◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目
アジア選手権の2日目がタイ・バンコクで行われ、日本勢は3つの金メダルを含むメダルラッシュとなった。
男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が日本歴代2位の45秒00でアジア王者の称号を手にした。ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録にもピタリ到達し、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ確実にした。
その目線は、すぐに世界へと向く。「このタイムは世界をどうこう言えるものじゃない。しっかりと44秒中盤を出していけるように、これからがんばりたい」ときっぱりと語る。
それは、夏のブダペスト世界陸上、来年のパリ五輪で「どう戦うか」を見据えているからに他ならない。最終目標はパリだが、その前にまずはブダペスト。それも、準決勝が一つの指針になる。
「準決勝でタイムが上がってくる。そこで勝負できるように一から準備していきたい。44秒台が出せなかった原因は何かを考えて、修正していきたい。まずは世界陸上で決勝に残る。その先にパリがあると考えてやっていきます」
その佐藤拳太郎が「何よりも風雅とワン・ツーを取れたことがうれしい」と語るように、2位には佐藤風雅(ミズノ)が日本歴代5位タイの45秒13で続き、日本勢で金、銀メダル独占を果たした。佐藤風雅も、「44秒台を出して、去年よりいい結果を残したい」と2大会連続の世界陸上に向けて意欲を示した。
女子10000mでも日本勢が金、銀メダルを独占した。20歳の小海遥(第一生命グループ)が後半から独走し、32分59秒36で制覇。川口桃佳(ユニクロ)が33分18秒72で2位に続いた。
2日間の熱戦を繰り広げた男子十種競技では、2月のアジア室内選手権王者・丸山優真(住友電工)が再びアジアの頂点に立った。左足や腰など満身創痍の中で7745点をマーク。エリアチャンピオンとして、ブダペスト世界陸上出場が視野に入ってきた。
田上駿(陸上物語)は7187点で4位ながら、最後の1500mは1着で見せ場を作った。
女子100mハードルとハンマー投では、いずれも銀、銅の2つのメダルを獲得。100mハードルは寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒13(-0.1)で2位、青木益未(七十七銀行)が13秒26で3位に入り、それぞれワールドランキングのポイントは着実に加算。寺田は3大会連続、青木は2大会連続の世界陸上代表入りはほぼ間違いない状況となった。
ハンマー投は69m89の日本記録保持者マッカーサー・ジョイ(NMFA)が、最終試技で66m56と記録を伸ばして2位。昨年のU20世界陸上銅メダルの村上来花(九州共立大)が自身の学生記録(65m33)に迫る64m17で3位を占めた。
男子1500mでは高橋佑輔(北大院)が3分42秒04で日本勢9大会ぶりのメダルとなる銀メダルを手にした。最後の1周で仕掛け、バックストレートではトップを快走するなど堂々たるレースを見せ、「アジアの2位は非常にうれしい」と胸を張った。
男子三段跳は池畠旭佳瑠(駿河台大AC)が最終6回目に、自己記録にあと2cmと迫るセカンドベストの16m73(+0.6)をジャンプ。4位から逆転で銀メダルをつかみ取り、「本当に楽しく試合ができた」と笑顔がこぼれた。
男子ハンマー投では福田翔大(日大院)が日本勢5大会ぶりメダル獲得となる銅メダル。2投目に、6月の日本選手権で出したばかりの日本歴代7位・学生歴代3位の自己ベスト(71m79)を1㎝上回る71m80をマークした。
女子400mは久保山晴菜(今村病院)が53秒80で4位、松本奈菜子(東邦銀行)が53秒89で5位だった。女子走高跳は髙橋渚(メイスンワーク)が1m83で4位タイだを占めた。
このほか、男女100m、男子110mハードルの予選が行われ、男子100m4組では栁田大輝(東洋大)が自己タイの10秒10(-0.5)で1着通過を果たした。1組の坂井隆一郎(大阪ガス)も10秒18(± 0)で悠々と1着通過し、準決勝へ。女子100mでも日本選手権覇者の君嶋愛梨沙(土木管理総合)、御家瀬緑(住友電工)がともに2着で準決勝進出を決めた。
男子110mハードルは高山峻野(ゼンリン)が13秒70(±0)で1組1着、横地大雅(TeamSSP)は13秒63(±0)の2組2着で決勝に駒を進めた。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.16
極限まで速さを追求!サニブラウンの“思い”込めたユニフォームを東レとPUMAで開発
-
2024.05.16
-
2024.05.16
-
2024.05.16
2024.05.11
棒高跳・小林美月が4m00で連覇!「雰囲気で楽しみながらできた」/関東IC
-
2024.05.10
-
2024.05.11
-
2024.04.26
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.16
6月23日相模原で午後5時半スタート! 上位7校に出場権 全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会要項発表
関東学連は5月16日、6月23日に行われる全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会の要項を発表した。 会場は神奈川県相模原市の相模原ギオンスタジアムで、午後5時半に1組目が始まり、最終の4組は午後7時半スタート。1校2名ずつの […]
2024.05.16
国立競技場に“世界”が集結!!北口榛花、サニブラウン、田中希実、海外勢もウ・サンヒョクら豪華絢爛
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが5月19日、国立競技場で行われる。21年東京五輪、そして来年の世界選手権の舞台でもある国立競技場に、世界トップアスリートが集結する、1年に一度 […]
2024.05.16
極限まで速さを追求!サニブラウンの“思い”込めたユニフォームを東レとPUMAで開発
東レは5月16日、所属契約を結ぶサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)と高機能ウエアを共同開発したと発表した。同日、都内で会見を開き、サニブラウン、東レ、プーマの三者が登壇し、ユニフォームをお披露目した。 今回の特別開 […]
2024.05.16
サニブラウン パリ五輪で「メダルを取りたい」セイコーゴールデンGPで内定狙う
男子100mで世界選手権2大会連続入賞を果たしているサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が都内で会見を開いた。 この日はサポートを受ける東レとプーマがサニブラウンの意見を取り入れながら共同開発したウエアを発表。会見の […]
2024.05.16
男子走高跳・王振が欠場 静岡国際優勝の傅兆玄が追加出場/セイコーGGP
日本陸連は5月16日、セイコーゴールデングランプリ(5月19日、国立競技場)の男子走高跳に出場予定だった王振(中国)が欠場することを発表した。代わりに傅兆玄(台湾)が出場する。 傅は21歳の若手ジャンパー。昨年のワールド […]
Latest Issue 最新号
2024年6月号 (5月14日発売)
別冊付録学生駅伝ガイド