2022.10.13
「平成の常勝軍団」と呼ばれた駒澤大学。令和の時代に入っても、その強さは衰えていない。それどころか、さらに進化を遂げている。群雄割拠の学生駅伝で昨季は全日本を連覇すると、今夏は4年生の田澤廉がオレゴン世界選手権の10000mに参戦。今季の駅伝シーズンは絶対エースを軸に悲願の〝駅伝3冠〟に臨むことになる。
「世界」に挑み続ける学生最強軍団
昨年は全日本大学駅伝を連覇して最多14回目の優勝。学生三大駅伝でも歴代通算ナンバーワンの24勝目を飾った駒大は今季、「世界」にチャレンジした。正月の駅伝に花の2区で区間賞に輝いた大エース・田澤廉(4年)は、7月の世界選手権(米国・ユージン)の10000mに参戦。中長距離3種目で高校記録を保持するスーパールーキー・佐藤圭汰は8月上旬のU20世界選手権(コロンビア・カリ)を経験したのだ。

▲この夏、オレゴン世界選手権の10000mに出場した田澤廉(中央)。今季の成長株である2年生の篠原倖太朗(右)もチームの大エースに大きな刺激を受けた。左は昨年の全日本大学駅伝で4区を走った3年生の赤星雄斗
オレゴン世界選手権の男子マラソンには駒大OBの西山雄介(トヨタ自動車)も出場。世界選手権で日本人過去最高タイムとなる2時間8分35秒の13位でフィニッシュした西山だけでなく、中村匠吾(富士通)らマラソンで世界大会に飛び立ったOBは少なくない。駒大の特徴は、学生駅伝にとどまらず「世界」へ貪欲に挑み続けるところにあるだろう。母校を学生最強軍団に導いた大八木弘明監督は今季の前半戦をこう振り返った。「世界選手権の出場を含めてスピード強化に取り組みました。世界選手権に出場した田澤は本番で思うような結果を残すことができませんでしたが、学生のうちに世界大会を経験したのは大きいですね。まだまだ足りない部分が見えましたし、田澤が出場したことで他の選手も『世界を目指したい』という気持ちが強くなりましたから。また、トラックシーズンは5000mで13分20 ~ 30秒台の記録を出した選手もいるので、まずまずだったかなと思います」

▲駒大を率いる大八木弘明監督。学生三大駅伝歴代通算ナンバーワンの勝利数をどこまで積み重ねるか
田澤はオレゴン世界選手権の10000mに出場して28分24秒25で20位。「入賞」という目標には届かなかったが、世界大会特有のペースチェンジを経験したのは〝未来の快走〟につながるだろう。なお、学生ランナーの世界大会出場は、男子マラソンで日本記録を2度塗り替えた大迫傑が早大時代の2013年にモスクワ世界選手権の10000m(21位)を走って以来だった。
トラックシーズンは4月の日本学生個人選手権で2年生の篠原倖太朗が10000m3位(28分43秒03)に入ると、5000mは13分47秒90で優勝。5月のゴールデンゲームズinのべおか5000mは1年生の佐藤が13分22秒91のU20日本新記録を樹立。篠原も13分34秒28の自己新を叩き出している。6月の日本選手権の5000mでは篠原が佐藤を抑え、学生トップの13位(13分46秒23)に食い込んだ。さらに7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会5000mで安原太陽(3年)が13分37秒01。ハーフマラソンの学生記録保持者・山野力(4年)も13分47秒67の自己ベストをマークしている。

▲8月上旬にU20世界選手権に出場した大型新人・佐藤圭汰。駅伝をステップに、来年はシニアの国際大会代表入りを目指す
コンディショニングにボディメンテを積極活用
前期はトラックでスピードを磨くと、8月16日~ 28日は野尻湖と志賀高原で全体合宿を行い、駅伝シーズンに向けて走り込んだ。ハードなトレーニングだけでは強くなれない。駒大はコンディショニングにも力を注いでいる。そのなかで選手たちを支えているのが、体調維持をサポートする乳酸菌B240、リカバリーをサポートするタンパク質が豊富に含まれている大塚製薬のボディメンテ ゼリーだ。「朝は1日の始まり。朝練習が終わってからボディメンテ ゼリーを飲むと決めています」と話すのはエースの田澤だ。世界選手権後は、国立スポーツ科学センター(JISS)で身体の状態を検査して、弱点をカバーするためのエクササイズも実施している。
夏合宿でチームを引っ張っている3年生の花尾恭輔は、「ポイント練習後にボディメンテ ゼリーを摂取して、ドリンクの方は朝練習後に一気飲みですね。夏でもいい状態をキープできています」と話す。

