編集部コラム「国立競技場」

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第22回「国立競技場(小川雅生)

2019年も、残すところあとわずか。つまり、いよいよ2020年がやってくるということです!

2019年最終回……の1回前の担当ということですが、2020年に向けてテンションが一気に上がる出来事がありましたので、その話題を。

11月30日、国立競技場が竣工し、12月15日に報道陣に公開されました。

ついに完成した国立競技場

やはり、国立が完成すると「いよいよ」という実感が沸いてきます。前の国立競技場(以下、旧国立)が取り壊され、新たに建設されることが決まるまでも、決まってからも、いろんな話題がありました。

しかし、陸上競技にとってはやはり国立は〝聖地〟なのだと、完成して改めて感じます。マラソンと競歩は残念ながら札幌に移りましたが、2020年東京五輪の陸上競技のメインスタジアムはこの国立競技場です。

思い起こせば、初めて聖地に足を踏み入れたのは2000年9月のことです。日本インカレの取材だったのですが、あの時の感動は、今でも忘れません。

当時は大学を卒業後、地元で〝アルバイト・ライター〟をやっていた頃で、現在も指導を仰ぐ上司から言われ、単身では初上京。「黄色い電車(総武線)に乗って来い」という指示に従い、千駄ヶ谷駅にたどり着きました。

人の流れに乗って歩いて行くと、すぐにその姿が見えてきました。外観だけで、すでに〝オーラ〟を感じました。そこから文字通り恐る恐る場内へ……

一瞬、時が止まりました。

言葉を扱う仕事をしているくせに、その時の感情をうまく表現することができないのですが、とにかく一瞬、立ち尽くしました。トラックが、芝生が、スタンドが醸し出す歴史の重みに圧倒されたような感じと言えばいいでしょうか。

しかも、その時の日本インカレは、2日目に天皇・皇后両陛下のご臨席を仰いだ「天覧試合」。日本インカレとしては50年ぶりの神聖な大会だったのです。

そんな貴重な大会に立ち会えた上、両陛下がご観覧された日は、シドニー五輪代表に内定している選手たちがとてつもない〝記録ラッシュ〟。

男子100mでは川畑伸吾選手(法大)が当時学生新の10秒11、末續慎吾選手(東海大)が10秒19をマーク。男子400mハードルでは為末大選手(法大)が大会新の48秒84。男子4×100mリレーでは早大のアンカー・小島茂之選手が2チームを逆転する爆走で38秒91の学生新Vゴール…などなど。

とにかく、いろいろと圧倒された大会でした。

初めて旧国立競技場に入った日本インカレは天覧試合、男子100mをはじめ好記録ラッシュなどなどいろんな意味で圧倒されました

アスリートに限らず、旧国立への思い入れ、思い出がある人はおそらくたくさんいるでしょう。そういった1人ひとりの思い出が、旧国立の〝オーラ〟となっていたのだと思います。

新しくなった国立競技場も、いろいろな人たちの心の中に刻まれるスタジアムとなるでしょう。陸上競技だけでなく、日本スポーツ界の聖地として、東京五輪、そしてその後の歴史を刻み続けてほしいものです。

ちなみに、私は報道陣への初公開の際には行けなかったのですが、チャンスが巡ってきそうです。あの日本インカレから19年。今度はどんな感動が待っているでしょうか。

2014年のゴールデングランプリ東京以来、5年ぶりの国立競技場取材。やっぱり国立は特別な場所です!

小川雅生(おがわ・まさお)
月刊陸上競技編集部 部長
1977年7月12日生まれ、後厄の42歳。173cm、71kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重と尿酸値(8.9)の短縮。

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