2025.01.30
近藤いおんPROFILE
◎こんどう・いおん/2006年4月17日生まれ。埼玉県三郷市出身。出身校は彦成中―東京・城西高。小学5年で陸上を始め、6年時には2018年全国小学生交流大会に4×100mリレー(4走)で出場する。中学から流山ホークアイに所属し、2年時の2020年全国中学生大会走幅跳で8位。3年時には21年全中で2位に入り、U16大会を制している。高校1年時にはU20世界選手権に出場し、国体少年共通とU18大会は優勝。2年時の23年インターハイでは2位に入っている。3年時の昨年は、日本選手権で4位に入ると、インターハイでは頂点に立った。自己ベストは走幅跳6m22(24年)

24年インターハイで優勝した近藤いおん選手
1位しか狙っていなかった24年インターハイ
――2024年シーズンを振り返っていかがでしたか。 近藤 昨年は、日本選手権4位以内とインターハイ優勝という2つの目標を掲げて挑んだシーズンで、どちらも達成することができたので満足するシーズンでした。記録の点では5月の東京都大会で、風とコンディションが噛み合って6m22(+0.9)を出せましたが、そこから後半シーズンに向けて記録を上げていければ良かったのですが、調子が噛み合わなかったりして、そこは少し残念でした。 ――日本選手権は6m16(+1.0)で目標どおりに4位入賞でした。 近藤 2022年と2023年は予選落ちだったので、今年は勝負をしたいという思いでした。うまく調整して、雨の中の試合でしたが、万全の状態で挑めたと思います。3本目で決勝進出を決めたので、もっと早い段階で決めておけば良かったという反省点はありますが、日本の一番大きな大会で堂々と記録を残せたのは自分を褒めてあげてもいいかなという感じです。 ――自分自身の成長をどのように感じましたか。 近藤 日本選手権は3回目ということもあって、ガチガチの緊張もなく、顔見知りの先輩方もたくさんいたので、心地良い緊張がありました。割とリラックスした状態で試合に挑めたので、普段どおりの実力を出せたところが成長できた部分かなと思っています。 ――それから1ヵ月後の福岡インターハイに臨む際の心境は。 近藤 高校生にとって一番大事な大会のインターハイでは絶対に勝ちたいと考えていました。2年生のインターハイは2位で、ものすごく悔しい思いをしたので、勝ち以外はないというか、1位しか狙っていなかったです。 ――6回目の6m11(+0.3)で劇的な逆転優勝。勝負強かったですね。 近藤 ありがとうございます。前半3本で優勝できるような記録を出すというプランで、そのとおりには行きませんでしたが、最後の1本で冷静に判断できたのは良かったです。ファウルさえしなければ、1位になれる記録を出せる自信はあったので、そこまで焦ることなく、落ち着いた気持ちで6本目は挑めました。 ――中学時代は全中2位。1年時にU20世界選手権に出場したり、国体やU18大会優勝といった実績はありますが、インターハイ優勝はやはり違うものですか。 近藤 「おめでとう」と言ってくれる人が多くて、インターハイ優勝はすごく価値があるものなんだなと改めて実感しました。 ――10月の国民スポーツ大会でシーズン最終戦を終えてから少しはゆっくりできましたか。 近藤 はい、2週間ぐらい動かず、身体を休めました。11月ぐらいから徐々に冬季練習に入りました。 ――冬季練習はどんなことに取り組んでいますか。 近藤 春から大学生になるにあたって、筋力が必要になってくるので、新たにウエイトトレーニングを取り入れて、週1回、ジムで少し本格的にやっています。主に下半身を強化する種目を猿山(力也)コーチから教えていただきながらやっています。 ――ウエイトトレーニング以外の日は。 近藤 珍しいかもしれませんが、冬でもスパイクを履いて、暖かい日は思い切り跳びますし、寒い日は走るメニューが多いです。そのあたりは去年のシーズンと変わっていません。 ――高校生として出場する試合予定は。 近藤 2月1日、2日の大阪室内です。国スポからだいぶ間が開いたので、試合勘を取り戻すことと、6mを2本そろえられればノルマのクリアかなと考えています。 ――3月には高校卒業です。高校3年間の1番の思い出は。 近藤 高校1年生の4月に6m13を跳んで、そこからいろいろ世界が広がりました。U20世界選手権や日本選手権に出場できるようになって、日本の強い人たちと一緒に遠征したり、世界の舞台でさらに強い人たちを見ることができたのは一番の宝物になりました。 ――春から日大に進学するそうですが、城西高顧問の山村(貴彦)先生や猿山コーチの母校というのも理由ですか。 近藤 いろいろな大学を考えましたが、3年後のロス五輪を目指すと考えた時、大事なのは今の練習環境を変えないことかなと。それができる日本大学に行きたいと思いました。 ――2025年の目標、そして大学4年間での目標は。 近藤 大学4年時に行われるロス五輪に出場して結果を残すことが一番の目標です。3年生まではその準備期間というイメージです。ひとまず1年生ではワールドユニバーシティゲームズの選考会でもある4月の日本学生個人選手権には出たいです。 ――自己記録の6m22は、今後どのように伸ばしていきたいですか。 近藤 近年の国際大会の参加標準記録が6m86前後なので、それを考えると6m40、6m60という感じで行かないといけません。だから今年は6m40台を跳べればいいなと思っています。 ――競技者として将来の目標は。 近藤 陸上は自分が飽きるまで続けたいです。続けていく中で、オリンピックに出場したりしながら、常に第一線で活躍できる選手でありたいです。高校は都内、練習拠点はクラブチーム
――陸上はいつからどんなきっかけで始めましたか。 近藤 小学5年で地域のクラブチームに入って走幅跳を始めました。確か父の勧めだったと思います。中学1年から流山ホークアイ(千葉)に移り、猿山コーチから指導を受けています。 ――他のスポーツ歴は。 近藤 テニスと器械体操をやっていました。でも、6年生の時、県大会のリレーで奇跡の逆転で日清カップ(全国小学生交流大会)に出場できて、一気に陸上の楽しさを知り、これからも陸上をやりたいなと思うようになりました。 ――走幅跳の魅力を教えてください。 近藤 一人ひとり、助走の出だしや着地で個性が出るところと、助走、踏み切り、着地と3分割できる中で、1つでもミスしたらうまくいかないですし、一人ひとり、助走の出だしや着地で個性が出るのがやっていて楽しいです。 ――そういう中でご自身の強みは。 近藤 高校3年間、同世代の大会で予選落ちしたことがないので、試合に合わせられる調整力は他の人より高いと思います。あとはプレッシャーを感じて押しつぶされそうになることはありません。 ――城西高校に進学した経緯は。 近藤 顧問の山村先生と猿山コーチが日大の先輩と後輩で、入学後の練習拠点も流山でできるようにうまく連携を取ってくださったので進学を決めました。城西は先輩方がサングラスをつけて試合に出ていて、「かっこいい」という印象だったので、そんなチームの一員になれたのはとてもうれしかったです。 ――練習拠点は千葉・流山、学校は都内です。どんな生活サイクルだったのですか。 近藤 授業が終わったら埼玉に帰って、近所の競技場に猿山さんが来てくださって指導していただいています。城西高校のみんなとは、試合の時に一緒に臨むという感じです。 ――SNSでは城西のチームメイトの活躍などに刺激を受けているようですね。 近藤 陸上部の同期は女子が5人で、短距離のロス瑚花アディアと日高彩葉は同じクラスなので、よく陸上の話もしますし、お互いに高め合える仲間です。 ――入学当初に立てた高校3年間の目標。 近藤 1年生のシーズンは「インターハイに出場できれば」ぐらいの感じでしたが、4月に6m13を跳んで、「3年間でインターハイ優勝」と目標が明確になり、世界が広がった感じです。 [caption id="attachment_160660" align="alignnone" width="800"]
近藤いおんPROFILE
◎こんどう・いおん/2006年4月17日生まれ。埼玉県三郷市出身。出身校は彦成中―東京・城西高。小学5年で陸上を始め、6年時には2018年全国小学生交流大会に4×100mリレー(4走)で出場する。中学から流山ホークアイに所属し、2年時の2020年全国中学生大会走幅跳で8位。3年時には21年全中で2位に入り、U16大会を制している。高校1年時にはU20世界選手権に出場し、国体少年共通とU18大会は優勝。2年時の23年インターハイでは2位に入っている。3年時の昨年は、日本選手権で4位に入ると、インターハイでは頂点に立った。自己ベストは走幅跳6m22(24年) [caption id="attachment_160661" align="alignnone" width="800"]
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