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編集部コラム「TOKYO 2020の喜劇」

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★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム
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第113回「TOKYO 2020の喜劇(小川雅生)


つわものたちが夢のあと…

2ヵ月前の昨日、東京五輪の開会式が行われたのかと思うと、月日が経つのは本当に早いものです。年をとると余計にそう思ってしまうのですが……。先日、私が編集部に入ってまる20年となりました。年取ったわけだわ(苦笑)。

今回は、2ヵ月経っても昨日のことのように思い出す東京五輪で、本誌には書けなかった裏話を少々。ちなみに札幌のすったもんだは、すでにこちらでばらしたヤツがいるので、それ以外の〝ネタ〟をご紹介したいと思います。

●勝負ポイントは「午前10時」

東京五輪の朝は早い! 国立競技場で行われた9日間のうち、7日は午前9時~9時10分に競技開始。後半3日間は5時半(男子50㎞競歩)、6時(女子マラソン)、7時(男子マラソン)とさらに早く、締め切りも重なって後半3日間はほぼ起きてました(笑)。

とはいえ、後半3日間はレース中はほぼテレビで状況をチェックしていたので、涼しい場所にいることができました。

しかし、7日目までは国立競技場の記者席での取材。連日の酷暑にいかに耐えるかが、大きな課題でした。初日から凍ったスポーツドリンクなど水分はしっかりと確保して臨みましたが、飲んだそばから汗となって吹き出します。選手の取材でミックスゾーンに下りる時が、実は涼みに行けるタイミング。ミックスゾーンも決して涼しくはないのですが(ボランティアの人たちは『暑い、暑い』と言っていました)、スタンドと比べれば天国のような場所。ここで、選手たちの力強いコメントなどで英気を養い、再びスタンドへと戻るのです。

ただ、この暑さとの戦いにもポイントがあります。それが「午前10時」。メインスタンドにかかる影が、ちょうどこの時に記者席のあるところまで下りてきてくれるのです。日差しを直接受けないだけで、全然違いますよね。毎日、この時間になるのが待ち遠しくて待ち遠しくて……日陰になったら「よっしゃ、今日も勝った」などとつぶやいていました。

それにしても、コンビニの凍らせたスポーツドリンクには本当にお世話になりました。初日に気がついて良かった(汗)。

●寒さとの戦い

これは、国際大会取材のあるあるです。日本だからといって、それは変わりません。とにかく、プレスのワーキングルームは冷房がガンガン効いているので、めちゃくちゃ寒い! スタンドとの気温差がすごいので、長袖が必須。熱々のコーヒーが美味いのなんの。

場所取りも欠かせません。空調の吹き出し口近くに座ると、風が直接当たってさらに凍えます。朝は比較的空いているので、1日の取材は天井をチェックしながら席を選ぶところから始まっていました。

●ディナーは「焼きそば」と「ほうれん草」

取材は体力勝負なので、しっかり食べることも仕事の1つ(?)。なのですが、締め切りに間に合わせるためには1分1秒でも惜しいタイミングがあります。なので、夜は競技開始前に簡単に済ませることがほとんどでした。

国立競技場のすぐ近くにあるコンビニで買い込むことも多かったのですが、もっとも利用したのはスタンドの売店。私、スタジアムの売店って結構好きで、なかでも焼きそばをよく食べます。いろんなスタジアムの焼きそばを食べてきたので、そのうちランキングでもつけようか……などと冗談半分に話しているほど、結構お世話になっています。今回は1週間で3回も。

ただ、それだけでは栄養が偏るので、野菜不足解消のために妻に持たされたものが乾燥野菜の「ほうれん草」。コンビニで豚汁や具沢山味噌汁を買い、このほうれん草を足して飲む。これで、野菜はバッチリ!

そして、これにおにぎりをつければ焼きそば定食の完成!! なのですが、さすがにそれは食べ過ぎと思って、1回しかやっていません。え? やってるやん? 関西人としては、焼きそばとごはんと味噌汁はセットなもので。

●国立からの札幌、からの国立

ロード種目が札幌の移転したことで、大会終盤の取材スケジュールには頭を悩ませました。そこで出した結論が、陸上7日目(8月5日)の午前セッションを終えて札幌の移動し、男子20㎞競歩を取材。さらに翌日の男子50㎞競歩を取材したあと、国立競技場に戻って来るという、約26時間の弾丸ツアーでした。女子20㎞競歩、男女マラソンは各所にコメントの提供をお願いして、レースはテレビでチェックすることで何とかカバーしました。

東京も暑かったのですが、札幌も暑かった! 男子20㎞競歩ではあんなこともありましたし、テイクアウトしようと思った札幌駅地下街の回転寿司屋がタッチの差で8時を過ぎて閉店。男子50㎞競歩ではプレスセンター内に缶の飲み物を持ち込みができず、近くのコンビニで買ったエナジードリンクを一気飲み。

札幌からの東京では、やっぱり東京のほうが暑かった! 毎日通った外苑前駅から国立競技場への道のりが、いつも以上に遠く感じたのは気のせいではないんです……きっと。

 ◇  ◇  ◇

こうして振り返ってみると、とにかく取材をし、記事を書き、ページを作り続けた10日間だったので、それ以外の記憶がほとんどないです(笑)。いつもなら、全競技が終わったら仲間内で記念撮影をしたり、トラックに下りてみたりして、〝つわものたちの夢のあと〟的に余韻に浸ることが多いのですが、最終日には男子マラソンが控えていましたし、「締め切りまであと15時間……」なんてことばかり考えてながら、編集部にスタスタ帰りました。

でも、記念に国立競技場の写真だけは撮りました。テレビ局ブースの隣なので、見覚えのある景色かもしれませんね。

開催前も、開催中も、本当にさまざまなことが起こりましたが、2021年夏に「TOKYO 2020」が開催されたという事実を、それだけで終わらせてはいけないと思っています。日本陸上界だけでなく日本のスポーツ界全体が、この夏をきっかけにさらに発展していけるようにならなければなりません。

大会前は、盛んに「レガシー」という言葉が使われていました。コロナ禍ということも含め、あらゆる角度からこの大会を検証し、歴史に残すこともその1つ。すでに、多くの選手たちが新たなスタートを切っています。我々も、動き出さなといけません。五輪の余韻が消えないうちに。

小川雅生(おがわ・まさお)
月刊陸上競技編集部 部長
1977年7月12日生まれ、44歳。173cm、67kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重の短縮は達成し、自己新を出した尿酸値もドーピングにより改善。来季は現状を安定させることが目標。

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