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2025.08.14

【世界陸上プレイバック】―17年ロンドン―10000mでファラー3連覇 荒井広宙が50km競歩で銀 18歳サニブラウンは200mファイナル進出
【世界陸上プレイバック】―17年ロンドン―10000mでファラー3連覇 荒井広宙が50km競歩で銀 18歳サニブラウンは200mファイナル進出

男子10000mで3連覇を果たしたM.ファラ―(英国)

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。

これまで数々のスーパースター、名勝負が生まれた世界陸上の各大会の様子を紹介する『世界陸上プレイバック』。2017年に英国のロンドンで行われた第16回大会を振り返る。

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ファラーが世界大会10連勝

地元・英国のスターで、前回2大会連続の男子5000m、10000m2冠を達成したモハメド・ファラー。今大会を最後にトラックからマラソンに転向することを表明していたため、これが最後の世界大会でのトラックレースとなった。ライバル選手たちから徹底マークされるなか、前人未踏の3大会連続2冠となるか注目が集まった。

持ち味である類まれなスパートで、ライバルたちを圧倒してきたファラ―。10000mではラストスパートに分のあるファラーに対して、アフリカ勢がハイペースに持ち込み、ふるい落とす作戦に出る。1000mは2分39秒、5000mは13分33秒と26分台が狙えるペースでレースは推移した。

ペースの激しい上げ下げがあるなか、ファラーはこれにしっかりと対応し、残り1周で先にスパートを仕掛ける。これにジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)、ポール・タヌイ、ビダン・カロキ(ともにケニア)らが食い下がるも、先頭を譲らない。

残り100mでファラーの2段階スパートが炸裂。ライバルを置き去りにして、26分49秒51のセカンドベストで3連覇を飾り、世界大会のトラックレースで10連勝を果たした。

大会9日目に行われた5000mは、10000mとは打って変わって、スローペースでレースは展開された。残り1周の段階で先頭集団に残っており、ファラーの優勝は固いと思われたが、エチオピア勢にポケットされるようなかたちになり、なかなか前に出ることができない。

残り100mで渾身のスパートを見せるも、ムクタル・エドリス(エチオピア)に先着を許して、13分33秒22の2位。3大会連続の2冠はならなかったが、地元のファンからは惜しみない拍手が送られた。

今大会が引退レースとなった男子100m、200mの世界記録保持者、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)は100mと4×100mリレーに出場。3大会連続4回目の優勝が懸かる100mは予選、準決勝をそれぞれ2着通過。

迎えた決勝はスタートで出遅れ、ライバルであるジャスティン・ガトリン(米国)、21歳の新鋭・クリスチャン・コールマン(同)らに先行を許す。80m付近から猛烈に追い上げるも届かず、ガトリンが9秒92(-0.8)で6大会ぶりに金メダルを獲得した。コールマンが9秒94で2位に続き、ボルトは9秒95で3位だった。

ラストレースとなった4×100mリレー決勝はまさかの結末に。3走からバトンをもらってすぐ、左脚ハムストリングスに肉離れを起こして途中棄権に終わった。最終日のすべての競技が終了した後には引退セレモニーが実施され、満員の観客、世界中のファンに別れを告げた。

今大会から新規種目として導入されたのが女子50km競歩は、イネス・エンリケス(ポルトガル)が4時間5分56秒で初代女王となった。レースは中盤から尹航(中国)との一騎打ちに。後半に入ってエンリケスが突き放し、徐々にリードを広げて逃げ切った。男子50km競歩は世界記録保持のヨアン・ディニ(フランス)が序盤から独歩。3時間33分12秒の大会新記録で制した。

番狂わせのレースとなったのが男子4×400mリレー。この種目は米国が6連覇しており、今回も米国が優勝候補の筆頭だったが、人口約150万人のトリニダード・トバゴが2分58秒12で破る大金星を挙げた。

レースは米国が先頭で推移。トリニダード・トバコは3走のマシェル・セデニオが米国の背後まで追い上げる。4走はロンドン五輪400m銅メダリストのラロンデ・ゴードン。米国の背後にピタリとつくと、ホームストレートで米国を抜き去り、同国に初の金メダルをもたらした。

男子400mでは前年のリオ五輪で43秒03の世界新記録を樹立したウェイド・ファン・ニーケアク(南アフリカ)が43秒98で連覇達成。フィニッシュ直前で流しながら、43秒台を叩き出す圧勝だった。

