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2022.07.17

地元米国に待望の金メダル!!カーリーVの100mは91年東京以来の表彰台独占!ファイデクが史上2人目の5連覇達成!/世界陸上Day2
地元米国に待望の金メダル!!カーリーVの100mは91年東京以来の表彰台独占!ファイデクが史上2人目の5連覇達成!/世界陸上Day2

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)2日目

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オレゴン世界陸上2日目が行われ、5種目で決勝が実施。この日の最終種目として最も注目を集めた男子100m決勝は、4人が出場した地元・米国勢が全員決勝に駒を進め、フレッド・カーリーが9秒86(-0.1)で金メダルに輝いた。自身にとっては五輪を含む世界大会での個人初タイトルで、米国勢としては同種目3連覇となる。

それだけでなく、ともに9秒88で2位にマーヴィン・ブレイシー、3位にトレイヴォン・ブロメルが続き、米国勢がメダルを独占。1991年の東京大会以来31年ぶりの偉業を初の自国開催で成し遂げ、聖地「ヘイワード・フィールド」にはUSAコールが沸き上がった。

「ホームの観衆がついてくれることを素晴らしいと感じたし、私たちはやるべきことをやるとアメリカに誓った。そして、私たちは今日それを成し遂げた」

陸上大国の誇りを守る男子100mの金メダルと、6位だった前回覇者のクリスチャン・コールマンを含む仲間とともに達成した快挙に、コールマンは星条旗をまといながら胸を張った。

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その直前、今大会の米国勢「金メダル第1号」となったのが、女子砲丸投のチェイス・イーリー。1投目に放ったセカンドベストの20m49でそのまま逃げ切り、前回のドーハ大会(7位)に続く2度目の出場で、一気に初の世界一をつかんだ。

昨年の東京五輪は全米五輪選考会で5位にとどまって代表入りを逃したが、今年3月の世界室内選手権で2位になるなど今季は躍進。女子の同種目では米国勢としても初制覇である。

モーニングセッションでは、男子ハンマー投でパウエル・ファイデク(ポーランド)が今季世界最高の81m98をマークし、世界陸上の連勝を「5」に伸ばした。

東京五輪金メダリストのボイチェフ・ノヴィツキ(ポーランド)との一騎打ちが予想されていたが、3投目で優勝記録を放ったファイデクがそのまま逃げ切り。世界陸上の個人種目では、男子棒高跳のセルゲイ・ブブカ(ソ連/ウクライナ)の6連覇(第1回~第6回)に次ぐ歴代2位の5連覇を成し遂げ、優勝候補に挙げられながら銅メダルに終わった東京五輪の雪辱を果たした。

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女子10000mは壮絶なラスト勝負の末に、世界記録(29分01秒03)保持者のレテセンベト・ギデイ(エチオピア)が30分09秒94の今季世界最高で念願の金メダルを手にした。19年ドーハ世界陸上、東京五輪とこの種目で連勝中だったシファン・ハッサン(オランダ)は得意のラストで伸びを欠き、4位にとどまった。

イブニングセッションで行われた男子走幅跳は、王嘉男(中国)が最終6回目に8m36(+0.5)をジャンプ。それまで8m32(+0.5)でトップだった東京五輪王者のミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)を4cm逆転し、同種目では五輪を含む世界大会でアジア人初の王者となった。

25歳の王嘉男は8m47の中国記録保持者で、世界陸上では2015年から銅メダル、7位、6位と3大会連続入賞中だった。

日本勢は男子20km競歩で金、銀メダルを獲得するなど躍進した初日の勢いを、2日目にもつなげた。

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男子100mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が、世界陸上では日本人初のファイナリストに。前日の予選をセカンドベストの9秒98(-0.3)で1着通過していたサニブラウンは、準決勝を10秒05(+0.3)で3着。着順通過できる2着以内は逃したものの、2組3着が10秒13(+0.1)、3組の3着が10秒06(-0.1)となり、プラスの1番目を確保。自身3度目の準決勝で、ついに決勝の舞台に立った。

「無我夢中だった」という決勝も、10秒06(-0.1)で7位の力走。1932年ロサンゼルス五輪で吉岡隆徳が6位になって以来、90年もの間越えられなかった壁を、再び米国の地で、米国を拠点とするサニブラウンが見事に越えてみせた。

同じく準決勝に進出した坂井隆一郎(大阪ガス)は得意のスタートダッシュで中盤までは上位を争ったが、10秒23(+0.1)の6着で決勝には届かなかった。

女子10000mでは、東京五輪で7位入賞を果たした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が再び激走。12位と連続入賞こそならなかったものの30分39秒71と、20年12月の日本選手権で新谷仁美(積水化学)が作った30分20秒44の日本記録に次ぐ歴代2位をマークした。

