2021.01.08
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第76回「専門誌記者の箱根駅伝」(松永貴允)
学生長距離担当になると、年明けの箱根駅伝が1年でもっとも忙しい時期となります。12月31日と1月1日は家でお休みしますが、2日と3日は早朝から動き出し、そのまま2月号の締め切り(今年は8日)までノンストップです。(つまり、このコラムを書いている時がもっとも忙しい…汗)
今大会は感染症対策の一環でペン記者は箱根・芦ノ湖には行けず、大手町のプレスセンターで一日を過ごしました。そこで各中継所や芦ノ湖のフィニッシュ地点と電話をつなぎ、一部の選手や監督にインタビューします(※電話はプレスセンターのスピーカーとつながっており、リクエストした選手と監督に話が聞ける)。
プレスセンターに入るときは検温、体調管理チェックシートの提出が義務付けられ、今回に限っては1社2名までと人数制限が敷かれました。
(※言わずもがなですが、少しでも密を避けるためです)
月陸では毎年箱根駅伝で全チームの記事を掲載していますが、たった2名で21チームの取材を行うのは不可能な話……。実際にはライターさんに待機してもらい、大会終了後に人海戦術で各校の指揮官や選手に追加の電話orオンライン取材をお願いしました。
では、箱根駅伝当日に専門誌記者はどんな一日を過ごしているのか。今年の具体的なスケジュールをご紹介します。
1月3日の場合
5:30 起床
7:00 大手町のプレスセンター(読売新聞東京本社)に到着
→前日までの情報整理やその日にあげるウェブ記事の準備
8:00~ プレスセンターの大型モニターにてテレビ中継を見る
9:00~ 各区間の中継が終わり次第、電話インタビューが開始(1人あたり5分程度、1区間5人まで※1区と2区は10人まで)
12:00頃 大会終了後にアップするウェブ記事の作成に取り掛かる。
→雑誌に記事を書いてもらうライターさんに担当校を振り分ける。
13:30頃 先頭がフィニッシュ。速報記事を月陸Onlineにアップする。
13:30~14:00 フィニッシュした10区の選手と監督がミックスゾーンを通るため、囲み取材を行う(※なるべく密にならないように注意)
14:00頃 優勝チーム会見(監督、10区選手、主将、主務)
15:00 監督会議がスタート この間に優勝チームの記事を作成
15:30頃 監督会議終了→再び監督の囲み取材
16:00頃 優勝した駒大に月陸2月号恒例「箱根駅伝優勝メンバー座談会」の依頼
→今年は1月5日に実施
17:00 会社へ移動→ライターさんに現場で聞いた選手&監督のコメントを渡す+記事の文量と締め切りを伝える
※その日のうちに雑誌のページ構成を決める(どの大学をカラーページにするか、誰を特集するかなど)
テレビ観戦している間も月陸Twitterで速報をつぶやいたり、ライターさんやカメラマンさんと連絡を取って情報を共有したりと、とにかくやることがたくさん!
しかし、雑誌編集者にとっての箱根駅伝は選手がフィニッシュしてからがスタートなのです。ライターさんに発注した原稿が届き始める5日頃に「花の2区」を迎え、カラーページの入稿を終える6日に「往路のフィニッシュ」を迎えます。
雑誌編集者にとって、大会が終了してからが本格的なスタートなのです…
2月号ではカラー、モノクロ合わせて50ページ近くも箱根駅伝の記事がありますので、それだけの原稿がドドドッと届きます。これをたった数日で捌き、カメラマンさんが撮影した写真を組み合わせ、デザイナーさんに依頼してようやくページが完成します。カラーページの入稿が終われば、今度はモノクロページの入稿に移ります。この頃には「このペースで終わるのか…!?」という不安とも戦うことになりますが、周囲のサポートに助けられながら何とか乗り越えていきます。
そして紆余曲折を経て、本日ようやくすべてのページを入稿し終わりました…。選手から遅れること5日、ようやく私の箱根駅伝がフィニッシュしたのです! 編集部内で「当日変更するなよ」とか「途中棄権はするなよ」とかいじられましたが(笑)、なんとか最後まで走り切りました…!
