2年に一度開かれるアジア選手権が5月27日から31日まで、韓国・亀尾(クミ)で開かれる。欧州選手権などと並ぶ「エリアチャンピオンシップ」であり、世界陸連(WA)の大会カテゴリーは「GL」。これはオリンピック・世界選手権(OW)、ダイヤモンドリーグ・ファイナル(DF)、ダイヤモンドリーグなど(GW)に次ぐ上から4番目となる。
大会カテゴリーに応じて、ワールドランキングに影響する「順位ポイント」が高く設定されている。東京世界選手権の出場資格獲得条件の一つであるワールドランキング(Road to TOKYO)のポイントを上積みするためにも、アジア選手権は“超重要”な一戦となることは間違いない。
日本代表は男子36人、女子34人の合計70人の大団円。それだけ日本陸連としても重視していることがわかる。
すでに東京世界選手権に内定しているのが男子110mハードルの村竹ラシッド(JAL)。国際大会での経験を積むのはもちろん、ワールドランキングを高めてダイヤモンドリーグへ出場しやすくなるという狙いもある。村竹自身も「優勝を狙う」と力強い。
同種目には東京世界選手権の参加標準記録を突破している泉谷駿介(住友電工)も代表入り。走幅跳で出場したセイコーゴールデングランプリでやや踵の痛みへの不安も話していたが、出場すればもちろん優勝候補。13秒2台ハードラーが複数いる中国勢がライバルだ。
男子100m、200m、400mには前回覇者が登場する。栁田大輝(東洋大)、鵜澤飛羽(JAL)、佐藤拳太郎(富士通)の3人がそろって連続代表入りしている。栁田はセイコーゴールデングランプリを10秒06で優勝。関東インカレでは追い風参考ながら9秒95も出している。前回は10秒02の自己新で制しているが、大舞台に強さを発揮して東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)の突破、そして9秒台を見据える。
鵜澤も成長した姿を見せそう。今年の静岡国際では予選で20秒13と参加標準記録(20秒16)を突破。決勝は追い風参考ながら20秒05(+2.1)を叩き出した。前回は栁田同様に当時自己新(20秒23)と強さを見せて優勝している。佐藤拳、そして前回2位の佐藤風雅(ミズノ)はまだ本調子ではないが、アジア選手権から状態を上げていくか。
男子400mハードルはパリ五輪代表の豊田兼(トヨタ自動車)と、参加標準記録突破済みの井之上駿太(富士通)が代表入り。豊田は参加標準記録突破、そして自身2度目の47秒台を視野に入れている。
男子走幅跳にはセイコーゴールデングランプリで8m15を跳んだ津波響樹(大塚製薬)が出場。自己記録(8m23)を跳んだ2019年以来のビッグジャンプを見せており、次は参加標準記録(8m27)のクリアなるか。
男子5000mは絶好調の森凪也(Honda)が出場。ワールドランキングで着実にポイントを獲得しており、世界選手権出場も見えてきた。また、佐藤圭汰(駒大)も復調を誓う。10000mには日本選手権を制した鈴木芽吹(トヨタ自動車)とパリ五輪代表の葛西潤(旭化成)が代表入りしている。
女子で連覇を狙うのは5000mの山本有真(積水化学)、走幅跳の秦澄美鈴(住友電工)、三段跳の森本麻里子(オリコ)。山本は金栗記念5000mとセイコーゴールデングランプリ3000mで自己新での日本人トップを取り好調だ。秦は助走スピード向上と跳躍を模索中。森本も本調子ではないが「徐々に噛み合ってきた」。三段跳はもう1人の代表である髙島真織子(九電工)が好調で森本の日本記録(14m16)更新も見えてきた。
100mハードルは日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)と田中佑美(富士通)のパリ五輪代表2人が出場。福部は昨年秋に高熱が出る「菊池病」を患ったが、セイコーゴールデングランプリで初戦を迎えて「日本選手権に向けて上げていく」。2戦目のここで試合勘を取り戻すか。田中は12秒81まで自己記録を更新しており、前回VのJ.ヤラジ(インド)やライバル・呉艶妮らと競り合いになりそう。
女子20km競歩には、35kmで代表内定している梅野倖子(LOCOK)が出場。前回は銅メダルを手にしている。パリ五輪代表の柳井綾音(立命大)もメダルを目指す。
女子10000mは日本選手権Vで復活してきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が出場。ワールドランキングを上げるためにも外せない一本になる。2年前のアジア大会で競り合った選手たちがライバルか。
記録に期待が懸かるのは女子走高跳の髙橋渚(センコー)と棒高跳の諸田実咲(アットホーム)。髙橋は室内で1m92をクリアしており、屋外でも“大台”を狙う。諸田は2年前のアジア大会で4m48の日本新。4m50オーバーに手応えを感じているようだ。
前回、斉藤真理菜(スズキ)が金メダルを取った女子やり投には、パリ五輪ファイナル進出の上田百寧(ゼンリン)と武本紗栄(オリコ)の同学年コンビが出場。日本勢連覇に挑む。
最後に大きな注目を集めるのが800m。男子の落合晃(駒大)、女子の久保凛(東大阪大敬愛高)という日本記録保持者2人がシニアで初の日の丸を背負う。ともに、東京世界選手権参加標準記録(1分44秒50/1分59秒00)の突破へ強い気持ちをのぞかせている。
9月の東京世界選手権を目指す選手たちにとって、今後を占う重要な一戦。アジア選手権は5月27日から31日まで行われる。
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