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今季はケガなどで出遅れた面もあったが、五輪の時のように5000mあたりまでトップを引っ張るなど持ち味の積極的な走りを披露。4日後の5000mに向けても、五輪と同様に予選突破を目指していく。

男子走幅跳決勝には、前日の予選を8m18の全体トップで通過した橋岡優輝(富士通)が出場。前回のドーハ(8位)、昨年の東京(6位)に続く世界大会3連続入賞に挑んだが、1、2回目がファウルとなり、3回目の7m86(+0.4)が最高で10位だった。トップ8進出にはあと7cm届かず。

このほか、モーニングセッションの男子110mハードルでは東京五輪セミファイナリスト・泉谷駿介(住友電工)が13秒56(+0.4)で3着、石川周平(富士通)が13秒53(-0.3)で4着を占めて準決勝進出を果たした。男子400mハードルでは黒川和樹(法大)が50秒02の4着に入り、五輪では果たせなかった準決勝進出を決めた。

一方、女子1500m準決勝で東京五輪(8位)に続く決勝進出を目指した田中希実(豊田自動織機)は、最後まで着順通過の5着を争ったが、4分05秒79で6着(7着から上位選手の失格で繰り上がり) 。プラスでも届かず、準決勝敗退となった。廣中とともに、次は5000m予選に挑む。

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■2日目優勝者一覧
【男子】
100m フレッド・カーリー(米国) 9秒86(-0.1)
走幅跳 王嘉男(中国) 8m36(+0.5)
ハンマー投 パウエル・ファイデク(ポーランド) 81m98
【女子】
10000m レテセンベト・ギデイ(エチオピア) 30分09秒94
砲丸投 チェイス・イーリー(米国) 20m49

■女子10000m日本歴代10傑
30.20.44 新谷 仁美(積水化学)     2020.12. 4
30.39.71 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 2022. 7.16 NEW
30.45.21 不破聖衣来(拓大1)      2021.12.11
30.48.89 渋井 陽子(三井住友海上)   2002. 5. 3
30.51.81 福士加代子(ワコール)     2002.10. 8
31.09.46 川上 優子(沖電気宮崎)    2000. 7. 1
31.10.02 絹川  愛(ミズノ)      2011. 6.22
31.10.02 五島 莉乃(資生堂)      2021.12.10
31.11.56 一山 麻緒(ワコール)     2020.12. 4
31.15.34 羽鳥 智子(第一生命)     2004. 4.25
31.15.34 赤羽有紀子(ホクレン)     2008. 6.27