▲第1次全体合宿でチームを引っ張っていた3年生の花尾恭輔。ポイント練習の後にボディメンテ ゼリーを摂取するのがルーティンという
トラックシーズンに急成長した篠原も、「自分はポイント練習後や体がきついなと感じたときにボディメンテ ゼリーを飲んでいます」と摂取方法を教えてくれた。
高校時代から大活躍している佐藤は常にコンディションの維持を心掛けており、入浴後のストレッチを欠かさないという。駒大入学後は、「リカバリーを早めるためにも練習後は必ず30分以内にボディメンテ ゼリーを飲んでいます。そのおかげか体調の波が少なくなりました」と効果を実感している。
夏合宿中も駒大の選手たちはボディメンテを積極的に摂取して、駅伝シーズンでの戦いを見据えている。
大エース田澤を軸に「駅伝3冠」を狙いにいく
夏合宿では準エースの鈴木芽吹(3年)が完全復活の道を突き進んでおり、伊藤蒼唯、帰山侑大(ともに1年)という新戦力も台頭してきた。チームとしては全日本大学駅伝の3連覇が懸かっているが、今季の目標はズバリ、「駅伝3冠」だ。「出雲と全日本はなんとか勝ちたいなと思っていますけど、正月の駅伝を制するためにはしっかりした走り込みが必要です。夏合宿でスタミナをつけて、駅伝シーズンに向かいたい」と大八木監督が話すと、田澤は「出雲と全日本は走るべきメンバーがしっかり走れば負けないと思います」と言い切った。一方で正月決戦に向けて、田澤は危機感と期待感の両方を持っている。「駅伝シーズンの結果は夏合宿にかかってくる。特に中堅層が重要ですね。自分も夏合宿で一気に変わった経験がある。そういう選手が出てくれば、正月の駅伝もおもしろくなると思います」
また、来夏はブダペスト世界選手権が開催される。同大会の参加標準記録は5000mが13分13秒50から13分07秒00に、10000mが27分28秒00から27分10秒00に引き上げられた。ともに日本記録(13分08秒40、27分18秒75)を上回るが、田澤は10000m、佐藤は5000mでの出場を本気で狙っている。この冬は駅伝だけでなく、トラックでも記録を狙うつもりだ。

