◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の最終日が行われる。
注目は男子110mハードル。今大会までに高山峻野(ゼンリン/13秒25)、金井大旺(ミズノ/13秒16=日本記録)、泉谷駿介(順大/13秒30)と3人が参加標準記録13秒32を突破済みで迎えた。3日目の予選では、1組目が野本周成(愛媛陸協)がトップで通過して2着に金井。衝撃だったのが2組目の村竹ラシッド(順大)で、「予選から参加標準記録を狙っていた」という村竹はスタートから加速して13秒28(+0.5)をマークした。高山、金井、泉谷のトップ3が持つ大会記録を更新し、日本歴代3位、日本学生新で、東京五輪参加標準記録を突破した。同じ組の高山は3着。3組目に入った泉谷は13秒33(+0.3)とこちらも余裕を持って1着。2位にワールドランキングで出場権獲得圏内にいる石川周平(富士通)が入った。3組目までの結果を踏まえ、高山はタイムで拾われてなんとか決勝へ。
代表枠は3つで、参加標準記録突破者が3位以内に入れば即時代表内定となる。4人のうち誰かが3位以内を占めるか、はたまた新たな参加標準記録突破者が誕生して食い込むか。100m同様、過去最高レベルとなった男子110mハードルの決勝は17時25分にスタートする。
男子200mも混戦模様。東京五輪参加標準記録20秒24を突破しているのが小池祐貴(住友電工)とサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)だったが、サニブラウンは予選を欠場。即時代表内定はなくなった。小池は予選を2着で通過。同じ組の1着にはワールドランキングで出場権獲得を狙える山下潤(ANA)が入った。
こちらもワールドランキングで出場圏内にいる飯塚翔太(ミズノ)は2組1着で決勝へ。「もう少し前半加速したかった」と振り返り、「決勝は参加標準記録を突破して優勝を」と3大会連続五輪切符を見据えている。100mで2位と快走を見せたデーデー・ブルーノ(東海大)も20秒76(-0.7)の自己新で3組をトップで通過した。
小池が3位以内に入れば五輪代表権を獲得。100mでも有力候補に挙がっている。飯塚、山下も参加標準記録を突破しなくても3位以内で代表入りに大きく前進すると言える。200m決勝は17時50分にスタートだ。
男子走幅跳には、城山正太郎(ゼンリン/8m40)、橋岡優輝(富士通/8m32)、津波響樹(大塚製薬/8m23)と3人が東京五輪参加標準記録8m22を突破しているため、いずれも3位以内で初のオリンピック代表に内定する。記録面でも橋岡には日本新が期待される。
女子5000mには、この種目で代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)がエントリー。1500mで優勝、800mでも同日の決勝に駒を進めており、先に終わる800mのレース後に「結果と状態を見て5000m出場するかどうか決めたい」とした。また、10000mで代表に決まっている新谷仁美(積水化学)と廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が出場する。いずれも参加標準記録15分10秒00を突破しているため、2位以内(すでに田中が1枠)で代表に内定する。参加標準記録に迫る萩谷楓(エディオン)も虎視眈々と狙う。
男子やり投では85m00の参加標準記録突破者が新たに誕生するか。ワールドランキングでは小南拓人(染めO)が出場権獲得を狙える位置にいる。
東京五輪を懸けた熱い戦いもいよいよ大詰め。果たしてどんなドラマが待ち受けているのだろうか。


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