2025.08.25
日本陸連は8月25日、第109回日本選手権(7月4日~6日)の男子400m決勝でトップでフィニッシュした佐藤風雅(ミズノ)が失格と裁定されたことについて、ジュリーによる再審議の結果、取り消しとなったことを発表した。
そのため、佐藤風雅(ミズノ)が45秒28で優勝。優勝だった今泉堅貴(内田洋行AC)が45秒29で2位となり、2位以下の順位も1つ繰り下がる。
日本選手権の決勝において、監察員より審判長へ、「佐藤が『第2曲走路付近で2歩ラインを踏んだ』」と報告。さらに、映像・画像の確認によって、「2歩ラインを踏んだ」よりも「1歩完全に踏み越えた」画像が存在したため、失格と裁定された。
競技規則には「スタートからフィニッシュまで自分に割り当てられたレーンを走らなければならない。カーブを走る部分では、内側のライン上またはその内側を踏んだり走ったりしてはならない」と定められている。ただし、「ラインに1回(1歩)だけ触れた場合」は失格にはならないとされており、足が完全にラインを踏み越える、または2回(2歩)ラインを踏んだ場合が失格の対象となる。
その後、所属のミズノ側は資料画像とともに抗議、上訴したものの、いずれも失格の裁定が支持された。そのため、佐藤の失格、今泉の優勝が正式リザルトとして出されている。
だが、ミズノ側から提出した画像を確認したかどうかを含め、7月9日、24日と2度にわたって問い合わせがあった。日本陸連は「ジュリーへの資料の提出に関して十分な手続きが講じられていなかった」と判断し、主管の東京陸協、日本陸連競技運営委員会とともに事実確認を実施。同時に、世界陸連にもルール解釈の確認を行った。
その結果、8月19日に再審議を実施。ジュリーは資料、画像、動画、審判長への口頭確認を基に検討し、「1歩完全に踏み越えた」ことの判定は取り消し。ただし、動画を精査した結果、新たに「第2曲走路中央付近」でラインを1歩踏んだ事実が確認されたとして、「2歩ラインを踏んだ」という理由によって失格の裁定は維持という判断がなされた。
しかし、この失格理由については大会当日に触れられていなかったことから、ミズノに改めて抗議を受け付ける旨を8月20日に通告。翌21日にミズノ側が抗議をして日本陸連がそれを受理。その際には失格裁定が維持されたが、同日中にミズノ側が上訴をし、8月22日のジュリーによる審議の結果、失格の裁定が棄却された。
そのため、決勝出場者に対して抗議を受け付けることを通告。抗議、上訴を受けたが、いずれも佐藤の失格取り消しが支持され、リザルト変更が正式に決まった。
これを受けて、日本陸連競技運営委員長の鈴木一弘氏と鈴木英穂事務局長がメディアからの取材に応じた。
特に大きな問題となったのが、8月19日の再審議における「1歩完全に踏み越えた」点について。世界陸連に確認したところ、これまで「接地面となる足すべてラインを超えていた瞬間がある場合は失格」としていた解釈が誤りであり、「一連の接地の動作の中で踵がラインを踏んでいる場合は、踏み越えているとはならない」が正しいとの回答があったという。資料において、踵がラインにかかっていると確認できたことで、完全に踏み越えていないという判断となった。
また、その際に新たに見つかった第2曲走路中央付近の1歩についても、「ラインと並行だった」という判断がなされた。
日本陸連としては、再発予防対策のためにルール理解の徹底や、失格原因が複数考えられる場合の運用や抗議機会の保証などを進めていくという。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2026.01.07
-
2026.01.02
-
2026.01.03
-
2026.01.02
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.14
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2026.01.08
エディオン・細田あいが引退!パリ五輪で補欠選出、ラストは東京マラソン「最後まで全力で駆け抜けたい」
株式会社エディオンは1月8日、女子陸上競技部所属の細田あいが2026年3月末で現役を引退するとを発表した。3月の東京マラソンがラストランになる。 30歳の細田は、長野東高では全国高校駅伝に2、3年時と出場。日体大では3年 […]
2026.01.08
箱根駅伝2度目V3・青学大がキャンパスで優勝報告会! 5区で大逆転の主将・黒田朝日「100%の力を発揮できた」
第102回箱根駅伝で3年連続9回目の総合優勝を果たした青学大が1月8日、都内の青山キャンパスで優勝報告会を開き、出走した選手や原晋監督らが学生らに感謝の気持ちを伝えた。 出走メンバーからは2区の飯田翔大(2年)が授業のた […]
2026.01.08
200mユニバ代表・壹岐元太が西日本三菱自動車販売に内定!アスナビ活用で次なるステップ「世界の舞台で戦う競技者に」
男子短距離の壹岐元太(京産大4)が、西日本三菱自動車販売株式会社への入社が内定したことがわかった。日本オリンピック委員会(JOC)によるトップアスリート就職支援ナビゲーション「アスナビ」を活用し、1月7日に内定が発表され […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
