2024.02.18
◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド)
パリ五輪代表選考会となる第107回日本選手権20km競歩が行われ、男子は池田向希(旭化成)が世界歴代3位、日本人2人目の1時間17分切りとなる1時間16分51秒で大会連覇を果たし、派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破したためパリ五輪代表に内定した。これで銀メダルを獲得した東京五輪に続いて2大会連続のオリンピックとなる。
「ホッとしている気持ちと、やっとパリへのスタートラインに立てたという気持ちです」
圧巻の一人旅だった。「当初は集団の中で余裕を持っていき、15km以降の削り合いにになると思っていました」。ただ、山西利和(愛知製鋼)がハイペースで飛び出したことで「そこにうまくつこう」と対応。6~7km付近で後ろが離れ、山西のペースも一瞬隙が見えたところを見逃さなかった。
「このままだと後半に何人か残ってしまう。ここが鍵だと思ってレースプランを変更しました」
2015年に鈴木雄介(富士通)が樹立した世界記録1時間16分36秒が見えるペースで10km通過は38分30秒。これには「記録は考えていなかった」池田も世界記録を意識したという。
「イーブンで行けるところまで行って後半粘る」とペースを崩さず。そのラップにも精神面も「まだ行けると余裕を持つことができたのは成長」と振り返る。
マネージャーとして東洋大の門を叩いた池田。2019年にドーハ世界選手権で入賞すると、東京五輪で日本最上位の銀メダル、22年オレゴン世界選手権でも銀メダルを手にした。その後は「自立しなければ世界と戦えない」と環境を変え、1人でメニューを組み立てながら、陸連や実業団の合宿に参加して研鑽を積んだ。
昨年のブダペスト世界選手権では15位。積極レースを仕掛けながら冷静さを失った。加えて、「前年の冬にケガや体調不良があって距離が踏めなかった」。そうした原因を分析し、ブダペスト以降はしっかりスタミナをつけた上で持ち味のスピードに磨きをかけた。今回のペースも「余裕があった」と言い、「1人で出せたのは自信になります」と大きな収穫を得た。
2度目の五輪。これまでは山西や髙橋英輝(愛知製鋼)といった先輩たちと一緒に日の丸を背負ったが、今度はトップとして挑む世界大会になる。「先輩たちが一から教えてくださった。心の支えでもありました。そういう選手たちの思いも持って臨みたいし、覚悟が芽生えています」。
世界のレベルも飛躍的に上がり、「競り合いになる」と覚悟の上。「そう簡単には取らせてもらえないと思いますが、しっかり準備していきます」と、悲願の五輪金メダルへ、ここからギアをさらに上げていく。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.14
編集部コラム「今年も残り1か月半」
2025.11.14
地区高校駅伝 今週末は5ヵ所で開催 年末の都大路へ地区代表を懸けた激しい継走続々
2025.11.14
東京デフリンピックが明日開幕!湯上剛輝ら代表の陸上は17日から駒沢を主会場に熱戦
-
2025.11.14
-
2025.11.13
-
2025.11.10
-
2025.11.10
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.14
編集部コラム「今年も残り1か月半」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.11.14
地区高校駅伝 今週末は5ヵ所で開催 年末の都大路へ地区代表を懸けた激しい継走続々
全国高校駅伝の出場権を懸けた地区高校駅伝(地区大会)が明日11月15日、あさって16日、全国5ヵ所で開催される。 全国大会(12月21日/京都)は11月上旬までに終了した都道府県大会47代表に加え、昨年からは11地区の地 […]
2025.11.14
東京デフリンピックが明日開幕!湯上剛輝ら代表の陸上は17日から駒沢を主会場に熱戦
4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月15日に開幕する。デフリンピックは第1回大会が1924年と歴史が長く、今年が100周年の節目。日本での開催は初めてとなる。陸上競技は17 […]
2025.11.14
丹後大学駅伝の区間オーダー発表! 2区に各校のエース集結 56年ぶりV狙う関大は秋山翔太朗 関学大は関西IC1万mVの山下慶馬を登録
関西学連は11月14日、第87回関西学生駅伝(丹後駅伝/11月15日)の区間エントリーを発表した。 レースは今年も8区間74.7kmのコースで実施され、22校とオープン参加の青学大が出場する。 3連覇を目指す京産大は前回 […]
2025.11.14
八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表! 最終組に鈴木芽吹、田澤廉、篠原倖太朗が登場!
東日本実業団連盟は11月14日、「2025八王子ロングディスタンス」のスタートリストを発表した。同大会は男子10000mを中心とした競技会で、今年も有力選手がそろった。 最終組となるA組には、東京世界選手権代表の鈴木芽吹 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025