2025.07.23

高校アスリートの祭典、全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は7月25日~29日の5日間、広島県広島市の広島広域公園陸上競技場で行われる。エントリーリストや自己タイム(7月23日判明分)を中心に、女子フィールド種目などを展望する。
【インターハイ展望】
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七種は1、2年生も勢い
女子七種競技では前回覇者・本多七(園田学園3兵庫)が2連覇と高校記録(5519点)の更新を狙っている。今季は昨年出した自己ベスト(5334点/高校歴代5位)を更新できていないが、100mハードルでは13秒83の自己新。得意のやり投では47m台のベストを持つなど、この1年間で積み上げてきたものが噛み合えば、11年ぶりの高校新もあるかもしれない。
本多が優位に立つが、南関東大会では23年全中四種競技Vの実績がある江口美玲(東海大相模2神奈川)が高2歴代8位の5120点をマーク。また、昨年四種競技で中学記録を打ち立てた岡田紗和(法政二1神奈川)が高1初の5000点越えとなる5086点を挙げている。本多に食らいついて、ハイレベルな2日間となるか。
混戦が予想されるのは走高跳。全中2連覇に加え、ルーキーだった前回インターハイを制し、“夏に強い”鴨田るな(東海大相模2神奈川)が1m76の自己記録を持つ。ただ、今季ベストは1m70にとどまる。
一方、勢い著しいのは、今年に入って自己記録を9cm伸ばし、1m74を跳んでいる倉田心夏(八千代松陰3千葉)だ。また、自己ベスト1m72の秋岡里緒(倉敷商3岡山)、1m71の古賀羽菜(福岡雙葉2)、阿部野菊(山形中央3)ら各地区大会覇者にもチャンスがある。
棒高跳は北関東大会で高校歴代8位タイの4m00をマークした渡邊紗莱(大宮東3埼玉)が記録でリードするが、奈良県大会で3m92の高1歴代3位を跳んだ中村心葵(王寺工・奈良)や、前回2位の上山貴美恵(大塚3大阪)、自己ベスト3m90の大豆生田花音(樹徳2群馬)もV戦線に加わってくるはずだ。
昨年はインターハイ前の時点で6m超えが8人いた走幅跳。今季は6m11の成澤柚日(共愛学園3群馬)と、7月中旬に6m08をマークした菅野穂乃(山形市商3)、6m05の石原南菜(白鴎大足利2栃木)の3人だけだ。前回2位の成澤は全中2連覇や昨年秋のU18大会は1位といった実績がある、菅野は三段跳でもリスト4位につけており、石原は100mハードルで高校歴代2位の13秒33というベストを持つ。
この2人が優勝争いの軸だが、5m90台の選手にも大幅自己新で逆転の可能性がある。また、全中2年連続Vの藤本茉優(星稜1石川)や、岡林結衣(高知農1)のルーキーも昨年6m台を跳んでおり、高校で積み上げたものを発揮できれば、上位に入りそうだ。
三段跳は東海大会でランキング1位の12m73をマークした岡島奏音(皇學館3三重)を軸に、7月に入って12m68 と自己ベストを伸ばした近畿大会1位の西村玲奈(西城陽3京都)、12m52の記録を持ち、前々回の1年時に7位に入っている菅野穂乃(山形市商3)が争う構図。また、佐野瑚子(関大北陽3大阪)も7月に12m54を跳んでおり、激戦もあり得る。
西武台勢が砲丸投、円盤投で躍進の予感
2強対決が予想されるのは砲丸投。前回4位で、米川佳里奈(西武台3埼玉)と前回8位の林暖來春(生光学園2徳島)が14m台の記録を持つ。ただ、7月に入って米川が14m27とベストを15cm更新。14m06の林との差を広げている。14m台はこの2人で、ランキング3番手は13m40台だが、ビッグショットで2人に迫り盛り上げられるか。
