2026.03.08
◇名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着)
アジア大会代表選考会を兼ねたMGCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソンが行われ、シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間21分54秒で2連覇。佐藤早也伽(積水化学)が2時間21分56秒で日本人トップの2位に入った。
冷たく強い風が襲うなか、日本人有力選手が次々と先頭集団から脱落していく。そうしたなか、最後まで残ったのは佐藤早也伽(積水化学)と加世田梨花(ダイハツ)だった。
「もともと、集団の前のほうで走るのは得意ではなくて、集団の後ろで走っていたので、あまり風の影響を受けないように走れたと思います」
30km以降は海外勢2人を合わせた4人の優勝争いに。「しっかりついて行こうと思っていました。展開は考えずに、どこかで海外選手や加世田さんが仕掛ける展開になると思っていた」と勝負どころを見極めていた。
ラストは実力者の前回覇者・チェプキルイとの一騎打ちに。何度も前に出ようと仕掛ける強い姿勢を示す佐藤。それはドームまで見せ続けた。
「勝ちたい気持ちがあったので、チャレンジしようと思って先頭の選手に並びかけたりしたのですが、力負けでした。悔しいし、もっと強くなりたい」
前回は日本歴代9位の2時間20分59秒をマークして日本人トップの2位。だが、優勝争いというよりは、後半まで粘っての2位。今回は違ったかたちでの2位に、野口英盛監督も「タフなレースとなるのはわかっていました。勝負になったところできつくなるかなと思ったのですが、勝てれば良かったのですが、最後までいけたのは評価するところ」と称える。
野口監督は「正直、ここまで走るというのは」と言ったように、万全ではなかった。昨年の全日本実業団対抗駅伝(クイーンズ駅伝)の後に故障。「去年の練習よりも120%、130%やれたわけではなかったので、去年に近づけるように練習してきた」(野口監督)。
年が明けてからは、昨年の取り組みとして成果が出た40km走もこなせたものの、「12月までケガもあって、走り込めなかったので脚作りができなかった状態でした。1、2月に何とか取り戻そうという気持ちで練習してきました」と言うと、言葉が震える。
「昨年より状態も良くないと思っていて不安もすごくありました。でも、自分は自己ベストを出したいという目標がないと頑張れない。不安に負けないように練習してきました」
この涙に、世界選手権で感じた悔しさ、不安と向き合ってきた思い、自分を超えたいという覚悟、そして、負けた悔しさのすべてが込められている。野口監督も「マラソンは長い期間やるので不安もあるし、それにすべてを捧げています。成長は結果でしか表せない。これをどう(みなさんが)理解していくのか」と慮る。
最後まで優勝争いしたからこその手応え、そして悔しさ。「マラソンで勝ちたいと思って走れたのは良い経験になりました」。
これでMGCシリーズの25ー26年チャンピオンとなり、名古屋アジア大会の代表選考争いでも最優先となる。ロス五輪のMGC切符もつかんだ。2つの大会については「これからじっくり考えたい」と話した。
走り、そして涙に表現された佐藤の強く、熱い思い。マラソンランナーとして、また一歩大きくなったように見えた。
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