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【誌面転載】高校陸上界最前線2019 注目の女子スプリンター御家瀬 緑
【誌面転載】高校陸上界最前線2019 注目の女子スプリンター御家瀬 緑

高校陸上界最前線2019
注目の女子スプリンター
御家瀬 緑(恵庭北)

北の地から沖縄を望む昨年の最速女王


昨年の日本選手権女子100mで4位に入り、ジャカルタ・アジア大会代表(4×100mリレー・1走)に選出された御家瀬緑(恵庭北3北海道)。夏の三重インターハイ女子100mでは、日本代表のプレッシャーをはねのけて2年生優勝を果たした。今季初戦となった4月28日の織田記念では、いきなり高校歴代2位タイ・U20日本歴代2位タイの11秒54(+1.9)をマークして日本人トップの2位。8月の沖縄インターハイではこの種目史上9人目の連覇、そして目標に定める高校記録(11秒43)の更新に向け、幸先の良いスタートを切った。

初戦で高校歴代2位タイ

4月とはいえ、北の大地の春はまだ遠い。ゴールデンウィーク最初の週末に行われた織田記念女子100mに臨むにあたって、御家瀬緑(恵庭北3北海道)は少し不安を感じていた。「普段は室内で練習しているので、今シーズンに入って屋外で走ったのは(レース)前日が初めてでした」。
だが、レースではシニア選手相手に臆することはなかった。「ケガもなく順調に冬季練習をこなせたので、強い選手と一緒に走るのが楽しみでした」。予選を11秒78(−0.5)で1着通過すると、決勝は昨年6月の北海道大会で出した自己記録を0.09秒更新する11秒54(+1.9)。高校歴代2位タイ、U20日本歴代でも2位タイの快走で、日本人トップの2位に食い込んだ。
例年は5月末の支部大会からシーズンインすることが多い。しかし、中村宏之監督は「練習がしっかりできていました。本人が出場したいと言うので、経験を積ませることも考えて決めました」と、今季初戦にシニア挑戦を選んだ理由を明かす。だが、数々の名スプリンターを育成してきた名伯楽をもってしても、「そこそこ走ると思っていましたが、いきなりここまで記録が出るとは思っていませんでした」。タイムはもちろんのこと、感覚と実際のフォームのすり合わせ、冬季の取り組みが〝かたち〟となって表れたことで、御家瀬自身も「高校記録更新に向けて、さらにやるべきことが見えてきました」と、自信を深めた様子。結果以上に得たものは大きかったようだ。
御家瀬が一躍注目を集めたのが、一昨年秋の愛媛国体。少年B100m準決勝で高1歴代2位の11秒66(+0.7)をマークすると、決勝は11秒83(−1.0)で制した。2週間後のU18日本選手権も快勝している。
そして昨年は、日本選手権で4位と健闘。三重インターハイは準決勝でプラス通過と苦戦したものの、11秒74(±0)で2年生優勝を達成。8月下旬のジャカルタ・アジア大会4×100mリレーでは1走を務めて5位入賞に貢献するなど、高校女子スプリント界のトップに駆け上がった。

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※この続きは2019年5月14日発売の『月刊陸上競技』6月号をご覧ください

高校陸上界最前線2019 注目の女子スプリンター 御家瀬 緑(恵庭北)

北の地から沖縄を望む昨年の最速女王

昨年の日本選手権女子100mで4位に入り、ジャカルタ・アジア大会代表(4×100mリレー・1走)に選出された御家瀬緑(恵庭北3北海道)。夏の三重インターハイ女子100mでは、日本代表のプレッシャーをはねのけて2年生優勝を果たした。今季初戦となった4月28日の織田記念では、いきなり高校歴代2位タイ・U20日本歴代2位タイの11秒54(+1.9)をマークして日本人トップの2位。8月の沖縄インターハイではこの種目史上9人目の連覇、そして目標に定める高校記録(11秒43)の更新に向け、幸先の良いスタートを切った。

初戦で高校歴代2位タイ

4月とはいえ、北の大地の春はまだ遠い。ゴールデンウィーク最初の週末に行われた織田記念女子100mに臨むにあたって、御家瀬緑(恵庭北3北海道)は少し不安を感じていた。「普段は室内で練習しているので、今シーズンに入って屋外で走ったのは(レース)前日が初めてでした」。 だが、レースではシニア選手相手に臆することはなかった。「ケガもなく順調に冬季練習をこなせたので、強い選手と一緒に走るのが楽しみでした」。予選を11秒78(−0.5)で1着通過すると、決勝は昨年6月の北海道大会で出した自己記録を0.09秒更新する11秒54(+1.9)。高校歴代2位タイ、U20日本歴代でも2位タイの快走で、日本人トップの2位に食い込んだ。 例年は5月末の支部大会からシーズンインすることが多い。しかし、中村宏之監督は「練習がしっかりできていました。本人が出場したいと言うので、経験を積ませることも考えて決めました」と、今季初戦にシニア挑戦を選んだ理由を明かす。だが、数々の名スプリンターを育成してきた名伯楽をもってしても、「そこそこ走ると思っていましたが、いきなりここまで記録が出るとは思っていませんでした」。タイムはもちろんのこと、感覚と実際のフォームのすり合わせ、冬季の取り組みが〝かたち〟となって表れたことで、御家瀬自身も「高校記録更新に向けて、さらにやるべきことが見えてきました」と、自信を深めた様子。結果以上に得たものは大きかったようだ。 御家瀬が一躍注目を集めたのが、一昨年秋の愛媛国体。少年B100m準決勝で高1歴代2位の11秒66(+0.7)をマークすると、決勝は11秒83(−1.0)で制した。2週間後のU18日本選手権も快勝している。 そして昨年は、日本選手権で4位と健闘。三重インターハイは準決勝でプラス通過と苦戦したものの、11秒74(±0)で2年生優勝を達成。8月下旬のジャカルタ・アジア大会4×100mリレーでは1走を務めて5位入賞に貢献するなど、高校女子スプリント界のトップに駆け上がった。 ※この続きは2019年5月14日発売の『月刊陸上競技』6月号をご覧ください

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