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2020.06.05

編集部コラム「陸上競技と関わり続ける」
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第45回「陸上競技と関わり続ける(山本慎一郎)

緊急事態宣言が解除され、ようやくコロナウイルス感染も拡大が収束しつつあります。
しかし、この間に社会活動は縮小を余儀なくされ、陸上界もインターハイと全中の中止が決まるなど、大きな痛手を受けました。
インターハイと全中は秋のU20&U18日本選手権を中高生の大会と位置づけることが日本陸連から発表されましたが、すでに引退を決めた中高生も大勢いることと思います。

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そこで今回は、高校、大学を卒業した後も陸上競技と関わりたいという方に向けて、卒業後の「陸上競技との関わり方」にどのようなものがあるか紹介します。

高校卒業後に陸上競技とどう関わるかはさまざまな形がある

■競技を続ける場合
まず一番の選択としては、高校を卒業した後も競技を続けるかどうかでしょう。続ける人は大学、実業団、地域のクラブチームなどに所属して活動するか、個人で都道府県陸協に登録して試合に出るという方法があります。

どの団体に所属するかで大会の種類が変わってきます。大学であればインカレや学生駅伝が、実業団であれば全日本実業団選手権や実業団駅伝がありますが、個人登録だとそれらの大会には出られません。

そういう意味では、全国レベルの選手ではないけど本格的に競技を続けたい、という場合は大学に進学するのが無難かもしれません。大学の場合は「体育会」と「サークル」で分かれている場合が多く、サークルの場合はインカレには出られませんが、サークル同士での対校戦や駅伝などもあり、モチベーションは維持しやすい環境です。

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では、競技を引退した場合はどのように陸上競技と関われるでしょうか。
これはかなりの選択肢があります。

■ドクター、トレーナー
まずは、アスリートを「支える側」に回ることです。スポーツドクターやスポーツトレーナーの道に進むと、仕事としてアスリートと関わる機会が多くなります。実力が評価されれば、強豪校の遠征に帯同したり、日本代表チームのサポートを任されたりするかもしれません。陸上界と深く、長く関わりやすい仕事と言えます。

■指導者(教員、コーチ)
指導者になるのも陸上競技と長く関われる仕事の1つです。指導者と言えば中学・高校の教員が一般的ですが、最近はクラブチームが増えてきたのでコーチになるという選択肢が生まれました。
どちらも採用人数が限られたり、専門的な知識や経験が必要となる場合が多いため、簡単にはなれる仕事ではありませんが、もしなれたらやりがいは大きいでしょう。

■スポーツメーカー
陸上に限らずスポーツに関わりたい方は、スポーツメーカーに就職するという選択肢があります。陸上競技担当になれるかは運次第なところもありますが、オリンピックや世界陸上といった国際大会に仕事として行けるチャンスもあるでしょうし、自社と契約しているアスリートのサポート役を務める場合もあります。何らかの形でスポーツに関われるのは大きな魅力でしょう。

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■マスコミ関係
ほかに陸上界と関わりやすい仕事と言えば「伝える」仕事があります。地方のテレビ局や新聞社の記者になると、陸上競技の取材ができる可能性は高いように感じます。逆に、全国規模の会社は役割が細分化されているため、陸上競技を担当できるかどうかは運と実力次第で、一度も担当できないというケースもありそうです。

弊社のような陸上競技専門誌のスタッフであれば間違いなく陸上には関われますが、活動できる人数に限りがあり、新卒採用などはしていないのが一般的なので、入れるかどうかは運とタイミングによります(仕事の内容は過去のコラムでも紹介しています)。

あまり知られていないところでは、広告代理店やイベント会社でもスポーツと関われる可能性があります。オリンピックや箱根駅伝など大きな大会は広告代理店が関わっていますし、大会を運営するにはイベント会社の協力もあります。多くの業務がある中で陸上競技担当になれる確率は低いかもしれませんが、参加するのとは違った立場で大会に関われたらおもしろいと思います。

■公務員
これも運次第ではありますが、自治体職員になることでスポーツと関われる可能性もあります。自治体にはマラソン大会の運営などに備えてスポーツや健康関連の部署があることが多いため、そこに配属された場合は陸上競技と接点が持てるかもしれません。

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■陸協役員、審判
最後に、地域陸協に審判登録することでボランティアとして審判をする道があります。これは仕事ではありませんが、希望すればできることであり、自分がお世話になった陸上競技への恩返しにもなります。

箱根駅伝も地元である東京・神奈川の陸協に登録している多くの役員が運営を手伝っている

以上、思いつくままに紹介しましたが、他にも陸上競技と関われる仕事はたくさんあります。指導者など陸上界に詳しい人に相談をしてみると、新たな道が発見できるかもしれません。

先日、このWebサイトでも日本学連に加盟している全国の大学リストを公開しました。こちらも進路を考える上で検討材料になると思います。

今後も陸上競技に関わりたいという方の参考になれば幸いです。

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山本慎一郎(やまもとしんいちろう)
月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長
1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、取材の際にはいつも選手の足元が気になってしまう。

