2022.04.26
日本グランプリシリーズ広島対秋の第56回織田幹雄記念が4月29日に広島・エディオンスタジアムで行われる。オレゴン世界選手権を目指す選手はもちろん、杭州アジア大会の選考会にも設定されており、2022年シーズンを占う重要な一戦となる。
グランプリ種目のうち、男子は400m、400mハードル、棒高跳、走幅跳、やり投、十種競技、女子は400m、棒高跳、走幅跳、やり投、七種競技がアジア大会の代表選考会と指定されている。
男子100mには地元広島出身の日本記録(9秒95)保持者・山縣亮太(セイコー)こそ膝の手術明けのため出場を見送ったが、その他は役者がそろった。昨年の日本選手権覇者で東京五輪代表の多田修平(住友電工)、同じく東京五輪100m代表の小池祐貴(住友電工)、そして桐生祥秀(日本生命)が出場する。
前哨戦ともいえる4月24日の出雲陸上には桐生と多田が出場し、桐生が優勝して多田は2位だった。桐生は決勝(+1.5)で10秒18、多田は10秒27。桐生は準決勝で追い風参考ながら10秒12(+2.1)と好走している。小池は今季、米国でシーズンイン。4月1日の初戦では10秒21(+2.0)をマークした。以降、200mも含めて複数レースを走っており、織田記念が国内初戦となる。オレゴン世界選手権の参加標準記録10秒05を切る選手は現れるか。
他にも東京五輪4×100mリレー代表のデーデー・ブルーノ(セイコー)や、日本選手権室内60mを制した坂井隆一郎(大阪ガス)、栁田大輝(東洋大)らがエントリー。海外選手の楊俊瀚にも注目だ。
女子100mは昨年の日本選手権短距離2冠の兒玉芽生(ミズノ)、学生個人選手権で11秒47をマークするなど好調の青山華依(甲南大)に加え、齋藤愛美(大阪成蹊AC)、石川優(青学大)らがエントリー。注目は御家瀬緑(住友電工)で、4月上旬の米国での競技会では、強い向かい風で11秒68(-1.4)、追い風参考ながら11秒45(+3.4)と好走している。
注目は女子100mハードルの青木益未(七十七銀行)。4月10日の北陸実業団で12秒86(-0.2)の日本記録を樹立し、オレゴン世界選手権の参加標準記録まであと0.02秒まで迫った。それほど調子を合わせて臨んでいない中での記録だけに、織田記念でさらなる日本新、そして参加標準記録突破を狙う。東京五輪代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)や鈴木美帆(長谷川体育施設)、清山ちさと(いちご)らの走りにも注目だ。
日本記録保持者・泉谷駿介(順大)が登場する男子110mハードルは今年も見逃せない。泉谷は日本選手権室内60mハードルでやや足を痛めたが調子を上げてくることだろう。日本学生個人で追い風参考ながら13秒30(+2.2)を出した村竹ラシッド(順大)にはオレゴン世界選手権の参加標準記録13秒32を切る可能性が十分にある。13秒25を持つ高山峻野(ゼンリン)や石川周平(富士通)、世界室内選手権で好走した野本周成(愛媛陸協)らによって、ハイレベルな争いとなる。
女子5000mには日本記録保持者の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、田中希実(豊田自動織機)、萩谷楓(エディオン)といった東京五輪代表トリオがエントリー。日本選手権10000mを控える廣中は出場すればどんなレースを見せるかに注目が集まる。
男子三段跳で日本人初のオリンピック金メダリストとなった織田幹雄の名を冠した今大会では男女の三段跳も有力選手がそろう。男子は昨年17mジャンパーとなった伊藤陸(近大高専)がいるが、日本学生個人で足をやや痛めており、どこまで状態を戻せるか。女子は日本選手権室内で室内日本新を出した森本麻里子(内田建設AC)が日本人2人目の14mジャンプを狙う。
これまで数々のハイパフォーマンス、名場面が誕生した織田記念。シーズンインで「世界」への扉を開くのは!?
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム
KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)