2025.07.13
◇第109回日本選手権・混成競技(7月12、13日/岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場)2日目
日本選手権混成競技の2日目が行われ、男子十種競技は右代啓欣(エントリー)が7488点の自己新で初優勝を果たした。
38歳になった日本記録保持者・右代啓祐(国士舘クラブ)が7234点で5位入賞を果たした。これで2006年から20年連続で7000点超えという驚異的な記録を続けている。
2日間を終え、「非常にタフな2日間で、今までの十種競技史上、一番疲れました」。暑熱対策もあり、競技日程も何度も変更。世界大会のように日中にブレイクタイムもあるなど、難しい状況にもなった。
それでも、キングはキングだった。国士大での立場も変わり、練習時間も大幅に減ったが、「言い訳にせずやってきた」。砲丸投、円盤投、やり投では全体トップを譲らず。「足は遅いですが、投てきの右代は出せた」と胸を張る。
全体通しても「勝負どころで輝けましたし、技術は抜けないんだな、と。どれだけ工夫して、良さを出せるかが大事。去年よりも良い記録なのは驚いてます」と充実感をにじませる。
今大会、優勝候補1人だった丸山優真(住友電工)が5月末のアジア選手権でのアクシデントがあり、出場を見送った。もう1人、アジア選手権銅メダルの奥田啓祐(ウィザス)は100mで肉離れして途中棄権。国士大の後輩でも岡泰我(染めQ)もフルで戦えず、日本インカレVの松下怜(順大)も途中棄権した。
「後輩たちが続々とケガをして抜けていった。この年齢でも戦い抜く姿を見せられたし、国士舘の学生達も頑張ってほしい」とする一方、「僕は日本選手権でほとんどケガをしていない。この試合に合わせてどれだけ準備できるか。ケガをすることにも、ケガをしないことにも理由がある。残念だったね、で終わらせずに、なぜ勝負できなかったかを感じてほしい」と右代。自分を超えていけるポテンシャルを持つ選手が足踏みしている。期待しているからこその激励でもある。
「弟には本当におめでとうという気持ちですが、7400点台で優勝は、日本インカレ(7500点台)よりも低い。レベルの低さを痛感しました。もっとみんなで良い試合をしてほしい」
今回の結果で、来年の日本選手権にも出場できそう。標準を切る限りは、出場の意欲を持っている右代。「きつかったけど、楽しく、十種競技の奥深さを感じました。来年も投てき3つ取りたい」。7月中に39歳を迎える世界に挑み続けたデカスリートは、飽くなき向上心と負けず嫌いの心で、また十種競技のスタートラインに立つ。
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