2021.04.27
サトウ食品日本グランプリシリーズの1つ、第55回織田記念が広島・エディオンスタジアムで4月29日に開催される。トップ選手たちが出場する織田記念の見どころをチェックしていこう。
最も注目を集める男子100mには、9秒台を持つ桐生祥秀(日本生命)と小池祐貴(住友電工)、広島出身の山縣亮太(セイコー)、ドーハ世界選手権代表の多田修平(住友電工)がエントリーした。桐生は3月の室内60mに出場したが、その時は予選で左脚に違和感を覚えて決勝を棄権。だが、その後は順調に練習を積んでいる。4月の出雲陸上では4.0mの追い風参考ながら小池が10秒04、多田が10秒08をマーク。山縣は2月に室内の100mで10秒39、3月には雨が降り、気温が低い中で10秒36(-0.1)をマークしている。
桐生と山縣と言えば2013年の織田記念。当時、高校3年生だった桐生が10秒01をマークして衝撃を与えた。決勝(+2.7)では桐生が10秒03、山縣が10秒04と0.01秒差の激闘。日本人同士が初めて10秒0台で決着したレースだった。翌年もそろって出場したが桐生が決勝を棄権したため、織田記念での直接対決となれば“伝説”の2013年以来となる。
男子110mハードルは、ほぼ“日本選手権”状態。2019年ドーハ世界選手権代表の高山峻野(ゼンリン)、金井大旺(ミズノ)、泉谷駿介(順大※世界選手権は棄権)がそろう。日本記録13秒25は高山が持つが、昨年から好調なのが金井。今年は法大競技会でシーズンインし、早くも13秒36をマークしている。ここに石川周平(富士通)や村竹ラシッド(順大)らが絡む。
男子3000m障害も見逃せない。昨年、有効期間外ながら東京五輪の参加標準記録(8分22秒00)を上回る8分19秒37(日本歴代2位/ホクレンディスタンス)を出した三浦龍司(順大)や、好調の塩尻和也(富士通)、兵庫リレーカーニバル2000m障害で圧勝した阪口竜平(SGホールディングス)が有力。昨年のホクレン同様にフィレモン・キプラガット(愛三工業)と競り合いながら、五輪参加標準記録突破が見られるか。
フィールド種目では、男子走幅跳が熱い。日本記録(8m40)保持者の城山正太郎(ゼンリン)、ドーハ世界選手権入賞の橋岡優輝(富士通)、ドーハ代表の津波響樹(大塚製薬)の3人はすでに東京五輪の参加標準記録を突破している。なかでも橋岡は、昨年は日本インカレで8m29、今年初戦となった3月の室内では室内日本新の8m19。「うまく噛み合えば8m50は軽く跳べる」と言うほど手応えをつかんでいる。
男子やり投には新井涼平(スズキ)、ディーン元気(ミズノ)の2強を、寒川建之介(GRAND STONE)、小南拓人(染めQ)、﨑山雄太(愛媛陸協)という80mスロワーが追う。
女子短距離は世界リレー出場組が不在。100m日本記録保持者・福島千里(セイコー)や御家瀬緑(住友電工)らがどんな走りを見せるか。100mハードルには、男子同様に上位選手が勢ぞろい。室内で圧倒的なスピードを見せている青木益未(七十七銀行)、日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)、地元・広島出身の木村文子(エディオン)に、好調の田中佑美(富士通)、紫村仁美(東邦銀行)が競り合うか。
女子5000mには同種目で東京五輪代表に内定済みの田中希実(豊田自動織機TC)が出場。また、萩谷楓(エディオン)は昨年、有効期間外で東京五輪の参加標準記録(15分10秒00)を上回る15分05秒78で走っており、6月の日本選手権までに参加標準記録を突破したいところ。
女子やり投は、日本記録保持者・北口榛花(JAL)は海外で試合に出場する予定を組んでおり、織田記念はエントリーせず。国内は日本選手権一本に絞る可能性がある。その北口を昨年の日本選手権で抑えた佐藤友佳(ニコニコのり)は今年すでに60mを超えている。学生勢も好調で、長麻尋(国士大)、上田百寧(福岡大)らが60mの大台を目指す。
織田記念は世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズに設定されており、カテゴリーはC。優勝賞金は男子100mが15万円、その他の種目は10万円。大会は有観客で行われ、午後3時からNHK BS1で生中継される。


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