HOME 高校・中学

2025.07.20

【高校生FOCUS】女子短距離・松本真奈(広島皆実高)地元インターハイへ「高校記録を狙う意識で頑張る」
【高校生FOCUS】女子短距離・松本真奈(広島皆実高)地元インターハイへ「高校記録を狙う意識で頑張る」

松本真奈選手(提供写真)

FOCUS! 高校生INTERVIEW
松本真奈 Matsumoto Mana
広島皆実3広島
広島インターハイ(7月25日~29日/広島広域公園陸上競技場)まであと5日。そこで、今回は開催地・注目のスプリンター・松本真奈選手(広島皆実高3広島)が意気込みを語っています。100mと200mでは全国ランキング1位。7月4日~6日の日本選手権でもシニアトップ選手と渡り合って決勝に進みました。地元開催でなおかつ、3年生として最後のインターハイ。懸ける思いは強いです。

メンタルの成長が今季の成績に

――日本選手権100mでは決勝で5位に入りました。
松本 予選の1本だけでは絶対に終わりたくなかったんです。焦らず走ったら決勝に行けたので、うれしかったです。

――何か得られたことはありましたか。
松本 トップの選手は1歩(ストライド)が大きいし、スピードが落ちないですね。でも多分時間はかかると思うんですけど、もうちょっと、何かを付け加えれば勝負できるのかなぁ、とは思いました。

広告の下にコンテンツが続きます

――得意の後半の走りには手ごたえを感じましたか。
松本 はい。ただ、後半はもう少し伸びたらいいなぁ、と思いました。

――決勝では前田さくらさん(鳥取敬愛3)さんや田中里歩さん(伊奈総合3埼玉)も残り、勝負しましたが、レース後にインターハイについて話しましたか。
松本 広島で開催されるので、「待ってるね」って言いました。2人からは「勝つよ」、「負けないよ」って言われました。

――今季は順調にここまで来ています。この結果につながる要因を自分なりに分析してみてください。
松本 メンタルの面で成長したかなと感じています。昨年は、ケガで個人ではインターハイに出られなかったことがしんどくて。加えて、期待されていることに若干プレッシャーがあって、走れなかったです。精神的にどん底まで落ちましたが、今はそんなことはないです。多分(ケガなど)試練を乗り越えてきたからだと思うので、それが今につながっているのかな、と。

広告の下にコンテンツが続きます

――苦しかったときに支えになったことはありましたか。
松本 顧問の松谷(清志)先生の存在です。昨年の中国大会が終わったあと、個人種目ではインターハイに行けなくて泣いていましたが、松谷先生から「秋に向けて頑張ればいいよ、あんまり気にせんでいいよ」って言っていただきました。それが私としては結構うれしくて、前を向くことができました。

――今季はインターハイでの優勝と高校記録を目標にされています。日本選手権100m予選では11秒52(+1.2)の高校歴代5位タイ、200mでも中国大会で23秒69の高校歴代8位までタイムを縮めてきました。高校記録(100m11秒43、200m23秒45)に近づいてきている感触はありますか。
松本 100mは、なんかまだ遠いかなと。トップ選手と一緒に走って11秒52だったじゃないですか。もうちょい出て欲しかったと感じました。もし日本選手権で11秒4台が出ていたら“ワン・チャン”近づけるかなと思いましたけど。

――200mへの手応えは。
松本 200mは多分前半から飛ばさないと高校記録は出せないですけど、前半スピードを上げ過ぎて後半に失速する可能性もあります。ただ、100mもそうですけど、狙えないわけではないので、しっかり狙う意識を持って頑張ります。

――課題に挙げているスタートは改善されてきていますか。
松本 スタートは結構みんなと一緒に出られるようになりましたが、まだまだです。でも成長はしてきました。

――インターハイが近づいてきました。
松本 ドキドキとワクワクが入り混じっています。実のところ、結構緊張しています。

――地元の期待もあるので、プレッシャーを感じていますか。
松本 ちょっとだけです。でも、逆にそれを励みに頑張れます。応援も大きいので。

FOCUS! 高校生INTERVIEW 松本真奈 Matsumoto Mana 広島皆実3広島 広島インターハイ(7月25日~29日/広島広域公園陸上競技場)まであと5日。そこで、今回は開催地・注目のスプリンター・松本真奈選手(広島皆実高3広島)が意気込みを語っています。100mと200mでは全国ランキング1位。7月4日~6日の日本選手権でもシニアトップ選手と渡り合って決勝に進みました。地元開催でなおかつ、3年生として最後のインターハイ。懸ける思いは強いです。

