13
2.15.25 P.ラドクリフ(英国)     2003. 4.13
2.17.01 M.ケイタニ―(ケニア)    2017. 4.23
2.17.08 R.チェプンゲティチ(ケニア) 2019. 1.25
2.17.41 W.デゲファ(エチオピア)   2019. 1.25
2.17.56 T.ディババ(エチオピア)   2017. 4.23
2.18.11 G.チェロノ(ケニア)     2018. 9.16
2.18.31 V.チェルイヨット(ケニア)  2018. 4.22
2.18.34 R.アガ(エチオピア)     2018. 9.16
2.18.47 C.デレバ(ケニア)      2001.10. 7

それから16年が経ち、とうとう破られた不滅のワールドレコード。「2時間14分04秒」がどのくらいすごい記録かというのを、ざっくり説明します。

・ハーフマラソン換算「1時間7分02秒」
→日本記録(1時間7分26秒)を24秒上回る

・10km換算「31分46秒」
→ドーハ世界選手権女子10000mの参加標準記録(31分50秒00)を4秒上回る

つまり、ハーフマラソンの日本記録を持つ福士加代子選手(ワコール)が2人いても及ばず、31分台ランナーが4人で10kmずつタスキをつないでようやく対等な戦いができるレベルにまで〝世界〟は到達してしまったのです!

しかも、コスゲイ選手はまだ25歳。今年9月に英国で開催されたサウスシールズ・ハーフマラソンでは、下りコースの非公認ながら世界最高となる1時間4分28秒を記録しており、まだまだ記録更新の期待が高まりそうです。

松永貴允(まつなが・たかよし)
月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ)
1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。

編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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第13回どうなる東京五輪マラソン&競歩!?(松永貴允)

昨日、東京五輪のマラソン・競歩を札幌で開催するとのニュースが話題となりました。IOC(国際オリンピック委員会)と大会組織委員会が「選手たちの健康を考えた結果」として、両者の間で合意したようです。 「えっ!? 今さら??」 と日本人全員がツッコミを入れたに違いありません。東京都はおろか、日本の陸上関係者ですらその事実を事前に知らされていなかったのです。 2者間で勝手に合意し、開催都市の東京都と、いきなりバトンを渡された札幌市には相談なし?? 東京で生まれ育った私としては、非常にモヤモヤした気持ちが残ります。 確かに、8月上旬の東京の暑さは尋常ではありません。「アスリートファースト」で選手の健康を第一優先するなら、札幌開催のほうが気温も低くて適しているでしょう。 ただ、これまで「東京開催」に向けて、さまざまな関係者・選手が準備を重ねてきました。9月15日のMGCでも、来年の本番が楽しみになるような盛り上がりを見せただけに、「今さら??」と感じてしまいます。 9月15日に東京五輪とほぼ同じコースで開催された「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の様子 札幌に会場を移すのであれば、これから9ヵ月ちょっとですべての準備を終えなければいけません。 「コースはどうするの?」 「選手や関係者の宿泊先は?」 「8月の札幌は観光のピークでは?」 「沿道警備は?」 「発売済みのチケットはどうするの?」 「運営予算は?」 決まったものは仕方ありませんが、IOCや大会組織委員会には最後まで責任を持って大会の成功に協力してもらいたいものですね。

シカゴ・マラソンで女子世界新記録が誕生!

真面目な内容はこれくらいにして、最後に最近気になった陸上ニュースを紹介して終わりたいと思います。 10月13日に開催されたシカゴ・マラソンで、前回覇者のブリジット・コスゲイ選手(ケニア)が2時間14分04秒女子世界新記録を樹立しました! 「……え!? 14分!?」 「ちょっと何言ってるかわからない(笑)」 とツッコミたくなったのが正直な感想です。 これまでの記録は、2003年にポーラ・ラドクリフ氏(英国)によって樹立された2時間15分25秒。これは当時の歴代2位に3分22秒も差をつける圧倒的な世界記録でした。 ●女子マラソン世界歴代10傑(10月18日時点) 2.14.04 B.コスゲイ(ケニア)     2019.10.13 2.15.25 P.ラドクリフ(英国)     2003. 4.13 2.17.01 M.ケイタニ―(ケニア)    2017. 4.23 2.17.08 R.チェプンゲティチ(ケニア) 2019. 1.25 2.17.41 W.デゲファ(エチオピア)   2019. 1.25 2.17.56 T.ディババ(エチオピア)   2017. 4.23 2.18.11 G.チェロノ(ケニア)     2018. 9.16 2.18.31 V.チェルイヨット(ケニア)  2018. 4.22 2.18.34 R.アガ(エチオピア)     2018. 9.16 2.18.47 C.デレバ(ケニア)      2001.10. 7 それから16年が経ち、とうとう破られた不滅のワールドレコード。「2時間14分04秒」がどのくらいすごい記録かというのを、ざっくり説明します。
・ハーフマラソン換算「1時間7分02秒」 →日本記録(1時間7分26秒)を24秒上回る ・10km換算「31分46秒」 →ドーハ世界選手権女子10000mの参加標準記録(31分50秒00)を4秒上回る
つまり、ハーフマラソンの日本記録を持つ福士加代子選手(ワコール)が2人いても及ばず、31分台ランナーが4人で10kmずつタスキをつないでようやく対等な戦いができるレベルにまで〝世界〟は到達してしまったのです! しかも、コスゲイ選手はまだ25歳。今年9月に英国で開催されたサウスシールズ・ハーフマラソンでは、下りコースの非公認ながら世界最高となる1時間4分28秒を記録しており、まだまだ記録更新の期待が高まりそうです。
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。
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