
◇第104回日本選手権20㎞競歩(2月21日/兵庫・六甲アイランド)
「第104回日本選手権20km競歩 第32回U20選抜競歩」が行われ、男子20kmは東京五輪代表に内定している山西利和(愛知製鋼)が大会新の1時間17分20秒で2連覇。女子20㎞も東京五輪代表内定の藤井菜々子(エディオン)がサードベストの1時間30分45秒で初優勝し、岡田久美子(ビックカメラ)の連覇を6で止めた。また、U20男子10㎞は服部悠平(西脇工高3兵庫)が42分30秒、U20女子5㎞は梅野倖子(宗像高3福岡)が高校歴代5位の22分28秒でそれぞれ制した。なお、今大会はコロナ禍の入国制限で国際競歩審判員の規定人数を満たすことができなかったため、五輪や世界大会などの参加資格の対象外となる。
山西が代表内定選手による〝三つ巴の争い〟を制す
男子はスタートまもなく山西、池田向希(東洋大)、高橋英輝(富士通)の東京五輪代表内定トリオに古賀友太(明大)が飛び出す展開。5㎞を19分22秒で通過すると、8km過ぎに古賀が離れると3人のマッチレースとなった。
10㎞を38分40秒で通過した後、13㎞で一度、山西が前に出たが、すぐに2人が追いつき15㎞は58分00秒。レースが動いたのはこの後だった。16㎞手前で山西がスパート。1㎞3分55秒前後で推移していたペースを3分50秒前後まで引き上げ、高橋、池田をじわじわと引き離していった。その後も安定したペースを維持し、初優勝した前回に続き、トップでフィニッシュ。2018年に高橋がマークした大会記録1時間17分20秒を上回った。
中盤から気温の上昇からか、各選手ともに汗が目立つ〝持久戦〟の様相となったが、2019年のドーハ世界選手権金メダリストの山西はその実力をしっかりと証明。自己記録(1時間17分15秒/世界歴代4位・日本歴代2位)に迫るセカンドベストで、日本歴代パフォーマンスでは歴代3位に相当するタイムで歩き抜いた。
山西は「勝負のレースだったので。勝つことを優先しました」と語り、東京五輪に向けて「まだまだ力をつけて金メダルを取れるようにがんばりたいです」。
2位は高橋で1時間18分04秒、3位は池田で1時間18分45秒と内定選手3人が上位を独占した。
●男子20㎞W日本歴代10傑
1.16.36 鈴木 雄介(富士通) 2015. 3.15
1.17.15 山西 利和(愛知製鋼) 2019. 3.17
1.17.20 山西 2 2021. 2.21
1.17.24 川野 将虎(東洋大2+) 2019. 3.17
1.17.25 池田 向希(東洋大2+) 2019. 3.17
1.17.26 髙橋 英輝(富士通) 2018. 2.18
1.17.36 山西 3 2020. 2.16
1.17.41 山西 4 2018. 2.18
1.17.41 山西 5 2019. 6. 8
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
1.17.46 松永 大介(富士通) 2018. 2.18
1.17.52 藤澤 勇(ALSOK) 2019. 3.17
1.19.00 野田 明宏(自衛隊体育学校) 2019. 2.17
1.19.00 荒井 広宙(埼玉陸協) 2019. 2.17
1.19.12 小林 快(早大4+) 2015. 3.15
藤井が岡田の7連覇を阻む
女子は岡田がスタートから先頭に立って集団を牽引し、藤井がピタリとつく。5㎞は22分26秒。序盤は渕瀬真寿美(建装工業)、河添香織(自衛隊体育学校)らが岡田のペースに食らいついたが、6㎞手前になると、東京五輪代表に内定している岡田と藤井のマッチレースとなった。
レース途中の午前11時で気温17度とこの時期にしては気温が高く競歩には厳しいコンディション。10㎞(45分11秒)通過後は動きがやや鈍り、前半は1㎞4分30秒前後で推移していたペースが、15㎞(1時間8分29秒)までの1㎞は4分40秒前後まで落ち込んだ。ここで仕掛けたのが藤井。16㎞までの1㎞を4分21秒まで上げて、岡田を引き離す。藤井は次の1㎞も4分25~26秒でカバーし、〝独歩〟状態に。そのまま4分30秒を切るペースを保ち、初優勝のテープを切った。岡田は1時間31分51秒で2位。3位は渕瀬真寿美(建装工業)で1時間36分49秒だった。
5000m競歩で高校新を打ち立て、日本陸連のダイヤモンドアスリートに認定されるなど、ジュニア時代から注目された藤井。2019年のドーハ世界選手権では6位の岡田に続く7位に入っている。これまで岡田には勝てなかったが、ついに女王の牙城を崩した。
「かなり日差しが強くて暑かったけど、ドーハを思い出して氷で頭などを冷やしながら歩きました。すごくうれしいです」と初優勝を喜んだ。
