2025.02.01
◇第108回日本選手権・室内(2月1、2日/大阪城ホール)1日目
日本選手権室内の初日が行われ、女子60mハードルは青木益未(七十七銀行)が8秒05と自身の大会記録に並ぶ好記録で優勝。この大会、前身も含めて7連覇を達成した。
「ここに合わせているみたい」と笑い「連覇してしまっているので、毎年『出たくない』という気持ちと負けたくない気持ちがあります」。予選から8秒10をマークし、決勝は「思いっきり行けたのが良かった。思った以上でした」と笑った。
その表情が明るいのは久しぶりだった。100mハードルの前日本記録保持者。だが、22年春から左アキレス腱周辺の痛みに悩まされてきた。MRIなど検査をしても異常はない。「痛くなければ速く走れるのに」。病院をいつか回っても解決しなかった。
昨年5月のセイコーゴールデングランプリ以降、100mハードルから遠ざかる。「このまま引退するんじゃないかと思いました」。だが、心理学の観点からもアプローチし、カウンセリングから特定される原因が不明の状態で痛みが慢性的に続く「慢性疼痛かもしれない」と考えるようになり、「先生と一緒に話し合いながら、痛みにフォーカスしないようにしていきました」。
すると、この冬は驚くほど痛みが消えた。仮に違和感が出ても「これは筋肉痛だ」と意識を遠ざけることで、トレーニングを継続できた。
「もうすぐ31歳ですが、今は本当に練習が楽しい。3年間、なんだったんだろうって。もっと速くなりたい。もっと陸上ができる」。走る喜びが全身に満ちあふれている。
この後は2月のニュージーランドで100mハードル復帰戦となる見込み。「最初の3台目まで落ち着いて入って、どんどん加速していく。持ち味のスプリントを噛み合わせていければ」。大きな目標よりも「まずは自己ベスト(12秒86)を更新していきたい。でも、負けたくない。自分史上一番速く走って、その先に大きな大会がある。そうすれば楽しめる」。
迷いは消えた。活況の女子スプリントハードルに頼もしい選手が帰ってきた。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.07
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.12
國學院大がライフネット生命とスポンサーシップ契約「箱根路で最高の景色を見せられるよう邁進」
ライフネット生命保険株式会社は12月12日、昨年から結んでいる國學院大陸上競技部とのスポンサーシップ契約を延長したと発表した。 2008年に開業したライフネット生命は、オンライン生保のリーディングカンパニーとして知られる […]
2025.12.12
全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力 14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新
12月11日、豪州シドニーで、ニューサウスウェールズ州10000m競歩選手権が行われ、I.ビークロフト(豪州)が38分02秒68のU20世界新記録をマークした。 ビークロフトは2007年生まれの18歳。競歩選手だった父の […]
2025.12.12
箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」
第102回箱根駅伝で初優勝を狙う國學院大が12月12日、都内の渋谷キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。 例年の合同による囲み取材形式から急遽、記者会見方式への変更。前田康弘監督は「今年は今のところ16人全員が元気で良い […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025