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2022.12.31

Playback日本記録2022/覚醒した100mH福部真子 オレゴン世界陸上で12秒82、9月には衝撃の12秒73
Playback日本記録2022/覚醒した100mH福部真子 オレゴン世界陸上で12秒82、9月には衝撃の12秒73

日本新樹立に驚きの表情を見せる福部真子(22年全日本実業団)

◇女子100mH日本歴代10傑
12.73 1.1 福部真子(日本建設工業) 2022.9.25
12.86 -0.2 青木 益未(七十七銀行) 2022.4.10
12.87 0.6 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 2021.6.1
13.00 0.7 金沢イボンヌ(佐田建設)    2000.7.16
13.00 1.5 鈴木 美帆(長谷川体育施設)   2021.6.6
13.02 1.4 池田久美子(スズキ)     2007.4.29
13.02 -0.6 紫村 仁美(佐賀陸協) 2013.6.8
13.02 1.1 清山ちさと(いちご)     2022.7.9
13.03 -0.6 木村 文子(エディオン)   2013.6.8
13.08 0.2 石野 真美(長谷川体育施設) 2006.10.22

2022年は3種目で5個の日本記録が誕生した。そのうち2つは一人が樹立したもの。

インターハイ3連覇の呪縛から解放

かつて“天才ハードラー”として大きな注目を集めていた福部真子(日本建設工業)が、ついに覚醒した。 中学時代に四種競技優勝。広島皆実高では100mハードルに専念し、インターハイ3連覇の偉業を成し遂げた。高校生のうちから日本選手権の決勝に残り、東京五輪の開催決定と相まって大きな期待を背負うことになる。 だが、その重圧と呪縛に長い間、苦しむことになる。「インターハイ3連覇は重かった」と後に振り返る福部。日体大に進学してからは、自己ベストを更新するまで3年かかり、一時は400mハードルへも挑戦した。 大学卒業と同時に引退も考えたが、競技継続を決意。社会人になってからも練習環境に悩み、良い記録を出してもなかなか安定しなかった。コロナ禍もあって、またも引退が頭をよぎったが、「広島に帰ってやってみたい」と帰郷。福部は息を吹き返した。 今年は日本選手権で初優勝。6月の布勢スプリントでは、寺田、青木に続いて3人目の12秒台ハードラーとなった。そしてオレゴン世界選手権に初出場。準決勝では12秒82の日本記録を樹立した。 しかし、福部の視線には「世界」がある。目指すのはパリ五輪のファイナル。帰国は常に練習でも世界のトップ選手をイメージしている。9月の全日本実業団対抗では12秒73という衝撃的なレコードを打ち立て、来年のブダペスト世界選手権の参加標準記録(12秒78)も突破した。 「私は天才ではない」。何が記録につながったと聞かれれば「苦しんだことも含めて、これまで経験したことすべてがつながっている」と言う。福部には胸を張って言えることが一つある。「これまで練習で一度も手を抜いたことはない」。 あきらめない才能。続ける才能。覚醒した天才ハードラーは、もっともっと世界の頂へと上っていく。 次ページ 女子100mH日本歴代10傑
◇女子100mH日本歴代10傑 12.73 1.1 福部真子(日本建設工業) 2022.9.25 12.86 -0.2 青木 益未(七十七銀行) 2022.4.10 12.87 0.6 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 2021.6.1 13.00 0.7 金沢イボンヌ(佐田建設)    2000.7.16 13.00 1.5 鈴木 美帆(長谷川体育施設)   2021.6.6 13.02 1.4 池田久美子(スズキ)     2007.4.29 13.02 -0.6 紫村 仁美(佐賀陸協) 2013.6.8 13.02 1.1 清山ちさと(いちご)     2022.7.9 13.03 -0.6 木村 文子(エディオン)   2013.6.8 13.08 0.2 石野 真美(長谷川体育施設) 2006.10.22

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