円盤投も西武台勢が記録で上位に食い込んでいる。6月下旬に46m32をマークした近田ココ(3年)がランキングトップで、45m00の益井莉桜(同)が3位。益井は前回インターハイで下級生トップの4位に入っている。しかし、インターハイで2年連続入賞の藤田結愛(東洋大牛久3茨城)が北関東大会で西武台勢を抑え、44m40の自己新で3連覇を達成した。
また、昨年のU20日本選手権5位、U18大会2位の東かれん(八女学院3福岡)は1年時のインターハイで3位。自己ベストは昨年の45m58だ。この4人が優勝争いを演じるだろう。
ハンマー投は7月に入って混沌としてきた。京都府選手権で長谷川有(花園3)が56m02とランキングトップを放った。近畿大会優勝時に出した自己記録53m16から3m近く更新。安定した投てきがカギとなりそう。
その安定感があるのが岐阜県大会で54m72を放った伊藤羽菜(済美3)。50m台を5本マークしている。東海大会では52m16で2位に終わったものの。好不調の波は少ない。また、東海大会を制した河戸咲希(名古屋大谷2愛知)は県大会で高2歴代4位の53m34をスロー。53m98で四国大会を優勝した永田陽菜乃(四学香川西3)もチャンスはある。
やり投は鈴木彩夏(大体大浪商3大阪)が大阪府大会で53m65、近畿大会で51m73と、今季ただ1人の50m台をマークしている。追いかけるのが北関東大会で49m98を放った須永莉子(桶川3埼玉)、愛知県大会で49m16を出した村田凜娃(三好3愛知)になるだろう。
また、暑熱対策のため競技日程が変更されており、トラック種目では、800mまでは予選・決勝で実施。決勝は予選通過の24人によるタイムレース決勝となる。1500m、男子5000m・女子3000m、男子3000m障害、5000m競歩の距離については予選なしのタイムレース決勝となる。
フィールド種目は予選・決勝を行うが、試技は最大2回まで。決勝も通常は3回・3回の最大6回の試技で争われるが、2回を跳んだ後、トップ8による2回の計4ラウンドでの実施となる。走高跳と棒高跳については、2回連続の失敗で競技終了。混成競技のフィールド種目も上記に準ずる。
七種は1、2年生も勢い
女子七種競技では前回覇者・本多七(園田学園3兵庫)が2連覇と高校記録(5519点)の更新を狙っている。今季は昨年出した自己ベスト(5334点/高校歴代5位)を更新できていないが、100mハードルでは13秒83の自己新。得意のやり投では47m台のベストを持つなど、この1年間で積み上げてきたものが噛み合えば、11年ぶりの高校新もあるかもしれない。 本多が優位に立つが、南関東大会では23年全中四種競技Vの実績がある江口美玲(東海大相模2神奈川)が高2歴代8位の5120点をマーク。また、昨年四種競技で中学記録を打ち立てた岡田紗和(法政二1神奈川)が高1初の5000点越えとなる5086点を挙げている。本多に食らいついて、ハイレベルな2日間となるか。 混戦が予想されるのは走高跳。全中2連覇に加え、ルーキーだった前回インターハイを制し、“夏に強い”鴨田るな(東海大相模2神奈川)が1m76の自己記録を持つ。ただ、今季ベストは1m70にとどまる。 一方、勢い著しいのは、今年に入って自己記録を9cm伸ばし、1m74を跳んでいる倉田心夏(八千代松陰3千葉)だ。また、自己ベスト1m72の秋岡里緒(倉敷商3岡山)、1m71の古賀羽菜(福岡雙葉2)、阿部野菊(山形中央3)ら各地区大会覇者にもチャンスがある。 棒高跳は北関東大会で高校歴代8位タイの4m00をマークした渡邊紗莱(大宮東3埼玉)が記録でリードするが、奈良県大会で3m92の高1歴代3位を跳んだ中村心葵(王寺工・奈良)や、前回2位の上山貴美恵(大塚3大阪)、自己ベスト3m90の大豆生田花音(樹徳2群馬)もV戦線に加わってくるはずだ。 昨年はインターハイ前の時点で6m超えが8人いた走幅跳。