HOME 国内

2023.03.03

五輪8位の一山麻緒は言葉詰まる12月に肋骨故障「気持ちのコントロールできなかった」世界陸上代表・松田瑞生「挑戦した結果が日本記録に」/東京マラソン
五輪8位の一山麻緒は言葉詰まる12月に肋骨故障「気持ちのコントロールできなかった」世界陸上代表・松田瑞生「挑戦した結果が日本記録に」/東京マラソン

一山麻緒と松田瑞生

3月5日に行われる東京マラソン2023を控え、都内でプレスカンファレンスが開かれて招待選手の一部が前々日会見に登壇して意気込みを語った。

21年東京五輪8位の一山麻緒(資生堂)は思わず言葉が詰まらせた。「調子が良いと言える状態ではなかった。12月上旬に肋骨の疲労骨折があって、1ヵ月くらい走れず。5年ぶりの故障でした」。復帰してからは「東京マラソンに向けて、2時間16分、17分を頭に入れて故やってきたのですが……」。練習について「できなかったほうが多かった」ため、「気持ちのコントロールがうまくできなかった」と話す。

広告の下にコンテンツが続きます

それでも、残念ながら体調不良のため欠場となった昨年のオレゴン世界選手権までは「これまでのマラソン練習だけではなく、海外のコーチにアドバイスをいただくなどして、いい準備ができていました。新しいチームでスピードのある選手と一緒にやったことのない速いペース設定など、(秋の)駅伝に向けてスピードを戻せていました」と言う。

パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に向けて「これが最後のマラソン。当日になってみないとわからないので、MGCにつながる走りができれば」と前を向いた。

オレゴン世界選手権9位の松田瑞生(ダイハツ)は、日本記録について「走ってみないとわからない」と力を込める。これまでのマラソンでも「すべて日本記録を頭に入れていましたが、ことごとく高い壁」となって立ち塞がった。それだけに、「レース展開や気象条件など、ハマらないと難しい」と言う。それでも、常に日本新を狙う姿勢は崩さない。「うまく前半から走れて、挑戦した結果が日本記録になると思っています」。

特にポイントは30km以降で「我慢の12km」。昨年まではがむしゃらに走り、オレゴン前には「少しオーバーワーク気味になってしまった」と反戦。年齢を重ねていることもあり、「疲労回復が少しずつ遅れて、それが毎日積み重なる」。それが強さになるときもあれば、「少しつぶれる方向にいっていた」と振り返る。

広告の下にコンテンツが続きます

その反省から、「競技生活と向き合う時間を経て、身体と向き合って質の高さを意識してきた」と松田。MGCはもちろんだが、その前にあるブダペスト世界選手権の代表も目指す。「世界選手権の切符をとって、世界レベルと戦うチャンスをつかみたい。MGCはその後に考えます」。

2度目の世界挑戦のため、まずは初の東京で海外勢相手に松田らしい闘志あふれるレースをするつもりだ。

東京マラソンは東京都庁をスタート、東京駅前をフィニッシュとする都内を巡るコースで行われる。9時10分に一斉スタート。フジテレビで中継される。

次ページ 招待選手の細田、松下のコメント

広告の下にコンテンツが続きます
3月5日に行われる東京マラソン2023を控え、都内でプレスカンファレンスが開かれて招待選手の一部が前々日会見に登壇して意気込みを語った。 21年東京五輪8位の一山麻緒(資生堂)は思わず言葉が詰まらせた。「調子が良いと言える状態ではなかった。12月上旬に肋骨の疲労骨折があって、1ヵ月くらい走れず。5年ぶりの故障でした」。復帰してからは「東京マラソンに向けて、2時間16分、17分を頭に入れて故やってきたのですが……」。練習について「できなかったほうが多かった」ため、「気持ちのコントロールがうまくできなかった」と話す。 それでも、残念ながら体調不良のため欠場となった昨年のオレゴン世界選手権までは「これまでのマラソン練習だけではなく、海外のコーチにアドバイスをいただくなどして、いい準備ができていました。新しいチームでスピードのある選手と一緒にやったことのない速いペース設定など、(秋の)駅伝に向けてスピードを戻せていました」と言う。 パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に向けて「これが最後のマラソン。当日になってみないとわからないので、MGCにつながる走りができれば」と前を向いた。 オレゴン世界選手権9位の松田瑞生(ダイハツ)は、日本記録について「走ってみないとわからない」と力を込める。これまでのマラソンでも「すべて日本記録を頭に入れていましたが、ことごとく高い壁」となって立ち塞がった。それだけに、「レース展開や気象条件など、ハマらないと難しい」と言う。それでも、常に日本新を狙う姿勢は崩さない。「うまく前半から走れて、挑戦した結果が日本記録になると思っています」。 特にポイントは30km以降で「我慢の12km」。昨年まではがむしゃらに走り、オレゴン前には「少しオーバーワーク気味になってしまった」と反戦。年齢を重ねていることもあり、「疲労回復が少しずつ遅れて、それが毎日積み重なる」。それが強さになるときもあれば、「少しつぶれる方向にいっていた」と振り返る。 その反省から、「競技生活と向き合う時間を経て、身体と向き合って質の高さを意識してきた」と松田。MGCはもちろんだが、その前にあるブダペスト世界選手権の代表も目指す。「世界選手権の切符をとって、世界レベルと戦うチャンスをつかみたい。MGCはその後に考えます」。 2度目の世界挑戦のため、まずは初の東京で海外勢相手に松田らしい闘志あふれるレースをするつもりだ。 東京マラソンは東京都庁をスタート、東京駅前をフィニッシュとする都内を巡るコースで行われる。9時10分に一斉スタート。フジテレビで中継される。 次ページ 招待選手の細田、松下のコメント

