2021.02.19
第104回日本選手権20km競歩が2月21日に兵庫県神戸市で行われる。今や男子の日本競歩は「世界一」。2019年のドーハ世界選手権では20km・50kmともに金メダルを獲得している。20kmの世界歴代10傑には、世界記録1時間16分36秒の鈴木雄介(富士通)を含め4人の日本人がランクイン。今回、50kmで五輪代表に内定している鈴木の出場はないものの、文字通りワールドクラスの歩きが見られそうだ。
男子は、東京五輪の代表に内定している3人が出場予定。その筆頭が山西利和(愛知製鋼)だ。ドーハで金メダルを獲得して五輪代表に内定。昨年のこの大会でも1時間17分36秒で初優勝を飾っている。その後は五輪の延期により調整の変更を余儀なくされたが、その期間を身体の動きを確認する時間に充てた。9月には5000m競歩でアジア最高(当時)となる18分34秒88をマーク。持ち前のフォームや条件・相手に左右されない歩きに加え、確実にスピードはアップした。これまで4レースで1時間17分台をマークしているように、安定感と勝負強さは群を抜いている。
五輪代表の2枠目をつかんだのが東洋大4年の池田向希。19年はユニバーシアードで大学世界一に輝くと、初出場だったドーハ世界選手権では6位入賞を果たしているホープだ。その持ち味は驚異的なスピード。昨年10月には5000m競歩で山西の作った記録をさらに更新する18分20秒14をマークし、10000m競歩でも37分25秒90と世界最高記録を上回った。春から名門・旭化成の一員となる若きウォーカーが初優勝を狙う。
10000m競歩37分25秒21で池田に競り勝ち“世界最高”の称号を手にしたのが高橋英輝(富士通)。リオ五輪代表で、世界選手権には15、17、19年と3度出場している。すでに2大会連続五輪となる代表に決まっている。日本選手権では15年から19年まで5連覇。2年ぶりの優勝なるか。
このトップ3が抜けているが、ここに食らいつく勢いを見せているのが古賀友太(明大)。大牟田高時代にはインターハイを制しているスピードウォーカーで、昨秋のトラックレースでは、5000m競歩18分26秒70、10000m競歩37分35秒00をマークしている。まだ安定感は欠けるが、勝負所で積極的な歩きを見せられれば五輪代表の一角を崩すかもしれない。
他にも、残り1枠となった50km競歩で五輪を狙う有力選手たちもエントリー。リオ五輪50km銅メダリストの荒井広宙(富士通)、野田明宏(自衛隊体育学校)経験豊富な藤澤勇(ALSOK)、ケガからの復活を期す松永大介(富士通)らが虎視眈々と上位を狙う。
今大会は新型コロナウイルスの影響により国際審判を招くことができず、世界記録としては公認されないことが決まっているものの、日本記録としては公認される。世界基準の歩きでどんな記録が出るか注目される。
女子も五輪代表に決まっている岡田久美子(ビックカメラ)と藤井菜々子(エディオン)の2人がエントリー。岡田は19年世界選手権で初入賞となる6位に入った。日本選手権は15年から昨年まで6連覇中。1時間27分41秒の日本記録をさらに引き上げられるか。今年は元旦競歩10kmで43分39秒と順調にシーズンインしている。
藤井もドーハでは7位入賞と初出場ながら動じない歩きを見せた。ケガもあって昨年の日本選手権を欠場。急ピッチで仕上げた3月の全日本競歩能美を制して五輪代表を決めたが、その後はレースから遠ざかっている。五輪本番に向け、どこまで調子を戻しているか。
2人を崩すのは容易ではないが、五輪代表はあと1枠残されており、2人を除いた最上位となり、6月13日までに日本陸連が定める派遣設定記録(1時間30分00秒)をクリアすれば代表に内定する。学生時代から活躍する河添香織(自衛隊体育学校)やベテラン・渕瀬真寿美(建装工業)らがどんな歩きを見せるか注目したい。
