HOME 学生長距離

2023.03.26

三浦龍司が順大主将に立候補したワケ「経験」と「起爆剤」西澤侑真らの底力も影響
三浦龍司が順大主将に立候補したワケ「経験」と「起爆剤」西澤侑真らの底力も影響

シーズン初戦を終えた三浦龍司(順大)

3000m障害日本代表で日本記録保持者の三浦龍司(順大)が、3月25日のTOKOROZAWAゲームズSpring 2023(早大競技場)の男子3000mでシーズン初戦を迎え、7分58秒61で組4着だった。レース後、今季主将に立候補した経緯と理由について改めて明かした。

新シーズンを前に、順大は三浦と同期で箱根駅伝9区を走った藤原優希による「共同主将」を発表。「これから(本格的に)稼働して、トラック、ロードに分かれて歯車が噛み合っていくと思います」と言う。

広告の下にコンテンツが続きます

主将には「僕自身やりたい気持ちもあってチームに話して立候補しました」。これを聞いたときは少し意外だった。

もちろん実績は申し分ないし、三浦の走りやパフォーマンス、競技に取り組み姿勢はチームのお手本となる。だが、性格上、言動で引っ張るタイプとは異なる印象があり、実際に京都・洛南高時代もエースだったが諸冨湧(現・早大)が主将だった。

加えて、三浦の主戦場は3000m障害であり、最大ターゲットは世界選手権の上位入賞や昨年4位だったダイヤモンドリーグ・ファイナル。トラック、それも世界を舞台にすることだけを考えれば、チームの役職や駅伝というのはある意味で大きなリスクにもなり得る。

「確かに僕は引っ張っていくタイプではないです」と笑みを浮かべる。それでも、三浦は志願した。「(1学年上の)西澤(侑真)さんを見ていて経験として必要なのかなと思っていました」。

強烈なキャプテンシーで、個性派ぞろいの同期などをまとめあげた闘将・西澤は「強い言葉や姿勢で引っ張っていて、主将としてのタイプは違います」。ただ、三浦自身が「先輩たちの存在は大きかった」と語っていたように、「僕らが主将でよかったと思ってもらえるとうれしいし、そう思ってもらえるように率先していきたい。真似できること、できないことあると思いますが、ヒントをもらいながらやっていきたいです」と言う。

三浦は疑問に思っていた。毎年、箱根駅伝で4年生が活躍するのは順大の伝統でもある。「4年生はなんであんなに力が出るんだろうって。底力というものはすごく感じていました。本当にすごいですよね」。その『強さ』を知り、身につけるために、そして自身をさらに成長させるために主将になる決意をした。

それだけでなく、「同期は石井一希や藤原もいますが、僕らの学年を引き上げるためにも起爆剤になる必要があると思いました。もっと勢いをつけるためにも自分がきっかけになる」という意識もある。

ただ、「チーム運営を考えると、僕は海外遠征も多くてチームを見るのが難しい。どういうふうにやれば円滑になるか考えた時に2人主将という案が出てきたので」と、異例のダブル主将に至ったという。

新年度のルーキーは5000m高校記録保持者の吉岡大翔(佐久長聖高・長野)や、インターハイ800mと1500m2冠の大野聖登(秋田工高)、1500mで3分47秒14を持つ後田築(創成館高・長崎)ら、史上最強クラスの選手が集まった。

これには三浦も、「1年生にたくさん強いのがいて心強いし、下からの底上げがある1年になる。その波に先輩たちが乗り遅れないのが重要。学年関係なく、影響し合っていきます」と刺激を受ける。

すでに合宿も含めてともにトレーニングし、「スピード型が多くて、ポイント練習をしても設定が上がっています。新しい環境で自分も磨けますし、伸びしろを埋められる」と歓迎する。新入生合宿にも同行。「自分からコミュニケーションをとっています。キャプテンなんで」と笑った。

個人での目標は「昨年は世界選手権で予選落ちと悔しい思いをしているので、決勝に残って上位入賞を目指していきます。僕にとってダイヤモンドリーグは大きな意味を持っている。去年は挑戦した感じでしが、今年は結果を残しにいく。ダイヤモンドリーグの1戦、1戦で結果を残していきたい」と高みを目指す。

学生ラストシーズン。駅伝を含めて「最後のキーは4年生」だという。「駅伝は好きですよ。チームで最高の思い出を残せるように戦っていく。だからこそ、達成感や充実度が増します」。もしかすると、競技人生において同じような形でタスキをつなぐことは残り少ないかもしれない。あと1年、「最高の思い出」と「最高の結果」を求めてチームを牽引していく。