東京マラソン2023女子招待選手の細田、松下のコメント

以下、その他の会見登壇者の女子選手コメント要旨をまとめた。 細田あい(エディオン) 「昨年の夏はMGCを意識して走り込みをケガなくできたことで、10月のロンドンで自己ベストを出せました。その後は思ったより疲労もあって体調不良もあって崩れる場面も多かったです。その中で積み重ねながらやってきた。ハッキリしたレースプランは当日決めたい。最大目標はパリ五輪。MGCを意識したレースをしたいです」 松下菜摘(天満屋) 「東京マラソンに向けては、マラソンを走る覚悟を持って練習ができました。言い準備ができないと、良い結果にはつながらない。レースプランは考えず、当日の気象条件や体調を見てレースに対応したい。今回は世界を体感するつもりで東京に臨みたい」 ローズマリー・ワンジル(ケニア/青森山田高卒) 「日曜日は天気も良さそうで2時間16分、17分を目指して自己ベストを出して優勝したい。東京を走れるのはとてもうれしいです。日本は私のホーム。応援よろしくお願いします」

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.04.30

5000mは中大・吉居駿恭が優勝!自己記録に迫る13分24秒06「最低限の結果」/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズG1の織田記念が行われ、男子5000mは中大3年の吉居駿恭(中大)が制した。 広告の下にコンテンツが続きます 最終種目で大学生ラン […]

NEWS 男子三段跳・安立雄斗が2年ぶり自身新の16m46で地元V 3000m障害・三浦龍司は大会新で制す/織田記念

2024.04.30

男子三段跳・安立雄斗が2年ぶり自身新の16m46で地元V 3000m障害・三浦龍司は大会新で制す/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリG1の織田記念が行われた。ほぼ終日、冷たい雨の降る天候となったが、パリ五輪を目指す選手がまずまずのパフォーマンスを発揮する見ごたえのある大 […]

NEWS 3000m障害・三浦龍司 パリ五輪内定は持ち越しも8分22秒07で制し「勝負に勝つという意味では良かった」/織田記念

2024.04.29

3000m障害・三浦龍司 パリ五輪内定は持ち越しも8分22秒07で制し「勝負に勝つという意味では良かった」/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズG1の織田記念が行われ、男子3000m障害は三浦龍司(SUBARU)が8分22秒07で優勝した。昨年のブダペスト世界選手権6位のた […]

NEWS 東京五輪代表・青山華依が涙の復活 チャレンジレースから決勝へ「レース経験を戻していきたい」/織田記念

2024.04.29

東京五輪代表・青山華依が涙の復活 チャレンジレースから決勝へ「レース経験を戻していきたい」/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズG1の織田記念が行われ、女子100mはハリス・ジョージア(豪州)が11秒57(±0)で優勝した。日本人トップの2位に石川優(青学大 […]

NEWS 女子100mH・田中佑美が混戦抜け出し13秒00でV 「しっかり流れに乗れた」/織田記念

2024.04.29

女子100mH・田中佑美が混戦抜け出し13秒00でV 「しっかり流れに乗れた」/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリG1の織田記念が行われ、12秒台のベストを持つ日本人5人が出場した女子100mハードルは、ブタペスト世界選手権代表の田中佑美(富士通)が1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top