HOME 東京五輪、日本代表、五輪
3大会連続五輪出場の飯塚翔太「準決勝、決勝に進めるようがんばりたい」、リレーへの思いも語る
3大会連続五輪出場の飯塚翔太「準決勝、決勝に進めるようがんばりたい」、リレーへの思いも語る

東京五輪男子200m代表に内定し、3大会連続の五輪出場を決めた飯塚翔太(ミズノ)が代表内定発表が行われた翌日の7月3日、オンラインで会見を行い、「昨日内定をいただいて、日本選手権で結果出せなかった中ですが、チャンスをいただいた。そのチャンスをしっかりと生かしたい。3大会連続ですが、まだ予選を突破できていない。準決勝、決勝に進めるようにがんばりたい」と語った。

日本選手権がまさかの6位に終わった瞬間は、「正直厳しいな、という心構えはしていた」と振り返る飯塚。今季に入る段階では、参加標準記録(20秒24)も切れておらず、世界ランキングでターゲットナンバー内にも入っていない状況だった。そのため、「できるだけ早い段階で標準記録を切って日本選手権に臨もうと、例年よりも1ヵ月ぐらい早めに仕上げていった」(豊田裕浩コーチ)という。その中で、シーズンベストは5月9日のREADY STEADY TOKYOの20秒48(+1.4)にとどまっていた。さらに、試合を重ねた影響で右膝に力が入らない状態にも陥った。

広告の下にコンテンツが続きます

日本選手権までは1ヵ月半。予定していた試合はすべて回避し、コンディショニングに専念したが不安は隠せなかった。とはいえ、そのマイナス思考をプラス思考に転換できるのが飯塚の持ち味。「どっちみちやるしかないという状況だったので、できるだけ良い状態にしていくことだけに集中した」。幸い、「世界ランキング(で出場圏内)を確保できたことが唯一の支え」になったという。

中学時代から全国トップクラスで活躍し、静岡・藤枝明誠高では200mでインターハイ優勝、100mで国体優勝などの実績を残した。そして、中大1年だった2010年には世界ジュニア選手権(現・U20世界選手権)の200mで金メダル。同種目では全カテゴリーを通じて初の世界一に輝いた。

その後も、2012年ロンドン五輪に出場するなど、国際大会で常に日本代表に名を連ねる存在に。リオ五輪の4×100mリレーでは銀メダル獲得に貢献した。今や日本男子スプリント界のリーダー的存在だが、一方で「自分自身に使命感を作ってしまう状況があった」ことも明かす。それでも、「自分が思い切り戦っているという姿を想像して、走りたいという気持ちを作ることができたことで楽になった」り、重圧を乗り越えてきた。

いよいよ迎える3度目の五輪。「ずっと特別な舞台。過去2回は惨敗しているので、リベンジの思いもある」と飯塚は口元を引き締める。目標とする準決勝、決勝進出に向けては、「毎回、五輪では前半で勝負をつけられてしまっている。最初の100mでしっかり勝負する。そこから自分の得意な後半につなげていくために、スピード強化をしていきたい」。

日本選手権では出力を出し切る点で不安を抱えたまま臨んだことで、前半の100m通過が10秒6かかるなど理想のレースにはまだ遠い状態だった。その修正が一番の課題だ。

「しっかりと踏ん張れるようにして、本番にベストの状態で戦えるように準備していていく」

もちろん、個人の結果次第でリレー出場への可能性もあるだろう。「もしそうなれば、自分のやれることをやる。4継でもマイルリレーでも、どっちになっても自分のベストを尽くしたい。4継なら金、マイルなら決勝に行って上位に食い込めるようにしたい。仕事をいただけたら全力を尽くすだけ」と力強く語った。