女子やり投では72m28の世界記録を持つバルボラ・シュポターコヴァ(チェコ)が66m76で3大会ぶり3回目の優勝。女子走幅跳では09年のベルリン大会から3連覇していたブリトニー・リース(米国)がダリヤ・クリシナ(ロシア)と2㎝差の接戦を制し、7m02(+0.1)で2大会ぶり4回目の優勝を果たした。

日本勢は男子50km競歩でトリプル入賞

日本からは男子34選手、女子13選手が出場。銀メダル1つ、銅メダル2つを含む5つの入賞を数えた。

男子50km競歩では、荒井広宙(自衛隊体育学校)が3時間41分17秒で銀メダル、小林快(ビックカメラ)が3時間41分19秒で銅メダル、丸尾知司(愛知製鋼)が3時間43分03秒で4位に入り、トリプル入賞を達成した。

男子50km競歩でトリプル入賞の快挙(左から3位小林快、2位荒井広宙、4位丸尾知司)

レースは世界記録保持者のディニが序盤から一人旅。日本勢は第2集団でレースを進めた。36km付近で荒井が仕掛けると、小林も食らいつき、2位集団は2人に絞られる。そのまま最後まで2人で歩き続け、男子では初となる同一種目での複数メダルを獲得した。丸尾は2人からやや遅れるかたちとなったが、終盤に順位を徐々に上げる手堅いレース運びを見
せた。

男子4×100mリレーでは多田修平(関学大)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(東洋大)、藤光謙司(ゼンリン)のオーダーで挑み、38秒04で銅メダル。この種目では世界陸上で初のメダルを獲得した。

4走の藤光にバトンが渡った時点で日本は4位。しかし、3位を走っていたジャマイカのボルトが脚を痛めて途中棄権となり、日本が3位でフィニッシュした。

男子200mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)が20秒63(-0.1)で7位入賞。同種目において18歳5ヵ月での決勝進出は、ボルトの18歳11ヵ月の史上最年少記録を塗り替えるものだった。

サニブラウンは100mでも予選で10秒05(-0.6)の自己タイ記録で組1位となり、準決勝進出。決勝に進むことはできなかったが、世界に確かな爪痕を残した。

女子100mハードルでは木村文子(エディオン)が、同種目で日本人初のセミファイナリストとなった。好スタートを決め、中盤まで先頭に争いを演じて13秒29(+0.5)の8着だった。

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これまで数々のスーパースター、名勝負が生まれた世界陸上の各大会の様子を紹介する『世界陸上プレイバック』。2017年に英国のロンドンで行われた第16回大会を振り返る。