文/向永拓史

3000m障害日本代表で日本記録保持者の三浦龍司(順大)が、3月25日のTOKOROZAWAゲームズSpring 2023(早大競技場)の男子3000mでシーズン初戦を迎え、7分58秒61で組4着だった。レース後、今季主将に立候補した経緯と理由について改めて明かした。 新シーズンを前に、順大は三浦と同期で箱根駅伝9区を走った藤原優希による「共同主将」を発表。「これから(本格的に)稼働して、トラック、ロードに分かれて歯車が噛み合っていくと思います」と言う。 主将には「僕自身やりたい気持ちもあってチームに話して立候補しました」。これを聞いたときは少し意外だった。 もちろん実績は申し分ないし、三浦の走りやパフォーマンス、競技に取り組み姿勢はチームのお手本となる。だが、性格上、言動で引っ張るタイプとは異なる印象があり、実際に京都・洛南高時代もエースだったが諸冨湧(現・早大)が主将だった。 加えて、三浦の主戦場は3000m障害であり、最大ターゲットは世界選手権の上位入賞や昨年4位だったダイヤモンドリーグ・ファイナル。トラック、それも世界を舞台にすることだけを考えれば、チームの役職や駅伝というのはある意味で大きなリスクにもなり得る。 「確かに僕は引っ張っていくタイプではないです」と笑みを浮かべる。それでも、三浦は志願した。「(1学年上の)西澤(侑真)さんを見ていて経験として必要なのかなと思っていました」。 強烈なキャプテンシーで、個性派ぞろいの同期などをまとめあげた闘将・西澤は「強い言葉や姿勢で引っ張っていて、主将としてのタイプは違います」。ただ、三浦自身が「先輩たちの存在は大きかった」と語っていたように、「僕らが主将でよかったと思ってもらえるとうれしいし、そう思ってもらえるように率先していきたい。真似できること、できないことあると思いますが、ヒントをもらいながらやっていきたいです」と言う。 三浦は疑問に思っていた。毎年、箱根駅伝で4年生が活躍するのは順大の伝統でもある。「4年生はなんであんなに力が出るんだろうって。底力というものはすごく感じていました。本当にすごいですよね」。その『強さ』を知り、身につけるために、そして自身をさらに成長させるために主将になる決意をした。 それだけでなく、「同期は石井一希や藤原もいますが、僕らの学年を引き上げるためにも起爆剤になる必要があると思いました。もっと勢いをつけるためにも自分がきっかけになる」という意識もある。 ただ、「チーム運営を考えると、僕は海外遠征も多くてチームを見るのが難しい。どういうふうにやれば円滑になるか考えた時に2人主将という案が出てきたので」と、異例のダブル主将に至ったという。 新年度のルーキーは5000m高校記録保持者の吉岡大翔(佐久長聖高・長野)や、インターハイ800mと1500m2冠の大野聖登(秋田工高)、1500mで3分47秒14を持つ後田築(創成館高・長崎)ら、史上最強クラスの選手が集まった。 これには三浦も、「1年生にたくさん強いのがいて心強いし、下からの底上げがある1年になる。その波に先輩たちが乗り遅れないのが重要。学年関係なく、影響し合っていきます」と刺激を受ける。 すでに合宿も含めてともにトレーニングし、「スピード型が多くて、ポイント練習をしても設定が上がっています。新しい環境で自分も磨けますし、伸びしろを埋められる」と歓迎する。新入生合宿にも同行。「自分からコミュニケーションをとっています。キャプテンなんで」と笑った。 個人での目標は「昨年は世界選手権で予選落ちと悔しい思いをしているので、決勝に残って上位入賞を目指していきます。僕にとってダイヤモンドリーグは大きな意味を持っている。去年は挑戦した感じでしが、今年は結果を残しにいく。ダイヤモンドリーグの1戦、1戦で結果を残していきたい」と高みを目指す。 学生ラストシーズン。駅伝を含めて「最後のキーは4年生」だという。「駅伝は好きですよ。チームで最高の思い出を残せるように戦っていく。だからこそ、達成感や充実度が増します」。もしかすると、競技人生において同じような形でタスキをつなぐことは残り少ないかもしれない。あと1年、「最高の思い出」と「最高の結果」を求めてチームを牽引していく。 文/向永拓史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.03.07

齋藤みう「アジア大会でメダルを」細田あい、池田耀平らが母校・日体大100周年でトークショー

日本体育大学陸上競技部の創部100周年記念式典が3月7日、日体大健志台キャンパスの米本記念体育館にて、卒業生やその家族、来賓、招待を含め約600人が出席して盛大に開催された。 会の後半では、日本のトップで活躍する現役卒業 […]

NEWS 日女体大陸上競技部が創部100周年パーティー開催!人見絹枝から始まった伝統「次の100年へ力強くつなげる」

2026.03.07

日女体大陸上競技部が創部100周年パーティー開催!人見絹枝から始まった伝統「次の100年へ力強くつなげる」

日本女子体育大学創部100周年記念パーティーが3月7日、同大百周年記念体育会で盛大に開催された。 同大は1922年(大正11年)に二階堂体育塾として設立。日本女子体育専門学校、日本女子体育短期大学を経て、1965年に現校 […]

NEWS 日体大陸上部100周年式典が開催!日本陸連・有森会長ら名選手数多く、箱根駅伝10度優勝

2026.03.07

日体大陸上部100周年式典が開催!日本陸連・有森会長ら名選手数多く、箱根駅伝10度優勝

日本体育大学陸上競技部の創部100周年記念式典が3月7日、日体大健志台キャンパスの米本記念体育館にて、卒業生やその家族、来賓、招待を含め約600人が出席して盛大に開催された。 同大副学長で陸上競技部元監督である水野増彦・ […]

NEWS 国士大長距離・駅伝ブロックが連携プロジェクト! KYBメディカルサービスが選手のデータ分析

2026.03.07

国士大長距離・駅伝ブロックが連携プロジェクト! KYBメディカルサービスが選手のデータ分析

医療サービス業のKYBメディカルサービス(東京都)は3月6日、国士大陸上部の長距離・駅伝ブロックと提携してプロジェクトを開始したと発表した。 プロジェクトは選手に対して血液65項目、尿8項目の検査を実施し、データを時系列 […]

NEWS 久保凛インタビュー「ここなら強くなれる」全中女王が日本記録保持者になった3年間 「世界は遠くない」

2026.03.07

久保凛インタビュー「ここなら強くなれる」全中女王が日本記録保持者になった3年間 「世界は遠くない」

女子800mの日本記録保持者、そして世界陸上日本代表となった久保凛が3年間過ごした東大阪大敬愛高を卒業した。 全中チャンピオンと注目を集める存在だったが、入学当初の目標は「2分07秒を切る」。そこから描いた成長曲線はどん […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年3月号 (2月14日発売)

2026年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝

page top