東京五輪では大きな目標を掲げる。「メダルに挑戦するつもりでレースに臨み、確実に上位入賞したいです」と話していた。
◇第104回日本選手権20㎞競歩(2月21日/兵庫・六甲アイランド)
「第104回日本選手権20km競歩 第32回U20選抜競歩」が行われ、男子20kmは東京五輪代表に内定している山西利和(愛知製鋼)が大会新の1時間17分20秒で2連覇。女子20㎞も東京五輪代表内定の藤井菜々子(エディオン)がサードベストの1時間30分45秒で初優勝し、岡田久美子(ビックカメラ)の連覇を6で止めた。また、U20男子10㎞は服部悠平(西脇工高3兵庫)が42分30秒、U20女子5㎞は梅野倖子(宗像高3福岡)が高校歴代5位の22分28秒でそれぞれ制した。なお、今大会はコロナ禍の入国制限で国際競歩審判員の規定人数を満たすことができなかったため、五輪や世界大会などの参加資格の対象外となる。
山西が代表内定選手による〝三つ巴の争い〟を制す
男子はスタートまもなく山西、池田向希(東洋大)、高橋英輝(富士通)の東京五輪代表内定トリオに古賀友太(明大)が飛び出す展開。5㎞を19分22秒で通過すると、8km過ぎに古賀が離れると3人のマッチレースとなった。
10㎞を38分40秒で通過した後、13㎞で一度、山西が前に出たが、すぐに2人が追いつき15㎞は58分00秒。レースが動いたのはこの後だった。16㎞手前で山西がスパート。1㎞3分55秒前後で推移していたペースを3分50秒前後まで引き上げ、高橋、池田をじわじわと引き離していった。その後も安定したペースを維持し、初優勝した前回に続き、トップでフィニッシュ。2018年に高橋がマークした大会記録1時間17分20秒を上回った。
中盤から気温の上昇からか、各選手ともに汗が目立つ〝持久戦〟の様相となったが、2019年のドーハ世界選手権金メダリストの山西はその実力をしっかりと証明。自己記録(1時間17分15秒/世界歴代4位・日本歴代2位)に迫るセカンドベストで、日本歴代パフォーマンスでは歴代3位に相当するタイムで歩き抜いた。
山西は「勝負のレースだったので。勝つことを優先しました」と語り、東京五輪に向けて「まだまだ力をつけて金メダルを取れるようにがんばりたいです」。
2位は高橋で1時間18分04秒、3位は池田で1時間18分45秒と内定選手3人が上位を独占した。
●男子20㎞W日本歴代10傑
1.16.36 鈴木 雄介(富士通) 2015. 3.15
1.17.15 山西 利和(愛知製鋼) 2019. 3.17
1.17.20 山西 2 2021. 2.21
1.17.24 川野 将虎(東洋大2+) 2019. 3.17
1.17.25 池田 向希(東洋大2+) 2019. 3.17
1.17.26 髙橋 英輝(富士通) 2018. 2.18
1.17.36 山西 3 2020. 2.16
1.17.41 山西 4 2018. 2.18
1.17.41 山西 5 2019. 6. 8
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1.17.46 松永 大介(富士通) 2018. 2.18
1.17.52 藤澤 勇(ALSOK) 2019. 3.17
1.19.00 野田 明宏(自衛隊体育学校) 2019. 2.17
1.19.00 荒井 広宙(埼玉陸協) 2019. 2.17
1.19.12 小林 快(早大4+) 2015. 3.15
女子20㎞で初優勝した藤井
藤井が岡田の7連覇を阻む
女子は岡田がスタートから先頭に立って集団を牽引し、藤井がピタリとつく。5㎞は22分26秒。序盤は渕瀬真寿美(建装工業)、河添香織(自衛隊体育学校)らが岡田のペースに食らいついたが、6㎞手前になると、東京五輪代表に内定している岡田と藤井のマッチレースとなった。
レース途中の午前11時で気温17度とこの時期にしては気温が高く競歩には厳しいコンディション。10㎞(45分11秒)通過後は動きがやや鈍り、前半は1㎞4分30秒前後で推移していたペースが、15㎞(1時間8分29秒)までの1㎞は4分40秒前後まで落ち込んだ。ここで仕掛けたのが藤井。16㎞までの1㎞を4分21秒まで上げて、岡田を引き離す。藤井は次の1㎞も4分25~26秒でカバーし、〝独歩〟状態に。そのまま4分30秒を切るペースを保ち、初優勝のテープを切った。岡田は1時間31分51秒で2位。3位は渕瀬真寿美(建装工業)で1時間36分49秒だった。
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