HOME 編集部コラム

2020.02.28

編集部コラム「記録と順位」
編集部コラム「記録と順位」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド

リレーコラム🔥

毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第31回「記録と順位(山本慎一郎)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各地のロードレースや競技会が中止や縮小を余儀なくされています。トラックシーズンの開幕を控えるアスリートのみなさんも、万全の状態でシーズンインを迎えられるよう願っています。

そんな中で大会の規模を縮小して開催されるのが3月1日(日)の東京マラソンです。今回はレベルの高い参加標準記録を突破した「エリート」枠と招待選手のみが出走できることになり、前身である「東京国際マラソン」を思い起こさせるような大会となりそうです。

昨年の東京マラソンは雨でした

最近の長距離界は競技結果もそうですが、シューズにも注目が集まっています。その中心にいるのは何と言ってもナイキの厚底シューズですが、ここにきて他社も追撃態勢を整えつつあります。東京五輪を見据えて新作が続々と発表されており、徐々に勢力図が変わるかもしれません。

以下が主要メーカーが発表しているトップモデルです。

・アシックス:METARACER(メタレーサー)

・アディダス:adizero Pro(アディゼロ プロ)

・オン:Cloudflash(クラウドフラッシュ)

・ナイキ:エア ズーム アルファフライ ネクスト%

・ブルックス:ハイペリオンエリート

・ミズノ:ウェーブデュエルシリーズ ※詳細は未発表

・ニューバランス:FuelCell(フューエルセル) RC Elite

・ホカオネオネ:Carbon X(カーボンエックス)

・リーボック:フロートライド ラン ファスト プロ

シューズの飛躍的な進化によって、過去の記録との比較がしづらくなる面はあるかもしれません。しかし、シューズに関するルールが世界陸連から発表された以上、この勢いはしばらく止まらないでしょう。今はマラソンやロードレースという種目が変わっていく転換期なのだと感じます。

それでも、「記録」は気象条件やテクノロジーなどさまざまな要素が関係しますが、「順位」は不変のものです。同じ舞台で勝負をして、勝った者が強い。どんなに時代が流れても、「この大会で何位だった」という事実が変わることはありません。たとえ記録水準が低くても、同じ舞台に立たない限りは白黒はつけられないものです。だから勝者は称えられるのです。

東京の後も、マラソンは名古屋ウィメンズとびわ湖が続きます。東京五輪の選考レースである以上、どうしても記録に目が行きがちではありますが、その大会ごとの「勝者」に敬意を表する姿勢を忘れてはいけないなと感じます。

山本慎一郎(やまもとしんいちろう)
月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長
1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、取材の際にはいつも選手の足元が気になってしまう。