▲3年生の準エース・鈴木芽吹が完全復活すればチームは俄然勢いを増す
学生駅伝3冠と世界進出を目指して、王者・駒大は果敢に攻め込んでいく──。
文/酒井政人、撮影/船越陽一郎
※この記事は2022年9月に発売の『月刊陸上競技』2022年10月号に掲載したものです
「世界」に挑み続ける学生最強軍団
昨年は全日本大学駅伝を連覇して最多14回目の優勝。学生三大駅伝でも歴代通算ナンバーワンの24勝目を飾った駒大は今季、「世界」にチャレンジした。正月の駅伝に花の2区で区間賞に輝いた大エース・田澤廉(4年)は、7月の世界選手権(米国・ユージン)の10000mに参戦。中長距離3種目で高校記録を保持するスーパールーキー・佐藤圭汰は8月上旬のU20世界選手権(コロンビア・カリ)を経験したのだ。
▲この夏、オレゴン世界選手権の10000mに出場した田澤廉(中央)。今季の成長株である2年生の篠原倖太朗(右)もチームの大エースに大きな刺激を受けた。左は昨年の全日本大学駅伝で4区を走った3年生の赤星雄斗
オレゴン世界選手権の男子マラソンには駒大OBの西山雄介(トヨタ自動車)も出場。世界選手権で日本人過去最高タイムとなる2時間8分35秒の13位でフィニッシュした西山だけでなく、中村匠吾(富士通)らマラソンで世界大会に飛び立ったOBは少なくない。駒大の特徴は、学生駅伝にとどまらず「世界」へ貪欲に挑み続けるところにあるだろう。母校を学生最強軍団に導いた大八木弘明監督は今季の前半戦をこう振り返った。「世界選手権の出場を含めてスピード強化に取り組みました。世界選手権に出場した田澤は本番で思うような結果を残すことができませんでしたが、学生のうちに世界大会を経験したのは大きいですね。まだまだ足りない部分が見えましたし、田澤が出場したことで他の選手も『世界を目指したい』という気持ちが強くなりましたから。また、トラックシーズンは5000mで13分20 ~ 30秒台の記録を出した選手もいるので、まずまずだったかなと思います」
▲駒大を率いる大八木弘明監督。学生三大駅伝歴代通算ナンバーワンの勝利数をどこまで積み重ねるか
田澤はオレゴン世界選手権の10000mに出場して28分24秒25で20位。「入賞」という目標には届かなかったが、世界大会特有のペースチェンジを経験したのは〝未来の快走〟につながるだろう。なお、学生ランナーの世界大会出場は、男子マラソンで日本記録を2度塗り替えた大迫傑が早大時代の2013年にモスクワ世界選手権の10000m(21位)を走って以来だった。
トラックシーズンは4月の日本学生個人選手権で2年生の篠原倖太朗が10000m3位(28分43秒03)に入ると、5000mは13分47秒90で優勝。5月のゴールデンゲームズinのべおか5000mは1年生の佐藤が13分22秒91のU20日本新記録を樹立。篠原も13分34秒28の自己新を叩き出している。6月の日本選手権の5000mでは篠原が佐藤を抑え、学生トップの13位(13分46秒23)に食い込んだ。さらに7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会5000mで安原太陽(3年)が13分37秒01。ハーフマラソンの学生記録保持者・山野力(4年)も13分47秒67の自己ベストをマークしている。
▲8月上旬にU20世界選手権に出場した大型新人・佐藤圭汰。駅伝をステップに、来年はシニアの国際大会代表入りを目指す
コンディショニングにボディメンテを積極活用
前期はトラックでスピードを磨くと、8月16日~ 28日は野尻湖と志賀高原で全体合宿を行い、駅伝シーズンに向けて走り込んだ。ハードなトレーニングだけでは強くなれない。駒大はコンディショニングにも力を注いでいる。そのなかで選手たちを支えているのが、体調維持をサポートする乳酸菌B240、リカバリーをサポートするタンパク質が豊富に含まれている大塚製薬のボディメンテ ゼリーだ。「朝は1日の始まり。朝練習が終わってからボディメンテ ゼリーを飲むと決めています」と話すのはエースの田澤だ。世界選手権後は、国立スポーツ科学センター(JISS)で身体の状態を検査して、弱点をカバーするためのエクササイズも実施している。 夏合宿でチームを引っ張っている3年生の花尾恭輔は、「ポイント練習後にボディメンテ ゼリーを摂取して、ドリンクの方は朝練習後に一気飲みですね。夏でもいい状態をキープできています」と話す。
▲第1次全体合宿でチームを引っ張っていた3年生の花尾恭輔。ポイント練習の後にボディメンテ ゼリーを摂取するのがルーティンという
トラックシーズンに急成長した篠原も、「自分はポイント練習後や体がきついなと感じたときにボディメンテ ゼリーを飲んでいます」と摂取方法を教えてくれた。
高校時代から大活躍している佐藤は常にコンディションの維持を心掛けており、入浴後のストレッチを欠かさないという。駒大入学後は、「リカバリーを早めるためにも練習後は必ず30分以内にボディメンテ ゼリーを飲んでいます。そのおかげか体調の波が少なくなりました」と効果を実感している。
夏合宿中も駒大の選手たちはボディメンテを積極的に摂取して、駅伝シーズンでの戦いを見据えている。
大エース田澤を軸に「駅伝3冠」を狙いにいく
夏合宿では準エースの鈴木芽吹(3年)が完全復活の道を突き進んでおり、伊藤蒼唯、帰山侑大(ともに1年)という新戦力も台頭してきた。チームとしては全日本大学駅伝の3連覇が懸かっているが、今季の目標はズバリ、「駅伝3冠」だ。「出雲と全日本はなんとか勝ちたいなと思っていますけど、正月の駅伝を制するためにはしっかりした走り込みが必要です。夏合宿でスタミナをつけて、駅伝シーズンに向かいたい」と大八木監督が話すと、田澤は「出雲と全日本は走るべきメンバーがしっかり走れば負けないと思います」と言い切った。一方で正月決戦に向けて、田澤は危機感と期待感の両方を持っている。「駅伝シーズンの結果は夏合宿にかかってくる。特に中堅層が重要ですね。自分も夏合宿で一気に変わった経験がある。そういう選手が出てくれば、正月の駅伝もおもしろくなると思います」 また、来夏はブダペスト世界選手権が開催される。同大会の参加標準記録は5000mが13分13秒50から13分07秒00に、10000mが27分28秒00から27分10秒00に引き上げられた。ともに日本記録(13分08秒40、27分18秒75)を上回るが、田澤は10000m、佐藤は5000mでの出場を本気で狙っている。この冬は駅伝だけでなく、トラックでも記録を狙うつもりだ。
▲3年生の準エース・鈴木芽吹が完全復活すればチームは俄然勢いを増す
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文/酒井政人、撮影/船越陽一郎
※この記事は2022年9月に発売の『月刊陸上競技』2022年10月号に掲載したものです
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