2019.11.07
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第16回「強い選手の共通点?」(向永拓史)
この編集部リレーコラムを「始めます!」と、社内で宣言した時はもっと楽だと思っていました。でも、実際に始めてみると大変。回ってくるの早いし。ということは、時が経つのは早いということですね。
トラックシーズンもほぼ終わりました。今年もたくさんの選手・指導者のみなさんに取材させていただきました。ありがとうございました。
強くなる選手の条件って?
たまーに聞かれることがあるんです。「取材していて強くなる選手ってわかるんですか?」とか「強い選手の共通点ってありますか?」と。
正直、誰が強くなるかなんて全っっっ然わかりません。わかりたいとも思わないですし、たとえわかったとしても何か変わるわけではないです。
でも、ある時(といってもだいぶ前ですが)、「おっ」と思ったことがあります。
試合後のインタビュー。だいたい、「次の目標は?」という質問が記者から飛びます。そんな時、どんな言葉が返って来るのか。
「来年はもっと成長して優勝したいと思います」
素晴らしいですよね。でも、こう言う選手がいると……
「来年はもっと成長して絶対に優勝します」
なんか、こっちのほうが強そう。ほんの少しニュアンスが違うだけなのに。
目標に向かって話す時、それが願望なのか、決意なのかによって、表現が変わってくるんだと思います。
私もついつい、言います。
「あんな原稿が書いてみたい」
「こんな企画をやってみたい」
「そういうふうにやると成功すると思う」
「痩せたいと思っている」
〝何々したい〟という願望。そういう時ってだいたい、自分で実際に動いていない時な気がします。
成功する選手、結果を残す選手の多くは、「次はこうしたい」よりも「次はこうする」と言い切ることが多いように感じます。
もちろん全員そうではないし、成功している選手が全部言い切っているわけではないんです。逆に、「したいと思う」を実践して成功する選手もたくさんいます。だから、強くなる選手を予測するなんて不可能です。
でも、「こうするんだ」と言える人は、すでに次の段階が明確に見えていて、それを修正したり強化したりすれば、次の結果につながることがわかっているんだと思います。そういう選手は「人間として」強いです。それはスポーツ選手に限らず、ですが。これが、いわゆる〝心の才能〟の一つでしょうか。
他にも、強い選手は必ず口にする言葉があります。
「自分がどうなりたいか」「自分がどうしたいか」
「自分のやるべきことをやるだけ」
このあたりは、別の機会で書くかもしれません。月陸の選手インタビューなどで共通点を探してみてください。
ある年のインターハイ女子200m決勝で、ケガをしながら走り切って8位になり、泣きながら取材エリアに来た選手がいました。その選手はこう言いました。
「来年は絶対に勝ちます」
涙で顔はくしゃくしゃでしたがハッキリと口にしました。そして次の年、彼女はインターハイ短距離3冠を達成します。
言い切れる強さ、大事にしたいです
U20日本記録を更新した時も、「絶対に更新する」と宣言して、秋に0.01秒更新しました。
苦しい時期もたくさんあり、何度もくじけそうになりながら、こう言います。
「絶対にあきらめません」
「何年かかっても日本記録を抜きます」
彼女は今年、日本選手権で高2以来の表彰台に上り、日本インカレで優勝。久しぶりのタイトルを獲得しました。
「したいと思う」から「絶対にするんだ」。ほんのちょっと意識するだけでも、半歩前に進めるような気がします。
次にコラムが回ってくるのは7週間後。もっといい文章を書けるようにがんばりたいと思います!!!
| 向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第16回「強い選手の共通点?」(向永拓史)
この編集部リレーコラムを「始めます!」と、社内で宣言した時はもっと楽だと思っていました。でも、実際に始めてみると大変。回ってくるの早いし。ということは、時が経つのは早いということですね。 トラックシーズンもほぼ終わりました。今年もたくさんの選手・指導者のみなさんに取材させていただきました。ありがとうございました。
強くなる選手の条件って?
たまーに聞かれることがあるんです。「取材していて強くなる選手ってわかるんですか?」とか「強い選手の共通点ってありますか?」と。
正直、誰が強くなるかなんて全っっっ然わかりません。わかりたいとも思わないですし、たとえわかったとしても何か変わるわけではないです。
でも、ある時(といってもだいぶ前ですが)、「おっ」と思ったことがあります。
試合後のインタビュー。だいたい、「次の目標は?」という質問が記者から飛びます。そんな時、どんな言葉が返って来るのか。
「来年はもっと成長して優勝したいと思います」
素晴らしいですよね。でも、こう言う選手がいると……
「来年はもっと成長して絶対に優勝します」
なんか、こっちのほうが強そう。ほんの少しニュアンスが違うだけなのに。
目標に向かって話す時、それが願望なのか、決意なのかによって、表現が変わってくるんだと思います。
私もついつい、言います。
「あんな原稿が書いてみたい」
「こんな企画をやってみたい」
「そういうふうにやると成功すると思う」
「痩せたいと思っている」
〝何々したい〟という願望。そういう時ってだいたい、自分で実際に動いていない時な気がします。
成功する選手、結果を残す選手の多くは、「次はこうしたい」よりも「次はこうする」と言い切ることが多いように感じます。
もちろん全員そうではないし、成功している選手が全部言い切っているわけではないんです。逆に、「したいと思う」を実践して成功する選手もたくさんいます。だから、強くなる選手を予測するなんて不可能です。
でも、「こうするんだ」と言える人は、すでに次の段階が明確に見えていて、それを修正したり強化したりすれば、次の結果につながることがわかっているんだと思います。そういう選手は「人間として」強いです。それはスポーツ選手に限らず、ですが。これが、いわゆる〝心の才能〟の一つでしょうか。
他にも、強い選手は必ず口にする言葉があります。
「自分がどうなりたいか」「自分がどうしたいか」
「自分のやるべきことをやるだけ」
このあたりは、別の機会で書くかもしれません。月陸の選手インタビューなどで共通点を探してみてください。
ある年のインターハイ女子200m決勝で、ケガをしながら走り切って8位になり、泣きながら取材エリアに来た選手がいました。その選手はこう言いました。
「来年は絶対に勝ちます」
涙で顔はくしゃくしゃでしたがハッキリと口にしました。そして次の年、彼女はインターハイ短距離3冠を達成します。
言い切れる強さ、大事にしたいです
U20日本記録を更新した時も、「絶対に更新する」と宣言して、秋に0.01秒更新しました。
苦しい時期もたくさんあり、何度もくじけそうになりながら、こう言います。
「絶対にあきらめません」
「何年かかっても日本記録を抜きます」
彼女は今年、日本選手権で高2以来の表彰台に上り、日本インカレで優勝。久しぶりのタイトルを獲得しました。
「したいと思う」から「絶対にするんだ」。ほんのちょっと意識するだけでも、半歩前に進めるような気がします。
次にコラムが回ってくるのは7週間後。もっといい文章を書けるようにがんばりたいと思います!!!
| 向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
-
2025.12.04
-
2025.12.04
-
2025.12.03
-
2025.12.02
-
2025.12.02
2025.11.28
青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表
-
2025.11.29
-
2025.12.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]
2025.12.04
世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く
世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025