東京五輪男子200m代表に内定し、3大会連続の五輪出場を決めた飯塚翔太(ミズノ)が代表内定発表が行われた翌日の7月3日、オンラインで会見を行い、「昨日内定をいただいて、日本選手権で結果出せなかった中ですが、チャンスをいただいた。そのチャンスをしっかりと生かしたい。3大会連続ですが、まだ予選を突破できていない。準決勝、決勝に進めるようにがんばりたい」と語った。 日本選手権がまさかの6位に終わった瞬間は、「正直厳しいな、という心構えはしていた」と振り返る飯塚。今季に入る段階では、参加標準記録(20秒24)も切れておらず、世界ランキングでターゲットナンバー内にも入っていない状況だった。そのため、「できるだけ早い段階で標準記録を切って日本選手権に臨もうと、例年よりも1ヵ月ぐらい早めに仕上げていった」(豊田裕浩コーチ)という。その中で、シーズンベストは5月9日のREADY STEADY TOKYOの20秒48(+1.4)にとどまっていた。さらに、試合を重ねた影響で右膝に力が入らない状態にも陥った。 日本選手権までは1ヵ月半。予定していた試合はすべて回避し、コンディショニングに専念したが不安は隠せなかった。とはいえ、そのマイナス思考をプラス思考に転換できるのが飯塚の持ち味。「どっちみちやるしかないという状況だったので、できるだけ良い状態にしていくことだけに集中した」。幸い、「世界ランキング(で出場圏内)を確保できたことが唯一の支え」になったという。 中学時代から全国トップクラスで活躍し、静岡・藤枝明誠高では200mでインターハイ優勝、100mで国体優勝などの実績を残した。そして、中大1年だった2010年には世界ジュニア選手権(現・U20世界選手権)の200mで金メダル。同種目では全カテゴリーを通じて初の世界一に輝いた。 その後も、2012年ロンドン五輪に出場するなど、国際大会で常に日本代表に名を連ねる存在に。リオ五輪の4×100mリレーでは銀メダル獲得に貢献した。今や日本男子スプリント界のリーダー的存在だが、一方で「自分自身に使命感を作ってしまう状況があった」ことも明かす。それでも、「自分が思い切り戦っているという姿を想像して、走りたいという気持ちを作ることができたことで楽になった」り、重圧を乗り越えてきた。 いよいよ迎える3度目の五輪。「ずっと特別な舞台。過去2回は惨敗しているので、リベンジの思いもある」と飯塚は口元を引き締める。目標とする準決勝、決勝進出に向けては、「毎回、五輪では前半で勝負をつけられてしまっている。最初の100mでしっかり勝負する。そこから自分の得意な後半につなげていくために、スピード強化をしていきたい」。 日本選手権では出力を出し切る点で不安を抱えたまま臨んだことで、前半の100m通過が10秒6かかるなど理想のレースにはまだ遠い状態だった。その修正が一番の課題だ。 「しっかりと踏ん張れるようにして、本番にベストの状態で戦えるように準備していていく」 もちろん、個人の結果次第でリレー出場への可能性もあるだろう。「もしそうなれば、自分のやれることをやる。4継でもマイルリレーでも、どっちになっても自分のベストを尽くしたい。4継なら金、マイルなら決勝に行って上位に食い込めるようにしたい。仕事をいただけたら全力を尽くすだけ」と力強く語った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.28

中国陸連にWA加盟連盟賞 世界室内、ダイヤモンドリーグなど開催 競技会、ロードレースには600万人が参加

世界陸連(WA)は11月28日、ワールド・アスレティックス・アワード2025の加盟連盟賞に中国陸連を選出したと発表した。 加盟連盟賞は、年間を通して顕著な功績を挙げ、陸上競技の発展や知名度向上に大きく貢献した加盟連盟を表 […]

NEWS 青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

2025.11.28

青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]

NEWS デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

2025.11.28

デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。創設100周年の節目で初の日本開催だった今回、日本代表は過去最多となる51個のメダルを獲得した。各会場も盛り上がりを見 […]

NEWS 22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

2025.11.28

22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]

NEWS プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top