2月21日、男子は8時50分、女子は10時40分にスタート。午後からは同時開催でU20選抜競歩大会(男子10km、女子5km)も開催される。レースの様子はYouTube日本陸連公式チャンネルでライブ配信される。
第104回日本選手権20km競歩が2月21日に兵庫県神戸市で行われる。今や男子の日本競歩は「世界一」。2019年のドーハ世界選手権では20km・50kmともに金メダルを獲得している。20kmの世界歴代10傑には、世界記録1時間16分36秒の鈴木雄介(富士通)を含め4人の日本人がランクイン。今回、50kmで五輪代表に内定している鈴木の出場はないものの、文字通りワールドクラスの歩きが見られそうだ。
男子は、東京五輪の代表に内定している3人が出場予定。その筆頭が山西利和(愛知製鋼)だ。ドーハで金メダルを獲得して五輪代表に内定。昨年のこの大会でも1時間17分36秒で初優勝を飾っている。その後は五輪の延期により調整の変更を余儀なくされたが、その期間を身体の動きを確認する時間に充てた。9月には5000m競歩でアジア最高(当時)となる18分34秒88をマーク。持ち前のフォームや条件・相手に左右されない歩きに加え、確実にスピードはアップした。これまで4レースで1時間17分台をマークしているように、安定感と勝負強さは群を抜いている。
五輪代表の2枠目をつかんだのが東洋大4年の池田向希。19年はユニバーシアードで大学世界一に輝くと、初出場だったドーハ世界選手権では6位入賞を果たしているホープだ。その持ち味は驚異的なスピード。昨年10月には5000m競歩で山西の作った記録をさらに更新する18分20秒14をマークし、10000m競歩でも37分25秒90と世界最高記録を上回った。春から名門・旭化成の一員となる若きウォーカーが初優勝を狙う。
10000m競歩37分25秒21で池田に競り勝ち“世界最高”の称号を手にしたのが高橋英輝(富士通)。リオ五輪代表で、世界選手権には15、17、19年と3度出場している。すでに2大会連続五輪となる代表に決まっている。日本選手権では15年から19年まで5連覇。2年ぶりの優勝なるか。
このトップ3が抜けているが、ここに食らいつく勢いを見せているのが古賀友太(明大)。大牟田高時代にはインターハイを制しているスピードウォーカーで、昨秋のトラックレースでは、5000m競歩18分26秒70、10000m競歩37分35秒00をマークしている。まだ安定感は欠けるが、勝負所で積極的な歩きを見せられれば五輪代表の一角を崩すかもしれない。
他にも、残り1枠となった50km競歩で五輪を狙う有力選手たちもエントリー。リオ五輪50km銅メダリストの荒井広宙(富士通)、野田明宏(自衛隊体育学校)経験豊富な藤澤勇(ALSOK)、ケガからの復活を期す松永大介(富士通)らが虎視眈々と上位を狙う。
今大会は新型コロナウイルスの影響により国際審判を招くことができず、世界記録としては公認されないことが決まっているものの、日本記録としては公認される。世界基準の歩きでどんな記録が出るか注目される。
女子も五輪代表に決まっている岡田久美子(ビックカメラ)と藤井菜々子(エディオン)の2人がエントリー。岡田は19年世界選手権で初入賞となる6位に入った。日本選手権は15年から昨年まで6連覇中。1時間27分41秒の日本記録をさらに引き上げられるか。今年は元旦競歩10kmで43分39秒と順調にシーズンインしている。
藤井もドーハでは7位入賞と初出場ながら動じない歩きを見せた。ケガもあって昨年の日本選手権を欠場。急ピッチで仕上げた3月の全日本競歩能美を制して五輪代表を決めたが、その後はレースから遠ざかっている。五輪本番に向け、どこまで調子を戻しているか。
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