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)2日目 オレゴン世界陸上2日目が行われ、5種目で決勝が実施。この日の最終種目として最も注目を集めた男子100m決勝は、4人が出場した地元・米国勢が全員決勝に駒を進め、フレッド・カーリーが9秒86(-0.1)で金メダルに輝いた。自身にとっては五輪を含む世界大会での個人初タイトルで、米国勢としては同種目3連覇となる。 それだけでなく、ともに9秒88で2位にマーヴィン・ブレイシー、3位にトレイヴォン・ブロメルが続き、米国勢がメダルを独占。1991年の東京大会以来31年ぶりの偉業を初の自国開催で成し遂げ、聖地「ヘイワード・フィールド」にはUSAコールが沸き上がった。 「ホームの観衆がついてくれることを素晴らしいと感じたし、私たちはやるべきことをやるとアメリカに誓った。そして、私たちは今日それを成し遂げた」 陸上大国の誇りを守る男子100mの金メダルと、6位だった前回覇者のクリスチャン・コールマンを含む仲間とともに達成した快挙に、コールマンは星条旗をまといながら胸を張った。 その直前、今大会の米国勢「金メダル第1号」となったのが、女子砲丸投のチェイス・イーリー。1投目に放ったセカンドベストの20m49でそのまま逃げ切り、前回のドーハ大会(7位)に続く2度目の出場で、一気に初の世界一をつかんだ。 昨年の東京五輪は全米五輪選考会で5位にとどまって代表入りを逃したが、今年3月の世界室内選手権で2位になるなど今季は躍進。女子の同種目では米国勢としても初制覇である。 モーニングセッションでは、男子ハンマー投でパウエル・ファイデク(ポーランド)が今季世界最高の81m98をマークし、世界陸上の連勝を「5」に伸ばした。 東京五輪金メダリストのボイチェフ・ノヴィツキ(ポーランド)との一騎打ちが予想されていたが、3投目で優勝記録を放ったファイデクがそのまま逃げ切り。世界陸上の個人種目では、男子棒高跳のセルゲイ・ブブカ(ソ連/ウクライナ)の6連覇(第1回~第6回)に次ぐ歴代2位の5連覇を成し遂げ、優勝候補に挙げられながら銅メダルに終わった東京五輪の雪辱を果たした。 女子10000mは壮絶なラスト勝負の末に、世界記録(29分01秒03)保持者のレテセンベト・ギデイ(エチオピア)が30分09秒94の今季世界最高で念願の金メダルを手にした。19年ドーハ世界陸上、東京五輪とこの種目で連勝中だったシファン・ハッサン(オランダ)は得意のラストで伸びを欠き、4位にとどまった。 イブニングセッションで行われた男子走幅跳は、王嘉男(中国)が最終6回目に8m36(+0.5)をジャンプ。それまで8m32(+0.5)でトップだった東京五輪王者のミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)を4cm逆転し、同種目では五輪を含む世界大会でアジア人初の王者となった。 25歳の王嘉男は8m47の中国記録保持者で、世界陸上では2015年から銅メダル、7位、6位と3大会連続入賞中だった。 日本勢は男子20km競歩で金、銀メダルを獲得するなど躍進した初日の勢いを、2日目にもつなげた。 男子100mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が、世界陸上では日本人初のファイナリストに。前日の予選をセカンドベストの9秒98(-0.3)で1着通過していたサニブラウンは、準決勝を10秒05(+0.3)で3着。着順通過できる2着以内は逃したものの、2組3着が10秒13(+0.1)、3組の3着が10秒06(-0.1)となり、プラスの1番目を確保。自身3度目の準決勝で、ついに決勝の舞台に立った。 「無我夢中だった」という決勝も、10秒06(-0.1)で7位の力走。1932年ロサンゼルス五輪で吉岡隆徳が6位になって以来、90年もの間越えられなかった壁を、再び米国の地で、米国を拠点とするサニブラウンが見事に越えてみせた。 同じく準決勝に進出した坂井隆一郎(大阪ガス)は得意のスタートダッシュで中盤までは上位を争ったが、10秒23(+0.1)の6着で決勝には届かなかった。 女子10000mでは、東京五輪で7位入賞を果たした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が再び激走。12位と連続入賞こそならなかったものの30分39秒71と、20年12月の日本選手権で新谷仁美(積水化学)が作った30分20秒44の日本記録に次ぐ歴代2位をマークした。 今季はケガなどで出遅れた面もあったが、五輪の時のように5000mあたりまでトップを引っ張るなど持ち味の積極的な走りを披露。4日後の5000mに向けても、五輪と同様に予選突破を目指していく。 男子走幅跳決勝には、前日の予選を8m18の全体トップで通過した橋岡優輝(富士通)が出場。前回のドーハ(8位)、昨年の東京(6位)に続く世界大会3連続入賞に挑んだが、1、2回目がファウルとなり、3回目の7m86(+0.4)が最高で10位だった。トップ8進出にはあと7cm届かず。 このほか、モーニングセッションの男子110mハードルでは東京五輪セミファイナリスト・泉谷駿介(住友電工)が13秒56(+0.4)で3着、石川周平(富士通)が13秒53(-0.3)で4着を占めて準決勝進出を果たした。男子400mハードルでは黒川和樹(法大)が50秒02の4着に入り、五輪では果たせなかった準決勝進出を決めた。 一方、女子1500m準決勝で東京五輪(8位)に続く決勝進出を目指した田中希実(豊田自動織機)は、最後まで着順通過の5着を争ったが、4分05秒79で6着(7着から上位選手の失格で繰り上がり) 。プラスでも届かず、準決勝敗退となった。廣中とともに、次は5000m予選に挑む。 ■2日目優勝者一覧 【男子】 100m フレッド・カーリー(米国) 9秒86(-0.1) 走幅跳 王嘉男(中国) 8m36(+0.5) ハンマー投 パウエル・ファイデク(ポーランド) 81m98 【女子】 10000m レテセンベト・ギデイ(エチオピア) 30分09秒94 砲丸投 チェイス・イーリー(米国) 20m49 ■女子10000m日本歴代10傑 30.20.44 新谷 仁美(積水化学)     2020.12. 4 30.39.71 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 2022. 7.16 NEW 30.45.21 不破聖衣来(拓大1)      2021.12.11 30.48.89 渋井 陽子(三井住友海上)   2002. 5. 3 30.51.81 福士加代子(ワコール)     2002.10. 8 31.09.46 川上 優子(沖電気宮崎)    2000. 7. 1 31.10.02 絹川  愛(ミズノ)      2011. 6.22 31.10.02 五島 莉乃(資生堂)      2021.12.10 31.11.56 一山 麻緒(ワコール)     2020.12. 4 31.15.34 羽鳥 智子(第一生命)     2004. 4.25 31.15.34 赤羽有紀子(ホクレン)     2008. 6.27

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