2025.07.03
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子100mのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が登壇した。
22年オレゴン、23年ブダペストと世界選手権2大会連続でファイナルに進んでいるサニブラウン。昨年のパリ五輪の準決勝で9秒96をマークしており、東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)を突破済み。3位以内に入れば代表に内定する。
だが、会見で驚きの状況を明かす。「先月の26日の練習でアクシデントがあった」。宮崎県でのトレーニングキャンプ中の牽引走で強度の高い練習をしているなか、「思わぬ態勢で踏ん張ってしまって、骨に負荷がかかった」。
帰京しても痛みが引かず、診察を受けると、右股関節上部の骨挫傷と診断された。「3週間くらい安静を勧められた」という。
「ドリル、流し、脚を上げるだけで痛みを伴う」と話し、今日の前日練習でも、ドリルやスターティングブロックを使った動きをしていても「身体を温めても痛さは変わらない」と明かした。
それでも出場を決意したのは強い思いがあるから。
「いちプロ選手として、そして、ここ数年陸上界を引っ張ってきた人間として、観に来てくださる人や応援してくれる子どもたちのためにも走らないといけない。もう、自分だけの競技生活ではない。関わっている人が多ければ多いほど責任もあり、やらないといけないことはやらないといけない」
もちろん、昨年のパリ五輪で準決勝敗退に終わった悔しさが、今も心に刻まれているのも原動力だ。
「ケガが悪化しないように、いつも通り負荷のかからない走りをする。できる限りの準備をして臨みたいです」
現時点で、参加標準記録を切っているのはサニブラウンのみ。加えて、ワールドランキングでも出場圏内にいるのは栁田大輝(東洋大)だけのため、世界選手権出場権獲得の可能性はゼロではない。「できることをしっかりやって,世界陸上にしっかり合わせていくだけ」と前を向く。
今季はこれまで10秒3台にとどまり、本来の走りからは遠ざかっている。日本選手権に向けて宮崎県で1週間の合宿をした。
日本選手権は17、19、22年と3度優勝。苦境に立たされているのは十分に理解した上で、サニブラウンは国立競技場のスタートラインに立つ。
日本選手権は7月4日から6日までの3日間行われる。男子100mは初日に予選(15時35分)、準決勝(20時25分)が行われ、決勝は2日目の18時30分に号砲が鳴る。
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