メンタルの成長が今季の成績に

――日本選手権100mでは決勝で5位に入りました。 松本 予選の1本だけでは絶対に終わりたくなかったんです。焦らず走ったら決勝に行けたので、うれしかったです。 ――何か得られたことはありましたか。 松本 トップの選手は1歩(ストライド)が大きいし、スピードが落ちないですね。でも多分時間はかかると思うんですけど、もうちょっと、何かを付け加えれば勝負できるのかなぁ、とは思いました。 ――得意の後半の走りには手ごたえを感じましたか。 松本 はい。ただ、後半はもう少し伸びたらいいなぁ、と思いました。 ――決勝では前田さくらさん(鳥取敬愛3)さんや田中里歩さん(伊奈総合3埼玉)も残り、勝負しましたが、レース後にインターハイについて話しましたか。 松本 広島で開催されるので、「待ってるね」って言いました。2人からは「勝つよ」、「負けないよ」って言われました。 ――今季は順調にここまで来ています。この結果につながる要因を自分なりに分析してみてください。 松本 メンタルの面で成長したかなと感じています。昨年は、ケガで個人ではインターハイに出られなかったことがしんどくて。加えて、期待されていることに若干プレッシャーがあって、走れなかったです。精神的にどん底まで落ちましたが、今はそんなことはないです。多分(ケガなど)試練を乗り越えてきたからだと思うので、それが今につながっているのかな、と。 ――苦しかったときに支えになったことはありましたか。 松本 顧問の松谷(清志)先生の存在です。昨年の中国大会が終わったあと、個人種目ではインターハイに行けなくて泣いていましたが、松谷先生から「秋に向けて頑張ればいいよ、あんまり気にせんでいいよ」って言っていただきました。それが私としては結構うれしくて、前を向くことができました。 ――今季はインターハイでの優勝と高校記録を目標にされています。日本選手権100m予選では11秒52(+1.2)の高校歴代5位タイ、200mでも中国大会で23秒69の高校歴代8位までタイムを縮めてきました。高校記録(100m11秒43、200m23秒45)に近づいてきている感触はありますか。 松本 100mは、なんかまだ遠いかなと。トップ選手と一緒に走って11秒52だったじゃないですか。もうちょい出て欲しかったと感じました。もし日本選手権で11秒4台が出ていたら“ワン・チャン”近づけるかなと思いましたけど。 ――200mへの手応えは。 松本 200mは多分前半から飛ばさないと高校記録は出せないですけど、前半スピードを上げ過ぎて後半に失速する可能性もあります。ただ、100mもそうですけど、狙えないわけではないので、しっかり狙う意識を持って頑張ります。 ――課題に挙げているスタートは改善されてきていますか。 松本 スタートは結構みんなと一緒に出られるようになりましたが、まだまだです。でも成長はしてきました。 ――インターハイが近づいてきました。 松本 ドキドキとワクワクが入り混じっています。実のところ、結構緊張しています。 ――地元の期待もあるので、プレッシャーを感じていますか。 松本 ちょっとだけです。でも、逆にそれを励みに頑張れます。応援も大きいので。

将来は競技続行or人を助ける仕事?

――陸上を始めたきっかけを教えてください。 松本 運動会のかけっこが大好きで、1位を取りたいと思っていたのと、小学3年生からフットベースボールをやっていて、周りから足が速いと言われていたので、中学から陸上を始めました。 ――広島皆実高に入学した理由は。 松本 中学2年から成績が伸びてきたところ、中学時代の顧問で、恩師の石田積先生から、「皆実は設備も環境も良いよ」と勧めてもらいました。広島皆実高は県内でも強かったので選びました。 ――休日は何をして過ごしていますか。 松本 土曜と日曜は午前練習だけで、月曜がオフです。土曜、日曜は家に帰ると寝ちゃうんです。あっという間に終わっちゃいます。つまらなくてすみません(笑)。その中でも、最近はドラマを見ています。「ハコヅメ」っていう警察官の話ですけど、おもしろくて……。医療や学校をテーマにしたおもしろそうなドラマをよく見ます。ああと夜に、お母さんとよくお散歩に出て、いろいろな話をしたりして楽しいです。 ――失礼な質問かもしれませんが、松本選手は前髪をきれいにそろえているのが特徴的です。髪型にこだわりがあれば教えてくれますか。 松本 前髪を短くすることによって少しでも風の抵抗を少なくできるかな、っていうのがあって……。あと軽くなるんで。あ、これは本当に個人的な考えなんで(笑)。 [caption id="attachment_176917" align="alignnone" width="800"] 100m予選で11秒52をマークした松本真奈(25年日本選手権)[/caption] ――将来は何を目指しているのか教えてもらえますか。 松本 将来についてはまだ何になろうかなって感じです。アスリートを続けるのかはまだわからないですけど……。看護師にもなりたいので、悩みます。 ――お母さんも看護師。その影響もあるのですか。 松本 そうです。でも自分の好きなことをするようにと言われています。でも、人を助ける仕事がしたくて。看護師になりたいなって。 ――将来について冷静に考えている印象です。 松本 陸上だけで生活していくって、トップ選手でない限り、厳しいように思います。例えば今後ケガをした場合、そこから復活できるのかっていったらわからないじゃないですか。だから安定した職業に就いたほうがいいのかな、って考えます。 ――今は陸上に全力で取り組みつつ、良い進路を選択できるといいですね。 松本 いつまで陸上を続けたいと思うかはわからないですけど、両親に迷惑はかけないようにしたいです。 構成/松山林太郎

