HOME 特集

2019.08.01

インタビュー/高山峻野「全国大会も通過点」
インタビュー/高山峻野「全国大会も通過点」

[Web特別インタビュー]

110mH・高山峻野(ゼンリン)

中高校生へのメッセージ

広告の下にコンテンツが続きます

「あまり無理せず。全国大会も通過点」


まもなく開幕する沖縄インターハイ、そして大阪全中。大舞台を控える選手たち、そして惜しくも出場を逃した選手たちに向けて、〝先輩〟からのWEB限定メッセージインタビュー。第2弾は110mハードルで13秒30の日本記録を樹立した高山峻野選手(ゼンリン)に、中高生年代に対して感じていることや、体験談などを聞きました。

実業団・学生対抗の110mHで13秒30の日本新を樹立した高山峻野

中学から高校へ、規格変更で苦労

――日本記録樹立おめでとうございます。
高山 ありがとうございます。まだタイムを出した実感はありませんが、いろいろな方が喜んでくれて素直にうれしいです。

――高山選手がハードルを始めたのはいつですか?
高山 中学から陸上を始めました。最初はいろいろな種目にチャレンジしたのですが、たまたまハードルに適正がありました。それ以来ずっとハードルです。身体が固いのもあって、跳躍種目もできなくて。

――中学時代の思い出を聞かせてください。
高山 中学、高校がと、本当に楽しみながら陸上を続けていたと思います。特に試合をするのが楽しかったですね。厳しい練習の日は、少し気持ちを緩めることもありました。3年の時の全中は、同じゼンリン所属の田邉将大良(400mハードル)にボロ負けしたことしか覚えていないんです。

――高校からハードルの高さが変わりますが、そこで苦労することはありましたか。
高山 かなり大変でした。海外では高校年代はジュニア規格(0.991cm)ですが、日本では高校で一気にハイハードル(一般規格)になります。段階を踏んで徐々に高くしていったほうがいいと思うので、ジュニア規格をやったほうがいいのではないでしょうか。技術面で対応できず、それであきらめて400mハードルに転向した選手もいると思います。

インターハイの転倒も、すべては〝通過点〟だと語る

IHで転倒も「通過点」

――その高校はどんな思い出がありますか? もうすぐ始まるインターハイ。高山選手は2年生で入賞を果たしましたが、3年生では優勝候補ながら予選で転倒しています。
高山 転んでしまったんですが、実はそれほど落ち込まなくて。終わってからもケロッとしていました。逆に周囲に心配をかけて申し訳ないなって。失格に終わりましたが、後輩と2人で騒ぎながら行って、試合に出たことを楽しんでいた思い出しかないんです。それ以降も、引きずるということはなかったですね。

――インターハイに行けなかったり、負けてしまったりして落ち込む選手も多いです。
高山 インターハイは通過点です。米国など海外は、高校生年代の全国大会がないと聞きます。インターハイがあるからといって身体を潰してまでがんばる必要はないので、気楽に楽しく挑戦してほしいです。

――中学、高校で大切にしてほしいことはありますか。
高山 なるべくなら、がんばりすぎないで伸び伸びやってほしいですね。最近は中学や高校で、すごく身体を鍛えている選手も多いように感じます。成長期に鍛え過ぎると潜在能力を制御して、自然な動きができなくなるように思います。大学生になってから補強などで大きくすればいいのかなって。中学、高校では無理せず、陸上を楽しんでください。

構成/向永拓史

WEB特別インタビュー第1弾 走幅跳・橋岡優輝「楽しみながらいろいろな競技を」

[Web特別インタビュー] 110mH・高山峻野(ゼンリン) 中高校生へのメッセージ 「あまり無理せず。全国大会も通過点」 まもなく開幕する沖縄インターハイ、そして大阪全中。大舞台を控える選手たち、そして惜しくも出場を逃した選手たちに向けて、〝先輩〟からのWEB限定メッセージインタビュー。第2弾は110mハードルで13秒30の日本記録を樹立した高山峻野選手(ゼンリン)に、中高生年代に対して感じていることや、体験談などを聞きました。 [caption id="attachment_3862" align="aligncenter" width="333"] 実業団・学生対抗の110mHで13秒30の日本新を樹立した高山峻野[/caption]

