3月25日から5日間、岐阜県内で日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が開催され、26日に男子走高跳の東京五輪代表・戸邉直人(JAL)が高校生アスリート向けに講演会を行った。
講演会のテーマは「陸上選手のキャリアについて」。戸邉は自身の競技生活を振り返り、「そこまで順調ではなかった」としつつ、挫折をした時の乗り越え方などを語った。
戸邉は全中、インターハイ、日本インカレ、日本選手権と、各カテゴリーで優勝を飾っているが、その中でも「記録が低迷した時期があった」と話す。
「記録を伸ばし続けるには『考えること』『学び続けること』が大切。何が良くて、何が悪いのかを常に考えて取り組むこと。高校生のみなさんも、それにトライしてほしいです」
考え方については「PDCAサイクル」や「OODAループ」を紹介しつつ、「感覚の基準は曖昧なもの。その根拠となるものを突きつめることが大切」と説いた。
最後に、戸邉は「陸上は記録を突き詰めるもの。その過程で苦しいこともありますが、殻を破ればとても嬉しいですよね。競技で得たものを他に生かすためにも、『学び続けること』『考えること』を大切にしていきましょう」と締めくくった。
質疑応答では高校生から積極的に手が上がった。なかでも「どうやったらインターハイで優勝できますか?」というシンプルな質問に対しては「他人はコントロールできません。まずは自分のベストを出すこと、やるべきことをやることが大切」とアドバイスを送った。
戸邉は昨年8月に日本陸連アスリート委員会の委員長に就任。「これからの新しい時代では、アスリートが積極的に競技団体と力を合わせて競技の価値を高めていくことが必要だと考えています」とコメントしていた。
【参加者の声】
川﨑俊祐(市尼崎高2兵庫)※2022年インターハイ優勝、自己記録2m12
「戸邉選手のお話の中で『考える』という部分が印象に残りました。記録を伸ばすには向上心が大切だと思いますが、向上心を持つためにはいろんなことを考えて取り組む必要があります。同じ走高跳の選手としてすごく勉強になりました」
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)