2023.09.12
9月14日から4日間、天皇賜盃第92回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)が埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われる。母校の誇りと、負けられない個人のプライドを懸けた学生たちの日本一決定戦。ここでは男子トラック種目の注目選手をピックアップしていく。
今夏のブダペスト世界選手権に出場した“日本代表”も出場。見逃し厳禁となりそうだ。
100mにはアジア選手権覇者で、ブダペストで準決勝に進んだ栁田大輝(東洋大)がエントリーしている。今季、日本リスト2位の10秒02(学生歴代2位)。好調のスタートから飛び出して9秒台なるか。200mでアジア選手権を制し、こちらも世界選手権で準決勝に進出した鵜澤飛羽(筑波大)は個人では200mを回避して100mのみ登録。アジア王者対決が実現するかもしれない。
前回覇者でアジア大会リレー代表の宇野勝翔(順大)、早大のエースに成長した井上直紀、中村彰太(東洋大)ら実力者もそろう。10秒15をマークしている大上直起(仙台大)にも注目だ。
前回Vの鵜澤が不在の200mは、ワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)代表で20秒43を持つ西裕大(早大)がランキングトップ。ここに、宇野、そして東京五輪4×400mリレー代表の鈴木碧斗(東洋大)らが絡みそう。関西勢も好調で、松井健斗(関大)は虎視眈々と上位をうかがっている。
400mはブダペスト世界選手権の準決勝で学生歴代2位となる45秒04を叩き出した中島佑気ジョセフ(東洋大)が連覇を狙う。同4×400mリレー代表の今泉堅貴(筑波大)や、メルドラム・アラン(東農大)、井上大地(日大)も力を秘めている。
中距離は前回4年生が制しており連覇はない。800mは金子魅玖人(中大)が復活なるか。1500mはアジア選手権銀メダルの高橋佑輔(北大)がランキングトップ。しかし、東京国際大の強力留学生アモス・ベットもどんな走りをするか注目が集まる。
5000mには三浦龍司(順大)がエントリーしているが、昨年同様ダイヤモンドリーグ・ファイナルへの出場が決まっているため回避となりそう。ランキングトップは後輩の吉岡大翔で13分22秒99はU20日本歴代2位。学生初タイトルなるか。10000mは駅伝を控える有力校の出場が少ない。留学生では東京国際大のもう一人の最強と呼び声高い学生記録保持者(27分06秒88)リチャード・エティーリが爆走するか。関大のエース・亀田仁一路が前回に続いて日本人トップを狙う。駅伝有力校では國學院大の伊地知賢造は5000mと10000mの2種目にエントリーしている。3000m障害はランキングトップの大吉優亮(帝京大)が連覇を狙う。
ハードルは大きな注目が集まる。110mハードルはすでにパリ五輪参加標準記録を突破する13秒18を持つ村竹ラシッド(順大)が2年連続3度目の優勝を目指す。そこにまったをかけるのが13秒57を持つ小池綾(法大)や、関東インカレ覇者の池田海、高校記録保持者の西徹朗という早大コンビら。ユニバ8位の宮﨑匠(中大)も力がある。
400mハードルはブダペスト世界選手権の準決勝で48秒58と、パリ五輪参加標準記録を突破した黒川和樹(法大)が大本命。一時は不調に陥っていたが世界の舞台で復活した。前回1位、2位の田中天智龍(早大)、豊田兼(慶大)、日本選手権優勝の小川大輝(東洋大)、順大の主将・出口晴翔と、まさにタレントがそろった。
10000m競歩はオレゴン世界選手権入賞で前回覇者の住所大翔(順大院)がエントリーせず。それでも、順大勢が強力で前回3位・ユニバ5位の立岩和大(順大)、ユニバ2位の萬壽春輝、下池将多郎とランキング上位を独占している。
前回、4×100m、4×400mの両リレーは筑波大が2冠。4×100mは関東インカレVの東洋大、順大、東海大も有力だ。フィナーレを飾るマイルは東洋大が復権なるか。早大も強力布陣になりそう。
男子総合優勝は順大が2連覇中。フィールド種目中心に加点する日大も奪還を目論む。学生ナンバー1を懸けた熱きは、9月14日に幕を開ける。
【みどころ】
男子フィールド編
世界陸上代表・柄澤智哉が登場 鳥海勇斗、宮尾真仁に好記録の予感 80mスロワー・巖ら投てきも多士済々
女子トラック編
400mH日本代表・山本亜美が連覇狙う!1500m道下VS樫原、ハイレベルな100mH、競歩の日本代表勢など注目多数
女子フィールド編
円盤投・齋藤真希、ハンマー投・村上来花の日本代表勢に注目 三段跳・学生記録持つ船田、走幅跳は混戦模様
■天皇賜盃第92回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)
9月14日(金)~17日(日)/埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
<外部リンク>
大会HP
記録速報
大会の模様は「あすリートチャンネル」でライブ配信
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