松本真奈選手のプロフィールをチェック!

◎まつもと・まな/2007年11月27日。広島県出身。古田中―広島皆実高。中学で陸上を始め、2年時(21年)には全中4×100mリレー(4走)で出場し、B決勝で6着。3年時(22年)は全中200mで7位、U16大会150m3位でそれぞれ入賞している。高校進学後は1年時から主力として活躍し、インターハイ広島県大会では100m、200m、4×100mリレー(4走)で3冠。中国大会でも200mと4×100mリレーで2冠を遂げ、2位の100mを含め3種目で北海道インターハイに出場した。その後100mで鹿児島特別国体少年B2位、U18大会7位。2年時の24年は左脚を痛め、福岡インターハイは4×100mリレーのみの出場となったが4走として3位に貢献した。秋は100mで佐賀国民スポーツ大会少年A3位、U18大会4位に入っている。今季は広島県大会、中国大会ともに4×100mリレーを含めて3冠。中国大会100mでは追い風参考ながら11秒48(+3.4)をマークした。また、2週間後の日本選手権100mでは決勝まで進み、5位に食い込んだ。自己ベストは100m11秒52(25年/高校歴代5位タイ)、200m23秒69(25年/高校歴代8位) [caption id="attachment_174347" align="alignnone" width="800"] 200mを大会新で制した松本真奈(25年IH中国大会)[/caption]

次ページ:

ページ: 1 2 3

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.07

400mH岸本鷹幸が母校・法大で引退レース「運が良かった」最後まで美しきハードリングと師弟関係

日本の男子400mハードルを牽引してきた岸本鷹幸(富士通)が母校・法大で現役ラストレースを迎えた。 後輩の豊田将樹(富士通)や山本竜大(SEKI AC)がレーンに並ぶ。スタンドには日本代表経験者を筆頭に、OB・OG、現役 […]

NEWS 円盤投五輪連覇のオールマン 悲願の初Vへ「大会記録は可能」/東京世界陸上

2025.09.07

円盤投五輪連覇のオールマン 悲願の初Vへ「大会記録は可能」/東京世界陸上

女子円盤投で五輪2連覇を果たしているヴァレリー・オールマン(米国)が9月7日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。 五輪連覇の偉業を果たし、ダイヤモンドリーグでも圧倒的な強さを見せているオールマン。だが、意外にも […]

NEWS 400m参戦のマクローリン「違うアプローチで自分に挑戦したかった」ライバル多く激戦も「集中」/東京世界陸上

2025.09.07

400m参戦のマクローリン「違うアプローチで自分に挑戦したかった」ライバル多く激戦も「集中」/東京世界陸上

女子400mハードル世界記録保持者で、東京世界選手権では400mに出場するシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が9月7日、都内で練習を公開しメディアの取材に応じた。 この日が来日して最初のトレーニングだったというマク […]

NEWS 【男子1500m】近藤潤(BEAT AC/中3)3分55秒44=中学歴代10位タイ

2025.09.07

【男子1500m】近藤潤(BEAT AC/中3)3分55秒44=中学歴代10位タイ

第3回亀岡陸協ナイター記録会が9月6日、京都府亀岡市の亀岡運動公園陸上競技場で行われ、男子1500mでは近藤潤(BEAT AC/中3)が中学歴代10位タイの3分55秒44をマークした。 これまでの自己ベストは、8月上旬の […]

NEWS 女子ハンマー投・河戸咲希(名古屋大谷高2)が55m56 自身の持つ高2歴代3位を更新

2025.09.07

女子ハンマー投・河戸咲希(名古屋大谷高2)が55m56 自身の持つ高2歴代3位を更新

9月6日に行われた愛知県高校新人対校大会名古屋南北支部予選南女子ハンマー投で、河戸咲希(名古屋大谷2)が55m56を放った。自身が7月のインターハイで出した高2歴代3位(54m56)を更新した。 河戸は1投目に53m67 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top