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2021.07.02

編集部コラム「4年サイクル」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め（？）のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日（できる限り！）、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ！
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください！

第101回「4年サイクル」（山本慎一郎）

　東京五輪の日本代表選手が本日発表されました。新型コロナの影響で1年延期が決まった当初は開催がずいぶん先のように感じましたが、気がつけばもう本番間近。あと少しで世界最高峰の競技が東京で見られると思うとワクワクします。

　一方で、私にとっては先週終わった日本選手権の余韻がまだ残っている感覚もあります。オリンピックイヤーの日本選手権らしく、例年よりも緊張感が伝わってくる大会だったように思います。やはり「4年に1度」というのは特別なのだと感じました。

　私は現地で取材をしたわけではなく、テレビやインターネットのライブ配信で観戦しただけでしたが、過去に取材をさせていただいた選手も多く、それぞれの選手の今大会に懸ける思いを感じながら中継を見ていました。私の場合はどちらかと言えば今回代表入りできなかった選手との接点が多かったので、代表枠を勝ち取れた選手を祝福しつつも、敗れた選手のことも気になりました。

　勝負事には勝者がいれば、敗者もいます。特に五輪は4年に1度ということもあり、これを区切りと考える選手も多いでしょう。第三者の立場からすれば「まだまだ活躍する姿を見たいな」と思いながらも、本人がここまでと決めたらどうすることもできません。オリンピックイヤーというのはそういう世代交代が起こりやすいタイミングでもあります。

　ただ、先日女子100ｍハードルの寺田明日香選手を取材した時に、寺田選手は「やれるところまでやりたい。来年のユージン（世界選手権）には出たい」と話していました。

　それを聞いてふと感じたことがあります。例年であれば陸上界の4年サイクルは

五輪→世界選手権→アジア大会→世界選手権→五輪

となるため、アスリートは五輪かその翌年の世界選手権を一区切りとするケースが多いですが、今回は1年延期があったので、

五輪→世界選手権（アジア大会）→世界選手権→五輪

と、世界大会が連続します。

　そうなると、通常であれば「4年後は長いな……」となるところが、1年ごとに世界大会があり、しかも次回の五輪が3年後ということで、モチベーションを維持しやすくなるのではないかと思いました。

　これはもちろん第三者の憶測であって、当事者からすれば「4年後でも3年後でも長いことは変わらない」と思うかもしれません。それでも、五輪が4年後ではなく3年後になったことで、「もう少し現役を続けてみようかな」と考える選手が一人でも多くなれば、選手を応援する立場としてはうれしいです。

……と好き勝手なことを書いてしまいましたが、日本代表になれた選手もそうではない方も、それぞれに自分の目標を達成できることを願っています。

山本慎一郎（やまもとしんいちろう）
月刊陸上競技　編集部（兼企画営業部）企画課長
1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg（ピーク時）。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則（2010年日本選手権1500ｍ覇者）と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

第101回「4年サイクル」（山本慎一郎）

　東京五輪の日本代表選手が本日発表されました。新型コロナの影響で1年延期が決まった当初は開催がずいぶん先のように感じましたが、気がつけばもう本番間近。あと少しで世界最高峰の競技が東京で見られると思うとワクワクします。　一方で、私にとっては先週終わった日本選手権の余韻がまだ残っている感覚もあります。オリンピックイヤーの日本選手権らしく、例年よりも緊張感が伝わってくる大会だったように思います。やはり「4年に1度」というのは特別なのだと感じました。　私は現地で取材をしたわけではなく、テレビやインターネットのライブ配信で観戦しただけでしたが、過去に取材をさせていただいた選手も多く、それぞれの選手の今大会に懸ける思いを感じながら中継を見ていました。私の場合はどちらかと言えば今回代表入りできなかった選手との接点が多かったので、代表枠を勝ち取れた選手を祝福しつつも、敗れた選手のことも気になりました。　勝負事には勝者がいれば、敗者もいます。特に五輪は4年に1度ということもあり、これを区切りと考える選手も多いでしょう。第三者の立場からすれば「まだまだ活躍する姿を見たいな」と思いながらも、本人がここまでと決めたらどうすることもできません。オリンピックイヤーというのはそういう世代交代が起こりやすいタイミングでもあります。　ただ、先日女子100ｍハードルの寺田明日香選手を取材した時に、寺田選手は「やれるところまでやりたい。来年のユージン（世界選手権）には出たい」と話していました。

　それを聞いてふと感じたことがあります。例年であれば陸上界の4年サイクルは五輪→世界選手権→アジア大会→世界選手権→五輪となるため、アスリートは五輪かその翌年の世界選手権を一区切りとするケースが多いですが、今回は1年延期があったので、五輪→世界選手権（アジア大会）→世界選手権→五輪と、世界大会が連続します。　そうなると、通常であれば「4年後は長いな……」となるところが、1年ごとに世界大会があり、しかも次回の五輪が3年後ということで、モチベーションを維持しやすくなるのではないかと思いました。　これはもちろん第三者の憶測であって、当事者からすれば「4年後でも3年後でも長いことは変わらない」と思うかもしれません。それでも、五輪が4年後ではなく3年後になったことで、「もう少し現役を続けてみようかな」と考える選手が一人でも多くなれば、選手を応援する立場としてはうれしいです。 ……と好き勝手なことを書いてしまいましたが、日本代表になれた選手もそうではない方も、それぞれに自分の目標を達成できることを願っています。

山本慎一郎（やまもとしんいちろう）月刊陸上競技　編集部（兼企画営業部）企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg（ピーク時）。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則（2010年日本選手権1500ｍ覇者）と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。