中学から高校へ、規格変更で苦労

――日本記録樹立おめでとうございます。 高山 ありがとうございます。まだタイムを出した実感はありませんが、いろいろな方が喜んでくれて素直にうれしいです。 ――高山選手がハードルを始めたのはいつですか? 高山 中学から陸上を始めました。最初はいろいろな種目にチャレンジしたのですが、たまたまハードルに適正がありました。それ以来ずっとハードルです。身体が固いのもあって、跳躍種目もできなくて。 ――中学時代の思い出を聞かせてください。 高山 中学、高校がと、本当に楽しみながら陸上を続けていたと思います。特に試合をするのが楽しかったですね。厳しい練習の日は、少し気持ちを緩めることもありました。3年の時の全中は、同じゼンリン所属の田邉将大良(400mハードル)にボロ負けしたことしか覚えていないんです。 ――高校からハードルの高さが変わりますが、そこで苦労することはありましたか。 高山 かなり大変でした。海外では高校年代はジュニア規格(0.991cm)ですが、日本では高校で一気にハイハードル(一般規格)になります。段階を踏んで徐々に高くしていったほうがいいと思うので、ジュニア規格をやったほうがいいのではないでしょうか。技術面で対応できず、それであきらめて400mハードルに転向した選手もいると思います。 [caption id="attachment_3863" align="aligncenter" width="500"] インターハイの転倒も、すべては〝通過点〟だと語る[/caption]

IHで転倒も「通過点」

――その高校はどんな思い出がありますか? もうすぐ始まるインターハイ。高山選手は2年生で入賞を果たしましたが、3年生では優勝候補ながら予選で転倒しています。 高山 転んでしまったんですが、実はそれほど落ち込まなくて。終わってからもケロッとしていました。逆に周囲に心配をかけて申し訳ないなって。失格に終わりましたが、後輩と2人で騒ぎながら行って、試合に出たことを楽しんでいた思い出しかないんです。それ以降も、引きずるということはなかったですね。 ――インターハイに行けなかったり、負けてしまったりして落ち込む選手も多いです。 高山 インターハイは通過点です。米国など海外は、高校生年代の全国大会がないと聞きます。インターハイがあるからといって身体を潰してまでがんばる必要はないので、気楽に楽しく挑戦してほしいです。 ――中学、高校で大切にしてほしいことはありますか。 高山 なるべくなら、がんばりすぎないで伸び伸びやってほしいですね。最近は中学や高校で、すごく身体を鍛えている選手も多いように感じます。成長期に鍛え過ぎると潜在能力を制御して、自然な動きができなくなるように思います。大学生になってから補強などで大きくすればいいのかなって。中学、高校では無理せず、陸上を楽しんでください。 構成/向永拓史 WEB特別インタビュー第1弾 走幅跳・橋岡優輝「楽しみながらいろいろな競技を」

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.08

女子400mのナセルがアディダスと契約 パリ五輪銀、東京世界陸上銅メダリスト

女子400mのアジア記録保持者、S.E.ナセル(バーレーン)がアディダスとのプロ契約を結んだことを発表した。自身のSNSで契約締結に関して「新たな挑戦と歴史的偉業に向け、アディダスの献身的な取り組みとパートナーシップは極 […]

NEWS 全米クロカン選手権はウォルフとケラティ・フレスギが制す 世界陸上入賞・ヤングら上位選手が26年1月の世界クロカン代表に内定

2025.12.08

全米クロカン選手権はウォルフとケラティ・フレスギが制す 世界陸上入賞・ヤングら上位選手が26年1月の世界クロカン代表に内定

12月6日、米国・オレゴン州ポートランドで全米クロスカントリー選手権(10km)が行われ、男子はP.ウォルフが29分17秒で、女子はW.ケラティ・フレスギが33分46秒で優勝した。 女子を制したケラティ・フレスギはパリ五 […]

NEWS 3月のThe TENから7月にかけて17大会を実施! 26年実施の米国陸連ツアー日程発表

2025.12.08

3月のThe TENから7月にかけて17大会を実施! 26年実施の米国陸連ツアー日程発表

米国陸連(USATF)は12月5日、来年実施するUSATFツアー17大会の日程を発表した。 米国では連盟が統括するツアーの立ち上げを10月に発表しており、年次総会で対象大会と日程が決定された。3月28日のThe TENを […]

NEWS 400mH・ベンジャミンと短距離のジェファーソン・ウッデンが年間最優秀賞! 米国陸連が年間表彰者発表

2025.12.08

400mH・ベンジャミンと短距離のジェファーソン・ウッデンが年間最優秀賞! 米国陸連が年間表彰者発表

米国陸連(USATF)は12月5日、2025年の年間表彰者を発表した。 レジェンドの名を冠した年間最優秀賞は、男子(ジェシー・オーエンス賞)が400mハードルのR.ベンジャミン、女子(ジャッキー・ジョイナー=カーシー賞) […]

NEWS 福岡国際と防府読売、2つのマラソンは2人の「西山」が2時間7分台でロス五輪MGC切符つかむ

2025.12.08

福岡国際と防府読売、2つのマラソンは2人の「西山」が2時間7分台でロス五輪MGC切符つかむ

MGCシリーズ2025-26男子G1の福岡国際マラソンと防府読売マラソンの2大会が12月7日に行われた。 福岡国際はバイエリン・イエグゾー(エチオピア)が2時間7分51秒で優勝。2位には西山雄介(トヨタ自動車)が2時間7 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top