2023.04.13
第107回日本選手権35km競歩が4月16日、石川県輪島市で行われる。今夏のブダペスト世界選手権、秋の杭州アジア大会の代表選考会となる大事な一戦。注目選手をチェックしていこう。
ブダペスト世界選手権の代表は最大3枠。そのうち、最も近い位置にいるのは川野将虎(旭化成)となる。昨年のオレゴン世界選手権では銀メダルを獲得。東京五輪では50km競歩で6位入賞と、着実にステップアップしている。オレゴン世界選手権メダリストという条件から、ただ1人参加標準記録(2時間29分40秒)を突破した時点で代表に内定する。
元々スタミナと粘り強さに加え、スピードも20kmで1時間17分24秒(日本歴代2位)のベストが表すように一級品。前回大会でも2時間26分40秒で圧巻の優勝を飾っており、2連覇で2大会連続代表入りなるか。
世界選手権代表内定条件の一つに、「派遣設定記録(2時間27分30秒)+選考会日本人最上位」があり、これは世界選手権メダリスト最上位=川野を除いた順位。現時点で派遣設定記録を突破している野田明宏(自衛隊体育学校)と松永大介(富士通)は川野を除いて最上位に入れば代表権をつかみとることができる。
野田と松永はいずれもオレゴン世界選手権代表で、野田は9位、松永はケガの影響もあり29位だった。野田は2月の日本選手権20km競歩でも3位で、5位だった川野に先着。雨風のコンディションだったが力のあるところを証明した。
松永は14年世界ジュニア選手権10000m競歩金メダリストで、20km競歩でリオ五輪7位と、若くして数々の実績を残してきた天才ウォーカー。近年は長くケガに苦しんできたが、昨年は35kmで新境地を開いて見事に復活を遂げた。
この他では東京五輪50km競歩代表の丸尾知司(愛知製鋼)と勝木隼人(自衛隊体育学校)らが実力者。大学生でスピードのある萬壽春輝(順大)の初35kmにも注目が集まる。上記は派遣設定記録を突破した上で川野を除く最上位に来れば代表に内定。男子は最大で2名、ブダペスト世界選手権代表が決まる。
女子のブダペスト世界選手権派遣設定記録は2時間46分00秒で、オレゴン世界選手権9位の園田世玲奈(NTN)1人。優勝すれば即時内定となる。初の世界選手権となったオレゴンでは入賞まであと一歩と迫ったが、スピード不足を痛感。帰国後は国体5000m競歩に出場したり、3月の20km競歩では1時間32分11秒の自己新で2位に入ったりと、課題克服に取り組んできた。
大きな注目が集まるのが、20km競歩の第一人者で日本記録保持者(1時間27分41秒)の岡田久美子(富士通)。35km競歩に初挑戦となる。現時点で20kmの参加標準記録も突破できていないだけに、35kmで代表入りへ近づけるか。他では河添香織(自衛隊体育学校)や渕瀬真寿美(建装工業)が上位候補となりそう。
10kmや高校5kmなども同時開催。大会の様子はライブ配信も予定されている。
日本選手権35km競歩ライブ配信をチェック!
https://youtu.be/wSWbhgt76tgRECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
-
2025.10.18
-
2025.10.19
-
2025.10.18
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.24
「3強」立命大の連覇か、名城大のV奪還か、大東大の初優勝か?城西大、大阪学大らも追随/全日本大学女子駅伝見どころ
第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会は10月26日、宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタート・フィニッシュとする6区間38.0kmで開催される。 前回8位までに入ってシード権を持つ立命 […]
2025.10.24
競歩新距離で日本初開催!世界陸上メダリスト・勝木隼人、入賞の吉川絢斗も登録 アジア大会選考がスタート/高畠競歩
来年の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会が10月26日に山形県高畠町で開かれる。 競歩はこれまで20㎞、35㎞(以前は50㎞)という2種目で行われてきたが、世界陸連(WA)はハーフマラソン(2 […]
2025.10.24
女子短距離の久保山晴菜が現役引退「もう一度やり直してもこの道を選ぶ」アジア選手権やDLにも出場
今村病院はアスリート職員の女子短距離・久保山晴菜が今季限りで現役引退すると発表した。 久保山は佐賀県出身の29歳。小学校から陸上を始め、田代中時代に4×100mリレーで全中準決勝に進出。佐賀北高に進学して200m、400 […]
2025.10.24
後藤大樹が46秒80!!!初400mで高1最高を14年ぶりに更新 インターハイでは高1初400mH王者
京都府私学総体が10月24日に西京極で行われ、男子400mで後藤大樹(洛南1)が46秒80を叩き出した。自身初の400m個人レースで出したこの記録は、山木伝説(九里学園)が2011年に樹立した高1最高(47秒31)を14 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望