編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
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編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
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編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
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編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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緊急事態宣言が解除され、ようやくコロナウイルス感染も拡大が収束しつつあります。 しかし、この間に社会活動は縮小を余儀なくされ、陸上界もインターハイと全中の中止が決まるなど、大きな痛手を受けました。 インターハイと全中は秋のU20&U18日本選手権を中高生の大会と位置づけることが日本陸連から発表されましたが、すでに引退を決めた中高生も大勢いることと思います。 そこで今回は、高校、大学を卒業した後も陸上競技と関わりたいという方に向けて、卒業後の「陸上競技との関わり方」にどのようなものがあるか紹介します。 高校卒業後に陸上競技とどう関わるかはさまざまな形がある ■競技を続ける場合 まず一番の選択としては、高校を卒業した後も競技を続けるかどうかでしょう。続ける人は大学、実業団、地域のクラブチームなどに所属して活動するか、個人で都道府県陸協に登録して試合に出るという方法があります。 どの団体に所属するかで大会の種類が変わってきます。大学であればインカレや学生駅伝が、実業団であれば全日本実業団選手権や実業団駅伝がありますが、個人登録だとそれらの大会には出られません。 そういう意味では、全国レベルの選手ではないけど本格的に競技を続けたい、という場合は大学に進学するのが無難かもしれません。大学の場合は「体育会」と「サークル」で分かれている場合が多く、サークルの場合はインカレには出られませんが、サークル同士での対校戦や駅伝などもあり、モチベーションは維持しやすい環境です。 では、競技を引退した場合はどのように陸上競技と関われるでしょうか。 これはかなりの選択肢があります。 ■ドクター、トレーナー まずは、アスリートを「支える側」に回ることです。スポーツドクターやスポーツトレーナーの道に進むと、仕事としてアスリートと関わる機会が多くなります。実力が評価されれば、強豪校の遠征に帯同したり、日本代表チームのサポートを任されたりするかもしれません。陸上界と深く、長く関わりやすい仕事と言えます。 ■指導者(教員、コーチ) 指導者になるのも陸上競技と長く関われる仕事の1つです。指導者と言えば中学・高校の教員が一般的ですが、最近はクラブチームが増えてきたのでコーチになるという選択肢が生まれました。 どちらも採用人数が限られたり、専門的な知識や経験が必要となる場合が多いため、簡単にはなれる仕事ではありませんが、もしなれたらやりがいは大きいでしょう。 ■スポーツメーカー 陸上に限らずスポーツに関わりたい方は、スポーツメーカーに就職するという選択肢があります。陸上競技担当になれるかは運次第なところもありますが、オリンピックや世界陸上といった国際大会に仕事として行けるチャンスもあるでしょうし、自社と契約しているアスリートのサポート役を務める場合もあります。何らかの形でスポーツに関われるのは大きな魅力でしょう。 ■マスコミ関係 ほかに陸上界と関わりやすい仕事と言えば「伝える」仕事があります。地方のテレビ局や新聞社の記者になると、陸上競技の取材ができる可能性は高いように感じます。逆に、全国規模の会社は役割が細分化されているため、陸上競技を担当できるかどうかは運と実力次第で、一度も担当できないというケースもありそうです。 弊社のような陸上競技専門誌のスタッフであれば間違いなく陸上には関われますが、活動できる人数に限りがあり、新卒採用などはしていないのが一般的なので、入れるかどうかは運とタイミングによります(仕事の内容は過去のコラムでも紹介しています)。 あまり知られていないところでは、広告代理店やイベント会社でもスポーツと関われる可能性があります。オリンピックや箱根駅伝など大きな大会は広告代理店が関わっていますし、大会を運営するにはイベント会社の協力もあります。多くの業務がある中で陸上競技担当になれる確率は低いかもしれませんが、参加するのとは違った立場で大会に関われたらおもしろいと思います。 ■公務員 これも運次第ではありますが、自治体職員になることでスポーツと関われる可能性もあります。自治体にはマラソン大会の運営などに備えてスポーツや健康関連の部署があることが多いため、そこに配属された場合は陸上競技と接点が持てるかもしれません。 ■陸協役員、審判 最後に、地域陸協に審判登録することでボランティアとして審判をする道があります。これは仕事ではありませんが、希望すればできることであり、自分がお世話になった陸上競技への恩返しにもなります。 箱根駅伝も地元である東京・神奈川の陸協に登録している多くの役員が運営を手伝っている 以上、思いつくままに紹介しましたが、他にも陸上競技と関われる仕事はたくさんあります。指導者など陸上界に詳しい人に相談をしてみると、新たな道が発見できるかもしれません。 先日、このWebサイトでも日本学連に加盟している全国の大学リストを公開しました。こちらも進路を考える上で検討材料になると思います。 今後も陸上競技に関わりたいという方の参考になれば幸いです。
山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、取材の際にはいつも選手の足元が気になってしまう。
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