◇金栗記念選抜陸上中長距離大会2023(4月8日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズの金栗記念のグランプリ男子10000m。冬から春にかけてロードで快走を連発した駒大の篠原倖太朗(3年)がトラックでも強さを見せた。
5000mの通過は14分1秒。「本当は13分50秒~55秒で通過してほしかった」と大八木弘明総監督が言うように、想定よりも少し遅いペースでレースは進んだ。
それでも、2月の丸亀ハーフでも接戦を繰り広げた太田智樹(トヨタ自動車)とともに、イェゴン・ヴィンセント(Honda)やデイビッド・シュンゲヤ・ネイヤイ(麗沢大)といった外国人選手に食らい付き、後半にペースアップ。篠原が太田を前を走る場面も長かった。
「5000mの入りがちょっと遅かったので、後半に上げるしかないなと思ったのですが、ちょっと焦った部分もあって早く出ちゃったのかな……」
結局、総合4位に終わり、太田にも敗れて日本人2位となったものの、これまでの自己記録を1分近く短縮し、日本人学生歴代4位となる27分43秒13をマークした。
しかし、当の本人は「(27分)30秒台に入りたかったし、日本人1位を狙っていたので、悔しいです」と、本音を隠そうとはしなかった。
千葉・富里高出身。いわゆる強豪校ではなかったが、駒大卒業生の北原慎也先生の元で力をつけ、1500mでは高3時に全国高校大会3位。5000mは14分36秒11をマークした。
駒大1年目から全日本大学駅伝1区を務めた篠原。今年の箱根駅伝は3区区間2位と好走し、チームの総合優勝と大学駅伝三冠の力となった。2月の丸亀ハーフでは1時間0分11秒の日本人学生最高記録をマーク。その後、先輩の田澤廉(現・トヨタ自動車)、鈴木芽吹(4年)とともに米国・ニューメキシコ州アルバカーキで強化合宿を敢行した。
帰国後の日本学生ハーフでは学生日本一に輝き、7月に開幕するFISUワールドユニバーシティゲームズの代表内定を勝ち取っている。今や、学生長距離界を代表する選手と言っていいが、「もう学生のカテゴリーとか関係なく、日本人には勝ちたいと思います。走る前から2番でいいなんて思っていないので」と、篠原自身、目線が一段高くなった。
アメリカ遠征の成果も徐々に現れている。「日本に帰ってきて2週間ぐらい経ったときにだいぶ効果が出てきて、練習に余裕がもてるようになりました。そういう部分で強くなったかなと思います」。
卒業後も母校を拠点とする田澤には練習でもなかなか勝てないが、それでも力が付いたのを実感している。ショートスプリントにも取り組み、スピードにも磨きをかけている。これまではスピード練習は短くても300~400mぐらいだったが、最近は「本当に短距離みたいな練習をしている」と言うほどで、400mのインターバルの後に150mを5本プラスするなどしているという。
「乳酸が溜まった状態でラストに切り替える練習です。今日もラスト200mから頑張ったつもりだったんですけど……」
高いレベルでトレーニングに取り組めているからこそ、好記録にも納得はしていない。マルチな活躍を見せる篠原は、まだまだ成長を見せそうだ。
文・写真/福本ケイヤ
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