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編集部コラム「誰がために月陸はある」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第100回「誰がために月陸はある(向永拓史)

このコラムがついに100回目らしいです。よくここまで続いたなーって。言い出しっぺはこの私。ただでさえ忙しそうにしている編集部に、「毎週コラムを書こう!」「みんなにどんな人が作っているのか知ってもらおう!」と無茶ぶり。その私に100回目が回ってくるのも何かの縁か。
(人数を考えれば当たり前で、ただの順番)

まぁ、続けてみたものの、こんなの誰が読んでいるかわかりませんから、いつ止めたっていいんですよ。今まで忘れそうになったり、日にちまたいだりして、途切れそうになったこと何回もあるし。それでも続けていれば、誰か見てくれたり、ちょっと月陸おもしそうだぞって思ってくれたり。そんなふうになればいいなと。

ちなみに、コラムは始まって2年程度ですが、『月陸』はすごいですよ。なんて言ったって1967年に創刊。54歳ですね。私は陸上競技をしていたわけではないので、陸上の専門誌があるのをしったのはこの業界に入ってから。前の職場時代から、取材先に行くたびに「陸マガ、月陸を何十年も前から買っているよ」という声をたくさん聞きました。「あ、この本は絶対に手を抜いて作ってはいけないのだ」。そう肝に銘じて、ここまで10年くらい携わってきました。それだけ、陸上界にとって専門誌とは大きなものだと思っています。

でも、近年は役割も大きく変わってきています。情報や動画はインターネット上であふれ、中高生はもちろん、多くの人が「雑誌離れ」をし、そもそも書店さんもなくなって。実際、みんなどこで情報を得ているのかな?と思うほど。ってか、情報いらないの?って。

月陸もウェブメディアを立ち上げて、まだまだ至らない点ばかりだけど、各ネットニュースに記事を配信。スピードでは大手に勝てなくても、ある程度、専門誌らしい記事を、かつライト層に知ってもらえるような記事を作れればと思っています。より充実したコンテンツにしていきたいですが、ネットってお金に換えるのが本当に難しい。記事は無料ですからね。

もちろん、本職は雑誌。そこを充実、存続させていくためにもネットと共存・共栄をしていくのが目標です。もっと深い記事読みたいな、もっといい写真見たいな、そんな声が増えるようにネットを活用しています。

しかし、専門誌の役割や価値が変わっているのは間違いありません。なんせ1ヵ月に1回だと、試合も含めて取り扱うタイミングが非常に難しいので…。

かつては専門誌に名前が載ることが目標だったと思います。それが今は、あまり掲載されることに価値や意味が見出せてもらえないのかなーと思うことも。

SNSやYouTubeで自らを発信する選手も増えました。それ自体は素晴らしいことですが、「自分の声で届けた方がちゃんと伝わる」と言われてしまうとすごく寂しい気持ちになります。少なくとも、私たちは取材対象者の魅力や素晴らしさを第三者の目を通すことでより輝かせて、読者・世間に届けたいと思っています。でも、それが力不足もあって輝かせていなかったのかな、と。「専門誌に載るよりSNSで取り上げられた方がうれしいのでは」なんて言われたことも。

雑誌もなかなか売れない(いや、たくさん買っていただいているんですが、以前よりは)。書店さんも減った。他社が上げるネットの軽い記事のほうがアクセス数は伸びる。そもそも中高生はTwitterも最近はやらない。本を買わない、知らない。「自分から発信したほうがいい」という選手もいる。だから、最近思うんです。

「誰のために作っているんだろう」

わからなくなる時があります。「読者の役に立つ」「陸上界の役に立つ」「選手に喜んでもらう」こう思ってやっているんですが、届かない。人のせいばかりじゃないんですよ。届ける努力、魅力ある誌面作りの努力が不足していることも含めて。いろいろ難しいなって。特に「知ってもらう努力」「届ける努力」はこれまで長い間怠っていた部分。「陸上をしている人なら知っているでしょ」って。これがいけませんでしたね。

雑誌の価値が落ちた、とまでは言いたくありませんが、変わってきているのは確か。選手に「取り上げられたい」と思ってもらえるように、「月陸すごいな」ってまた思ってもらえるように。いろいろ逡巡することはあります。でも、結局最後は、原点に戻って、いいものを作って、ちゃんと伝えて、知ってもらう。これしかないなーと。コツコツやっていれば、いつか実を結ぶと信じながら。

そういえば、山縣亮太選手は5月の水戸招待で予選8.3m、決勝4.7mの向かい風を走ったあとにこんな言葉を残しています。

「(風に恵まれないのは)よくあること。練習を頑張っていれば運(風)が味方してくれると思う」

これまでも結構、風に泣かされてきた山縣選手。6月6日、9秒95の布勢スプリントは追い風2.0mでした。そういうことなんだなーって。

だから、コツコツ、継続して、積み上げる。「誰がために月陸があるのか」。これを忘れず。人生三十ウン年目も、陸上記者人生11年目も、月陸55年目も、月陸Online2年目も。コツコツ、頑張る。「選手たちの積み上げてきたコツコツ」を伝えていけるように。

ここまで読んできたみなさん、大変ありがたいですが、こんなしょーもないの読むより日本選手権の月陸Online記事でも読んで午後を楽しみに待ってくださいね。さっき書いた山縣選手を筆頭に、積み上げて、積み上げて、積み上げてきた人たちが戦う日本選手権2日目が始まりますから。100回目のコラムの日が運命の100m決勝なんて何かあるのかな?(何もない)

そういえばこのコラムは誰のために書いてるんだっけ。誰も読んでないよね? 続けるんかな? 101回目、あるんかな? もうよくない?

向永拓史(むかえ・ひろし)
月刊陸上競技編集部 新米編集部員
1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。尊敬する人はカズ、尾崎豊、宮本輝、本田宗一郎。

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