 
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第31回「記録と順位(山本慎一郎)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各地のロードレースや競技会が中止や縮小を余儀なくされています。トラックシーズンの開幕を控えるアスリートのみなさんも、万全の状態でシーズンインを迎えられるよう願っています。 そんな中で大会の規模を縮小して開催されるのが3月1日(日)の東京マラソンです。今回はレベルの高い参加標準記録を突破した「エリート」枠と招待選手のみが出走できることになり、前身である「東京国際マラソン」を思い起こさせるような大会となりそうです。 昨年の東京マラソンは雨でした 最近の長距離界は競技結果もそうですが、シューズにも注目が集まっています。その中心にいるのは何と言ってもナイキの厚底シューズですが、ここにきて他社も追撃態勢を整えつつあります。東京五輪を見据えて新作が続々と発表されており、徐々に勢力図が変わるかもしれません。 以下が主要メーカーが発表しているトップモデルです。 ・アシックス:METARACER(メタレーサー) ・アディダス:adizero Pro(アディゼロ プロ) ・オン:Cloudflash(クラウドフラッシュ) ・ナイキ:エア ズーム アルファフライ ネクスト% ・ブルックス:ハイペリオンエリート ・ミズノ:ウェーブデュエルシリーズ ※詳細は未発表 ・ニューバランス:FuelCell(フューエルセル) RC Elite ・ホカオネオネ:Carbon X(カーボンエックス) ・リーボック:フロートライド ラン ファスト プロ シューズの飛躍的な進化によって、過去の記録との比較がしづらくなる面はあるかもしれません。しかし、シューズに関するルールが世界陸連から発表された以上、この勢いはしばらく止まらないでしょう。今はマラソンやロードレースという種目が変わっていく転換期なのだと感じます。 それでも、「記録」は気象条件やテクノロジーなどさまざまな要素が関係しますが、「順位」は不変のものです。同じ舞台で勝負をして、勝った者が強い。どんなに時代が流れても、「この大会で何位だった」という事実が変わることはありません。たとえ記録水準が低くても、同じ舞台に立たない限りは白黒はつけられないものです。だから勝者は称えられるのです。 東京の後も、マラソンは名古屋ウィメンズとびわ湖が続きます。東京五輪の選考レースである以上、どうしても記録に目が行きがちではありますが、その大会ごとの「勝者」に敬意を表する姿勢を忘れてはいけないなと感じます。
山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、取材の際にはいつも選手の足元が気になってしまう。
  編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永) 編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川) 編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越) 編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永) 編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保) 編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上) 編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本) 編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本) 編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永) 編集部コラム第22回「国立競技場」(小川) 編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越) 編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永) 編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保) 編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上) 編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本) 編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永) 編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川) 編集部コラム第14回「初陣」(船越) 編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永) 編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保) 編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上) 編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本) 編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永) 編集部コラム第8回「アナウンス」(小川) 編集部コラム第7回「ジンクス」(船越) 編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永) 編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保) 編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上) 編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本) 編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永) 編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.11

DLファイナルに「ジェシー・オーエンス・ライジング・スター賞」創設 23歳以下の若手優秀選手男女各1名を表彰

ダイヤモンドリーグの大会事務局は9月10日、今年のダイヤモンドリーグ・ファイナル(9月13~14日)から若手優秀選手に贈られる新たな賞「ジェシー・オーエンス・ライジング・スター賞」を創設したことを発表した。 対象は23歳 […]

NEWS 編集部コラム「パリは燃えているか」

2024.09.11

編集部コラム「パリは燃えているか」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 東日本女子駅伝が今年の第39回大会をもって終了 多くの長距離ランナーを輩出

2024.09.11

東日本女子駅伝が今年の第39回大会をもって終了 多くの長距離ランナーを輩出

東日本女子駅伝の主催者は9月11日、今年の第39回大会を最後に大会を終了することを発表した。 同大会は1983年から都道府県対抗女子駅伝が始まったことを受け、1984年11月に第1回東北・北海道女子駅伝がスタート。翌年か […]

NEWS サンベルクス退社の大津顕杜が中央発條に加入 「納得のいく陸上人生を歩みたい」

2024.09.11

サンベルクス退社の大津顕杜が中央発條に加入 「納得のいく陸上人生を歩みたい」

中央発條は9月10日、大津顕杜が新たに加入したことを発表した。 大津は1991年生まれの32歳。熊本・千原台高から東洋大に進み、14年の箱根駅伝では大会MVPに贈られる金栗四三賞にも選出された。 大学卒業後はトヨタ自動車 […]

NEWS 福岡国際マラソン申込者の氏名や住所など個人情報漏洩 主催の実行委員会が「深くお詫び」と謝罪

2024.09.11

福岡国際マラソン申込者の氏名や住所など個人情報漏洩 主催の実行委員会が「深くお詫び」と謝罪

福岡国際マラソン実行委員会(日本陸連、福岡陸協、福岡県で構成)は9月11日、福岡国際マラソン2024(12月1日開催)への申込者の個人情報が漏洩したと発表した。同実行委員会は「本大会にお申し込みいただいた皆様及び関係の皆 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年9月号 (8月9日発売)

2024年9月号 (8月9日発売)

速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!

page top