HOME 国内

2023.02.20

藤井菜々子が2年ぶり2度目の制覇「思ったよりも寒く感じた」連覇を目指した岡田が2位/日本選手権20km競歩
藤井菜々子が2年ぶり2度目の制覇「思ったよりも寒く感じた」連覇を目指した岡田が2位/日本選手権20km競歩

2023年日本選手権20km競歩女子で優勝した藤井菜々子(エディオン)

第106回日本選手権20km競歩女子の上位成績

1位 藤井菜々子(エディオン)1時間29分54秒
2位 岡田久美子(富士通)1時間31分21秒
3位 柳井綾音(立命大)1時間33分46秒
4位 内藤未唯(神奈川大)1時間36分58秒
5位 梅野倖子(順大)1時間38分30秒
6位 矢来舞香(千葉興業銀行)1時間39分26秒
7位 杉林 歩(大阪大)1時間39分42秒
8位 立見真央(田子重)1時間40分16秒

◇第106回日本選手権20km競歩(2月19日/兵庫・神戸) 男子のレース後に行われた女子は、東京五輪代表で昨夏のオレゴン世界選手権で6位入賞を果たしている藤井菜々子(エディオン)が1時間29分54秒で2年ぶり2度目の頂点に立った。しかし、目標にしていた日本陸連が定めるブタペスト世界選手権の派遣設定記録の1時間28分30秒をクリアできず、悔しさを滲ませた。 前回覇者・岡田久美子(富士通)を3km過ぎに早くも引き離す。初めての経験となる序盤からの一人旅に加え、冷たい雨に強風が加わる悪コンディションに阻まれ、狙ったタイムには届かなかった。それでも、「いい経験ができました。強い向かい風のなか、注意も1回のみと歩型を維持できたのも収穫。課題の後半もタイムを落とさず歩き切れました」と、東京五輪後から取り組んでいる歩型の修正にも手応えを得たレースとなった。 宮崎でともに練習を積んだ岡田の状態が良くないことも把握しており、「早い段階でひとりになることも予想していました。思っていたより寒く感じ10km過ぎまで身体が動かず、1km4分25秒で押していくつもりが30秒前後とスローになってしまったのが反省点」と淡々とレースを振り返る。 世界選手権の内定は先延ばしになったものの、「悪コンディションでも男子は2人の内定者が出た。そこが男子と女子の実力の差。今後の予定はまだ決まっていませんが、(世界選手権の)出場が決まればメダルが取れるようしっかり準備していきたい」と力強く抱負を話した。 連覇を目指した岡田は1時間31分21秒の2位。「目標には届きませんでしたが、悪いなりに最低限のタイムでまとめられたのは収穫。次につながるレースになりました」と感想を話す。 環境の変化や年齢のことなどもあり、現状にマッチした練習内容や強度をつかみかねている段階でのレースとなり、「若い頃のように練習をすればするだけ力になるという状況ではなくなっています」と打ち明ける。今後は「その中でどう自分を高めていくか。パリ五輪に向け、コーチなどと相談しつつ、じっくり取り組んでいければ」と前を見据えていた。 大学1年生の柳井綾音(立命大)が1時間33分46秒で3位と健闘。初の20kmで「1時間36分が目標だった」と言うが、「さすがに後半はきつかったですが、動きをキープすることを意識して歩きました。何より(北九州市立高の先輩でもある藤井)菜々子先輩と同じ舞台で歩けることがうれしかった」と笑顔を見せた。 ワールドユニバーシティゲームズでのメダル獲得を今シーズンの目標に置く。「実力の差はまだまだ大きいですが、3位に入ったことで、菜々子先輩のように世界で戦う選手になりたいと思えるようになりました」と神戸をステップにさらなる飛躍を誓った。 文/花木 雫 次ページ 第106回日本選手権20km競歩女子の上位成績

第106回日本選手権20km競歩女子の上位成績

1位 藤井菜々子(エディオン)1時間29分54秒 2位 岡田久美子(富士通)1時間31分21秒 3位 柳井綾音(立命大)1時間33分46秒 4位 内藤未唯(神奈川大)1時間36分58秒 5位 梅野倖子(順大)1時間38分30秒 6位 矢来舞香(千葉興業銀行)1時間39分26秒 7位 杉林 歩(大阪大)1時間39分42秒 8位 立見真央(田子重)1時間40分16秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.28

2月に名古屋アジア大会・競歩のリハーサル大会 名古屋市の特設コースで実施

愛知陸協は、26年2月21日に名古屋市で第15回愛知競歩競技会を行うと発表した。 愛知競歩競技会は、これまでパロマ瑞穂北陸上競技場や知多運動公園陸上競技場(Bフードサイエンス1969知多スタジアム)などトラックで実施され […]

NEWS 箱根駅伝Stories/人一倍練習をこなして成長した駒大・伊藤蒼唯 夏場のケガを乗り越え「身体で感覚を思い出せた」

2025.12.28

箱根駅伝Stories/人一倍練習をこなして成長した駒大・伊藤蒼唯 夏場のケガを乗り越え「身体で感覚を思い出せた」

ケガを乗り越え伊勢路でブレイク 1年時の箱根駅伝での区間賞以降、駅伝でも個人レースでも安定した成績は残せてきたが、「1位」を取り切れていなかった。呼応するように、チームも学生駅伝が4大会連続の2位。「勝ち切る」というテー […]

NEWS 箱根駅伝Stories/3連覇に挑む青学大の絶対エース・黒田朝日 「チームが勝つために最大限の走りがしたい」

2025.12.28

箱根駅伝Stories/3連覇に挑む青学大の絶対エース・黒田朝日 「チームが勝つために最大限の走りがしたい」

「前回の自分を超える走りを」 駅伝シーズンに入り、出雲では7位と、2015年の箱根初優勝以降で見ると、学生三大駅伝で初めてトップ5から陥落。試合後のミーティングでは、「もっと全員が駅伝で戦う気持ちを持たないといけない」と […]

NEWS トヨタ自動車、旭化成、Hondaの「3強」が中心!第70回記念大会を制するのは?日本代表たちの激走にも注目/ニューイヤー駅伝

2025.12.28

トヨタ自動車、旭化成、Hondaの「3強」が中心!第70回記念大会を制するのは?日本代表たちの激走にも注目/ニューイヤー駅伝

◇第70回全日本実業団対抗駅伝(1月1日/群馬県庁前発着・7区間100km) 第70回の節目を迎える全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝inぐんま)は2026年1月1日、群馬県前橋市の群馬県庁を発着点とする7区間100 […]

NEWS ミュンヘン五輪ハンマー投金メダルのボンダルチュク氏が死去 引退後はセディフ、カツバーグらを指導

2025.12.28

ミュンヘン五輪ハンマー投金メダルのボンダルチュク氏が死去 引退後はセディフ、カツバーグらを指導

男子ハンマー投のA.ボンダルチュク氏(ソ連/ウクライナ)が亡くなった。85歳だった。 ボンダルチュク氏は1972年のミュンヘン五輪の金メダリスト。1969年に当時の世界記録75m48を投げ、史上初めて75m台を記録した選 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top