2025.08.20
◇第20回トワイライト・ゲームス(8月20日/神奈川・日産スタジアム)
トワイライト・ゲームスが行われ、男子400mハードルは黒川和樹(住友電工)が復活の走りを見せた。
1レーンに入った黒川は持ち味の前半から一気にスピードを上げる。東京世界選手権代表内定の井之上駿太(富士通)や豊田兼(トヨタ自動車)ら外レーンの選手を追いかけて前に出る。ラストは法大の後輩でもある井之上を抑えてトップでフィニッシュ。48秒71は自己4番目タイの好記録だった。
「あまり言っていなかったですが、めちゃくちゃ調子が良かった」と言い、東京世界選手権の参加標準記録(48秒50)に届かず「そこは悔しかった」。それでも48秒台に戻せたことに充実の表情を浮かべる。
法大時代にブレークスルーを果たし、21年の東京五輪にも出場。その後もオレゴン、ブダペストと世界選手権を経験し、準決勝にも進んだ。だが、いつしか「常に一番じゃないといけないというプレッシャーが大きくて…」。23年秋の国体でケガをおってからはトップフォームから遠ざかり、無理をして合わせた影響で日本選手権前日に左ハムストリングスを肉離れ。その後も、ふくらはぎ、ハムストリングスと、治ってはケガをしての繰り返し。いつしかトラックにも足が向かなくなった。
その間、競り合ってきた豊田らが飛躍するなか、ふさぎ込む日々。それでも、今年6月17日、自身の誕生日に法大の恩師・苅部俊二監督から「練習においで」という電話で救われた。「それからは毎日グラウンドに行きました。日本選手権も出られなかったことで「気持ちも切り替わった」。言葉に詰まり、涙をこらえた。
「メンタルも落ち込みましたが、48秒まで戻ってこられた」と胸を張る。「またここからがんばります」。そのポテンシャルは誰もが認めるところ。また世界の舞台に戻るための大きな一歩を刻んだ。
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