今回の箱根駅伝は10区の残り2kmで先頭が入れ替わるまさかの事態となり、観ている人がドキドキするような展開だったのではないでしょうか。その分、雑誌の内容も非常に充実したものになっています。優勝した駒大はもちろん、シード校からオープン参加の学生連合まで21チームの記事を用意していますのでお楽しみに!
それ以外にも2月号では全国高校駅伝やニューイヤー駅伝など、主要駅伝の特集が満載!(もちろん、トラック&フィールドのインタビュー記事もあります)
発売は1月14日です! ボリューム満点の月刊陸上競技2月号をぜひご覧になってください!
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。 |
編集部コラム第75回「データで見る箱根駅伝当日エントリー変更」(大久保)
編集部コラム第74回「2020年を振り返って」(井上)
編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
編集部コラム第72回「陸上競技のイメージを変えたい」(向永)
編集部コラム第71回「2020年ラストスパート!!」(小川)
編集部コラム第70回「理不尽なこと」(船越)
編集部コラム第69回「這い上がる」(松永)
編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第67回「都大路も高速レースの予感」(井上)
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第76回「専門誌記者の箱根駅伝」(松永貴允)
学生長距離担当になると、年明けの箱根駅伝が1年でもっとも忙しい時期となります。12月31日と1月1日は家でお休みしますが、2日と3日は早朝から動き出し、そのまま2月号の締め切り(今年は8日)までノンストップです。(つまり、このコラムを書いている時がもっとも忙しい…汗) 今大会は感染症対策の一環でペン記者は箱根・芦ノ湖には行けず、大手町のプレスセンターで一日を過ごしました。そこで各中継所や芦ノ湖のフィニッシュ地点と電話をつなぎ、一部の選手や監督にインタビューします(※電話はプレスセンターのスピーカーとつながっており、リクエストした選手と監督に話が聞ける)。 プレスセンターに入るときは検温、体調管理チェックシートの提出が義務付けられ、今回に限っては1社2名までと人数制限が敷かれました。 (※言わずもがなですが、少しでも密を避けるためです) 月陸では毎年箱根駅伝で全チームの記事を掲載していますが、たった2名で21チームの取材を行うのは不可能な話……。実際にはライターさんに待機してもらい、大会終了後に人海戦術で各校の指揮官や選手に追加の電話orオンライン取材をお願いしました。 では、箱根駅伝当日に専門誌記者はどんな一日を過ごしているのか。今年の具体的なスケジュールをご紹介します。 1月3日の場合 5:30 起床 7:00 大手町のプレスセンター(読売新聞東京本社)に到着 →前日までの情報整理やその日にあげるウェブ記事の準備 8:00~ プレスセンターの大型モニターにてテレビ中継を見る 9:00~ 各区間の中継が終わり次第、電話インタビューが開始(1人あたり5分程度、1区間5人まで※1区と2区は10人まで) 12:00頃 大会終了後にアップするウェブ記事の作成に取り掛かる。 →雑誌に記事を書いてもらうライターさんに担当校を振り分ける。 13:30頃 先頭がフィニッシュ。速報記事を月陸Onlineにアップする。 13:30~14:00 フィニッシュした10区の選手と監督がミックスゾーンを通るため、囲み取材を行う(※なるべく密にならないように注意) 14:00頃 優勝チーム会見(監督、10区選手、主将、主務) 15:00 監督会議がスタート この間に優勝チームの記事を作成 15:30頃 監督会議終了→再び監督の囲み取材 16:00頃 優勝した駒大に月陸2月号恒例「箱根駅伝優勝メンバー座談会」の依頼 →今年は1月5日に実施 17:00 会社へ移動→ライターさんに現場で聞いた選手&監督のコメントを渡す+記事の文量と締め切りを伝える ※その日のうちに雑誌のページ構成を決める(どの大学をカラーページにするか、誰を特集するかなど) テレビ観戦している間も月陸Twitterで速報をつぶやいたり、ライターさんやカメラマンさんと連絡を取って情報を共有したりと、とにかくやることがたくさん! しかし、雑誌編集者にとっての箱根駅伝は選手がフィニッシュしてからがスタートなのです。ライターさんに発注した原稿が届き始める5日頃に「花の2区」を迎え、カラーページの入稿を終える6日に「往路のフィニッシュ」を迎えます。
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。 |
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