ファラーが世界大会10連勝

地元・英国のスターで、前回2大会連続の男子5000m、10000m2冠を達成したモハメド・ファラー。今大会を最後にトラックからマラソンに転向することを表明していたため、これが最後の世界大会でのトラックレースとなった。ライバル選手たちから徹底マークされるなか、前人未踏の3大会連続2冠となるか注目が集まった。 持ち味である類まれなスパートで、ライバルたちを圧倒してきたファラ―。10000mではラストスパートに分のあるファラーに対して、アフリカ勢がハイペースに持ち込み、ふるい落とす作戦に出る。1000mは2分39秒、5000mは13分33秒と26分台が狙えるペースでレースは推移した。 ペースの激しい上げ下げがあるなか、ファラーはこれにしっかりと対応し、残り1周で先にスパートを仕掛ける。これにジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)、ポール・タヌイ、ビダン・カロキ(ともにケニア)らが食い下がるも、先頭を譲らない。 残り100mでファラーの2段階スパートが炸裂。ライバルを置き去りにして、26分49秒51のセカンドベストで3連覇を飾り、世界大会のトラックレースで10連勝を果たした。 大会9日目に行われた5000mは、10000mとは打って変わって、スローペースでレースは展開された。残り1周の段階で先頭集団に残っており、ファラーの優勝は固いと思われたが、エチオピア勢にポケットされるようなかたちになり、なかなか前に出ることができない。 残り100mで渾身のスパートを見せるも、ムクタル・エドリス(エチオピア)に先着を許して、13分33秒22の2位。3大会連続の2冠はならなかったが、地元のファンからは惜しみない拍手が送られた。 今大会が引退レースとなった男子100m、200mの世界記録保持者、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)は100mと4×100mリレーに出場。3大会連続4回目の優勝が懸かる100mは予選、準決勝をそれぞれ2着通過。 迎えた決勝はスタートで出遅れ、ライバルであるジャスティン・ガトリン(米国)、21歳の新鋭・クリスチャン・コールマン(同)らに先行を許す。80m付近から猛烈に追い上げるも届かず、ガトリンが9秒92(-0.8)で6大会ぶりに金メダルを獲得した。コールマンが9秒94で2位に続き、ボルトは9秒95で3位だった。 ラストレースとなった4×100mリレー決勝はまさかの結末に。3走からバトンをもらってすぐ、左脚ハムストリングスに肉離れを起こして途中棄権に終わった。最終日のすべての競技が終了した後には引退セレモニーが実施され、満員の観客、世界中のファンに別れを告げた。 今大会から新規種目として導入されたのが女子50km競歩は、イネス・エンリケス(ポルトガル)が4時間5分56秒で初代女王となった。レースは中盤から尹航(中国)との一騎打ちに。後半に入ってエンリケスが突き放し、徐々にリードを広げて逃げ切った。男子50km競歩は世界記録保持のヨアン・ディニ(フランス)が序盤から独歩。3時間33分12秒の大会新記録で制した。 番狂わせのレースとなったのが男子4×400mリレー。この種目は米国が6連覇しており、今回も米国が優勝候補の筆頭だったが、人口約150万人のトリニダード・トバゴが2分58秒12で破る大金星を挙げた。 レースは米国が先頭で推移。トリニダード・トバコは3走のマシェル・セデニオが米国の背後まで追い上げる。4走はロンドン五輪400m銅メダリストのラロンデ・ゴードン。米国の背後にピタリとつくと、ホームストレートで米国を抜き去り、同国に初の金メダルをもたらした。 男子400mでは前年のリオ五輪で43秒03の世界新記録を樹立したウェイド・ファン・ニーケアク(南アフリカ)が43秒98で連覇達成。フィニッシュ直前で流しながら、43秒台を叩き出す圧勝だった。 女子やり投では72m28の世界記録を持つバルボラ・シュポターコヴァ(チェコ)が66m76で3大会ぶり3回目の優勝。女子走幅跳では09年のベルリン大会から3連覇していたブリトニー・リース(米国)がダリヤ・クリシナ(ロシア)と2㎝差の接戦を制し、7m02(+0.1)で2大会ぶり4回目の優勝を果たした。

日本勢は男子50km競歩でトリプル入賞

日本からは男子34選手、女子13選手が出場。銀メダル1つ、銅メダル2つを含む5つの入賞を数えた。 男子50km競歩では、荒井広宙(自衛隊体育学校)が3時間41分17秒で銀メダル、小林快(ビックカメラ)が3時間41分19秒で銅メダル、丸尾知司(愛知製鋼)が3時間43分03秒で4位に入り、トリプル入賞を達成した。 [caption id="attachment_179252" align="alignnone" width="800"] 男子50km競歩でトリプル入賞の快挙(左から3位小林快、2位荒井広宙、4位丸尾知司)[/caption] レースは世界記録保持者のディニが序盤から一人旅。日本勢は第2集団でレースを進めた。36km付近で荒井が仕掛けると、小林も食らいつき、2位集団は2人に絞られる。そのまま最後まで2人で歩き続け、男子では初となる同一種目での複数メダルを獲得した。丸尾は2人からやや遅れるかたちとなったが、終盤に順位を徐々に上げる手堅いレース運びを見 せた。 男子4×100mリレーでは多田修平(関学大)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(東洋大)、藤光謙司(ゼンリン)のオーダーで挑み、38秒04で銅メダル。この種目では世界陸上で初のメダルを獲得した。 4走の藤光にバトンが渡った時点で日本は4位。しかし、3位を走っていたジャマイカのボルトが脚を痛めて途中棄権となり、日本が3位でフィニッシュした。 男子200mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)が20秒63(-0.1)で7位入賞。同種目において18歳5ヵ月での決勝進出は、ボルトの18歳11ヵ月の史上最年少記録を塗り替えるものだった。 サニブラウンは100mでも予選で10秒05(-0.6)の自己タイ記録で組1位となり、準決勝進出。決勝に進むことはできなかったが、世界に確かな爪痕を残した。 女子100mハードルでは木村文子(エディオン)が、同種目で日本人初のセミファイナリストとなった。好スタートを決め、中盤まで先頭に争いを演じて13秒29(+0.5)の8着だった。

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