7月11日、モナコでダイヤモンドリーグ(DL)第10戦となる第39回ヘラクレスが開催され、男子3000m障害で三浦龍司(SUBARU)が8分03秒43の日本新記録で2位に入った。
すでに9月に行われる東京世界選手権の代表に内定している三浦は、1週間前の日本選手権には出場せず、世界のトップ選手との対決を選択。世界大会のメダリストが集う中で、大きな一歩を刻んだ。
19人が出場したレースでは、スタート直後こそ最後方に位置したが、周回を重ねるごとに着実に順位を上げ、1000mを2分43秒9の15位で通過。先頭ではパリ五輪金メダリストのS.エル・バッカリ(モロッコ)が記録を狙って独走態勢に持ち込んでいたものの、三浦は自らのリズムを崩さず冷静に追走した。
2000mを5分56秒5の8番手で通過すると、さらに前を行く選手たちをかわしていき、残り300m地点では2位に浮上。トップを走るエル・バッカリには一時約50mの差をつけられていたが、障害を軽快にクリアし、ラスト50mでは首位に立つ瞬間もあった。優勝したエル・バッカリは8分03秒18で、その差は0.25秒だった。
三浦のこれまでのベストは23年のDLパリで出した8分09秒91。今回の記録は、これを6秒以上更新する2年ぶりの日本新記録となった。世界歴代24位、アジア歴代ではS.S.シャヒーン(カタール)の7分53秒63に次ぐ2位の好タイムであり、今季世界リストでも3位に浮上。9月の東京世界選手権でのメダル争いや、夢の7分台に向けて期待が高まる内容となった。
一方、男子110mハードでは、同じく世界選手権代表に内定している村竹ラシッド(JAL)が出場。1台目からハードルを倒し、中盤でもハードルを引っかけるなど我慢のレースを強いられた。しかし、10台目からフィニッシュまでは最速タイムで追い上げて、13秒17(-0.9)で4位に食い込んだ。
この結果、DLのポイントを5点獲得した村竹は、今季総合24点となり、8月末にスイス・チューリヒで行われるDLファイナルへの初出場を決めた。
レースは今季13秒00をマークしているT.カニンガム(米国)が13秒09で優勝。12秒87のベストを持つC.ティンチ(米国)が13秒14で2位だった。
男子3000m障害 日本歴代10傑+パフォーマンス10傑
8.03.43 三浦龍司(SUBARU) 2025. 7.11 8.09.91 三浦 2 2023. 6. 9 8.09.92 三浦 3 2021. 7.30 8.10.11 三浦 4 2025. 4.26 8.10.52 三浦 5 2024. 7. 7 8.11.72 三浦 6 2024. 8. 7 8.12.41 三浦 7 2024. 8. 5 8.12.65 三浦 8 2022. 9. 8 8.13.06 三浦 9 2022. 8.26 8.13.39 三浦 10 2025. 5.25 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 8.18.93 岩水嘉孝(トヨタ自動車) 2003. 8.23 8.19.52 新宅雅也(ヱスビー食品) 1980. 7. 8 8.19.96 山口浩勢(愛三工業) 2021. 6.26 8.20.09 青木涼真(Honda) 2022. 6.11 8.20.36 新家裕太郎(愛三工業) 2024. 9.29 8.21.6 小山隆治(クラレ) 1974. 6.22 8.22.64 小原響(GMOインターネットグループ) 2025. 6.14 8.23.93 阪口竜平(SGホールディングス) 2021. 5. 9 8.24.68 柴田大地(中大2) 2024. 6.27RECOMMENDED おすすめの記事
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