陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が8月19日から8月27日まで、ハンガリー・ブダペストの国立競技場で行われている。
日本とハンガリーとの時差は7時間。現地の午前セッションは日本時間の昼過ぎから20時頃まで、午後セッションは深夜から未明にかけて実施される。
午後セッションのみが開催されるDay4(日本時間23日、以下同)の注目は、三浦龍司(順大)と青木涼真(Honda)が出場する男子3000m障害決勝(午前4時42分)だ。
大会初日に行われた予選で、三浦は3組を8分18秒73の4着で悠々と通過。予選落ちだった前回の悔しさを見事に晴らした。「自分がやりたいステージのスタートライン」となる決勝は、「自分ができる最高のパフォーマンスをしたい」。7位だった2021年東京五輪以来の入賞、そして上位進出へ、気合十分だ。
その三浦よりも一足先に1組5着で自身初の世界大会決勝進出を果たした青木も、念願の舞台で磨いてきたスピードをぶつける。
東京五輪を含む世界大会3連勝に挑むソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)と、7分52秒11の世界記録保持者ラメチャ・ギルマ(エチオピア)の激突も見逃せない。
さらに、男子走高跳決勝(午前2時55分)に挑む赤松諒一(アワーズ)にも、前回の真野友博(九電工)に続く日本勢連続入賞に期待が懸かる。
2日前の予選は、跳び始めの2m14から2m28まで、すべて一発で成功する安定した跳躍を披露。3連覇を狙うムタズ・エッサ・バルシム(カタール)、ジュヴォーン・ハリソン(米国)という今季世界リスト1位、2位にの2人に並ぶ堂々の全体1位で突破した。
決勝でも同じようにミスなくバーを越えていけば、入賞は確実に見えてくる。予選後に「自己ベストを出せればいい」と語っていた赤松。7月のトワイライト・ゲームスで出した日本歴代8位タイの2m30を上回れば、メダル争いに絡む可能性も十分ある。
日本勢3人がそろって予選を突破した男子400m準決勝(午前4時)も見どころの一つだ。
予選で32年ぶり日本新となる44秒77をマークした佐藤拳太郎(富士通)は1組6レーンに入った。8レーンには世界記録(43秒03)を持つウェイド・ファン・ニーケアク(南アフリカ)がいるほか、今季に自己ベストを出した選手がずらり。
佐藤拳太郎に続いて日本人3人目の44秒台突入(44秒97)を果たした佐藤風雅(ミズノ)は、2組6レーン。予選では外側にいた12年ロンドン五輪覇者のキラニ・ジェームス(グレナダ)が、今度は内側に入った。
日本選手権王者の中島佑気ジョセフ(東洋大)は3組8レーンで、2大会ぶり優勝を狙うスティーヴン・ガーディナー(ガーナ)と同組だ。各組2着と、タイム上位2名が決勝に進出。高野進の日本記録を塗り替えたいま、1991年東京世界選手権、92年バルセロナ五輪と連続入賞した高野以来のファイナル進出が最大のターゲットとなる。
このほか、午前1時40分から行われる女子100mハードル予選には日本選手権覇者・寺田明日香(ジャパンクリエイト)、青木益未(七十七銀行)、田中佑美(富士通)の3選手が出場する。
トップバッターは青木で1組4レーン、寺田が2組1レーン、田中は前回大会覇者で世界記録(12秒12=準決勝)も樹立したトビ・アムサン(ジャマイカ)と同じ5組の6レーンに入った。各組4着とタイム上位4人が準決勝に進出。前回は青木、福部真子(日本建設工業)が予選を突破したが、日本勢2大会連続のセミファイナリスト誕生なるか。
決勝種目は前述の2種目のほかに女子1500mと円盤投が実施。1500mは6月に世界記録(3分49秒11)を樹立したフェイス・キピエゴン(ケニア)の連覇&最多3度目の優勝か、それとも3種目に挑戦中のシファン・ハッサン(オランダ)がフィニッシュ直前に転倒した10000mの雪辱を果たすかに注目が集まる。
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