今季は6m11の成澤柚日(共愛学園3群馬)と、7月中旬に6m08をマークした菅野穂乃(山形市商3)、6m05の石原南菜(白鴎大足利2栃木)の3人だけだ。前回2位の成澤は全中2連覇や昨年秋のU18大会は1位といった実績がある、菅野は三段跳でもリスト4位につけており、石原は100mハードルで高校歴代2位の13秒33というベストを持つ。 この2人が優勝争いの軸だが、5m90台の選手にも大幅自己新で逆転の可能性がある。また、全中2年連続Vの藤本茉優(星稜1石川)や、岡林結衣(高知農1)のルーキーも昨年6m台を跳んでおり、高校で積み上げたものを発揮できれば、上位に入りそうだ。 三段跳は東海大会でランキング1位の12m73をマークした岡島奏音(皇學館3三重)を軸に、7月に入って12m68 と自己ベストを伸ばした近畿大会1位の西村玲奈(西城陽3京都)、12m52の記録を持ち、前々回の1年時に7位に入っている菅野穂乃(山形市商3)が争う構図。また、佐野瑚子(関大北陽3大阪)も7月に12m54を跳んでおり、激戦もあり得る。西武台勢が砲丸投、円盤投で躍進の予感
2強対決が予想されるのは砲丸投。前回4位で、米川佳里奈(西武台3埼玉)と前回8位の林暖來春(生光学園2徳島)が14m台の記録を持つ。ただ、7月に入って米川が14m27とベストを15cm更新。14m06の林との差を広げている。14m台はこの2人で、ランキング3番手は13m40台だが、ビッグショットで2人に迫り盛り上げられるか。 円盤投も西武台勢が記録で上位に食い込んでいる。6月下旬に46m32をマークした近田ココ(3年)がランキングトップで、45m00の益井莉桜(同)が3位。益井は前回インターハイで下級生トップの4位に入っている。しかし、インターハイで2年連続入賞の藤田結愛(東洋大牛久3茨城)が北関東大会で西武台勢を抑え、44m40の自己新で3連覇を達成した。 また、昨年のU20日本選手権5位、U18大会2位の東かれん(八女学院3福岡)は1年時のインターハイで3位。自己ベストは昨年の45m58だ。この4人が優勝争いを演じるだろう。 ハンマー投は7月に入って混沌としてきた。京都府選手権で長谷川有(花園3)が56m02とランキングトップを放った。近畿大会優勝時に出した自己記録53m16から3m近く更新。安定した投てきがカギとなりそう。 その安定感があるのが岐阜県大会で54m72を放った伊藤羽菜(済美3)。50m台を5本マークしている。東海大会では52m16で2位に終わったものの。好不調の波は少ない。また、東海大会を制した河戸咲希(名古屋大谷2愛知)は県大会で高2歴代4位の53m34をスロー。53m98で四国大会を優勝した永田陽菜乃(四学香川西3)もチャンスはある。 やり投は鈴木彩夏(大体大浪商3大阪)が大阪府大会で53m65、近畿大会で51m73と、今季ただ1人の50m台をマークしている。追いかけるのが北関東大会で49m98を放った須永莉子(桶川3埼玉)、愛知県大会で49m16を出した村田凜娃(三好3愛知)になるだろう。 また、暑熱対策のため競技日程が変更されており、トラック種目では、800mまでは予選・決勝で実施。決勝は予選通過の24人によるタイムレース決勝となる。1500m、男子5000m・女子3000m、男子3000m障害、5000m競歩の距離については予選なしのタイムレース決勝となる。 フィールド種目は予選・決勝を行うが、試技は最大2回まで。決勝も通常は3回・3回の最大6回の試技で争われるが、2回を跳んだ後、トップ8による2回の計4ラウンドでの実施となる。走高跳と棒高跳については、2回連続の失敗で競技終了。混成競技のフィールド種目も上記に準ずる。
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